リオンたちが屋敷を出て行った後、何もすることの無かったはとりあえずマリアンのところへ行って残っていたかぼちゃパイを食べていた。
「、あまり食べると太っちゃうわよ?」
「俺ってば人より動くからエネルギー必要なの。マリアンさんたちも一緒に食べようよ!どーせ休憩時間でしょ?」
「うーん・・・・そうねぇ・・・」
「メイドさんたちもみんな休憩でしょ?一緒に食べよー!」
のんきな少女は暇だという理由でメイドたちとお茶をしだす始末だった。
リオンたちが仕事をしているのにもかかわらず・・・・・。
my way of living 9
〜良い子はお家でお留守番。おれっちと王様と第三のパパとお菓子パーチー〜
「人は人。俺はおれ〜」
「呑気ですね〜」
「これ長所なの」
「あはははははっ」
すっかりメイドたちとも馴染んでしまっていたため、話の花は咲くいっぽうだった。
お菓子も片付き、談笑のみで盛り上がっていたときだった。
「はいるかな?」
「あ、はい!」
ヒューゴがひょいと顔をのぞかせた。
メイドたちが慌てて頭を下げると、そのままでいいと優しく言った。
「セインガルド王の所へそろそろ行く時間なのだが・・・」
「え?!今日だったんですか!?」
「言ってなかったようだね。すまない」
「いえっ。じゃ行きましょうか♪」
かぼちゃパイが待っている〜〜♪とが歌いだすと、まだ食べるのか、と皆が笑った。
この子供らしさともちまえの天然が、おそらく彼女が気に入られる要点(?)なのだろう。
城についてもスキップしだしそうなを、ヒューゴは可笑しそうに笑いながら隣を歩いた。
「おぉ、久しぶりだなよ」
「お久しぶりです、王様!」
好物はちゃんと用意しておるよ。という王の気前のよさに、思わずヒューゴも笑ってしまった。
なぜ国王とが知り合いなのかというと、もともと側近としてたまに国王の相談役となっていたヒューゴが偶然暇にしていたを面白がってつれてきたことが始まりだった。
おそらくこの子は持ち前の痴呆ボケで国王を楽しませてくれるだろうと可愛いお茶目(一歩間違えば即死刑というスリル付き)をもくろんだヒューゴの思惑通り、その頃少し精神的に色々溜め込んでいた国王にいい効果を表した。
それ以来、王も王妃までもがを気に入ってしまったのだからこれはもう大成功といっても過言ではない。
いつも通りお茶をしながらの難しい話にはは入ってきはせず(面白いかどうかが判断基準)、かぼちゃパイを美味しそうに頬張ってその話が終わるのを待った。
難しい話とやらが終わると、それから日常に起きたなんでもない話から始まり大いに国王の笑いを誘う話にまで至った。
今回はどうやら王妃とは話せないらしいと知ると、とても残念そうにしていた。
「―――で、その○○○ってところに行くための切符を買うときに「to ○○○」っていったら、切符2枚だされて、今度「for
○○○」って言ったら切符4枚だされて、さらに「えーっと・・・・」って言ったらなんと切符8枚だされちゃったんですよ!言葉の違いとは恐ろしいですね・・・」
「はははははっ!」
今日も国王を笑わせることはできたらしい。
ちなみに上の話は某TV番組で聞いた実話である。(結構有名/「to(トゥー)」を「tow(トゥー)」と間違えたってやつ。)
壁際に立っているメイドたちまでもが笑いを堪える始末だ。
「もうこんな時間か・・・・」
「そろそろ帰ろうか」
「そうですね。それじゃあ王様、また今度!」
「ああ、、今日はありがとう」
「いえ!王妃様によろしくお伝えください!」
さよなら〜と手を振ると、失礼しますといって国王の私室から退散した。
「ふ〜〜〜〜っ。楽しかった」
「それはよかった」
街の中を歩きながら、は伸びをした。
どこまでものんきなの発言に、ヒューゴはくすくすと笑ってしまった。
「なんだか不思議だな。君とこうして歩いているのは・・・」
「え?なんでですか?」
すぐに聞き返してきたに苦笑いすると、ヒューゴは少し頭の中で言葉を考えるように間をおいてから返事を返した。
「なんだか・・・・娘を持つとこんな感じなのかな、と思ってしまってね」
そういうと、ヒューゴは寂しそうに目を細めた。
お?と首をかしげただったが、アハハと笑って冗談めかした返事を返した。
「娘ともいえない娘ですけどね」
「ふふふっ。そうかもしれないね」
の冗談に一緒になってヒューゴも笑い、あたりに穏やかな空気が戻ってきた。
でもそうしたら・・・と、ヒューゴを仰ぎ見ながらが言った。
「ヒューゴさんは俺の第三の父ですね!」
「だ、第三・・・?」
何故か出てきた人数に、ヒューゴは思わずベタに転ぼうかと頭をめぐらせた。
「ちなみに二人目はバルックさんです」
1ヶ月イレーヌとバルックと過ごしてきたんだっけな・・・・とヒューゴが言うと、はいっ、とが嬉しそうに答えた。
「それじゃあ第三の父として、今日から少し甘えてもらおうかな」
「甘える?」
どうやって?と聞いたに、ヒューゴは「・・・・・・どうやってだろう?」と逆に聞き返してしまい、二人は目を合わせると声を立てて笑いあった。
じゃ、とにっこり笑うと、はヒューゴの手をぱっととって握った。
「もうすぐ夕食だし、帰ろうお父さん!」
「!!?」
まさかそんなことをしてくるとは思わなかったヒュー後は思い切り驚いて少し体を引いてしまった。
が、そんなことに気づくはずも無いは、首をかしげてただただそんなヒューゴを見ていた。
しかも二人がいるのは屋敷のすぐ前。他人にどう見られることか・・・・。
固まっていたヒューゴはようやく我に返ると、しどろもどろしながら苦笑いした。
「どうも慣れていないことをするとだめだな」
「リオンは甘えてこなかったんですか?」
「あの子は・・・・・・・私がそうしてしまったからね」
「あちゃー!ヒューゴさんパパ失格ですよっ!」
だからひねくれたのか?と、失礼極まりない言葉を発しながら一人考え出したに、ヒューゴは笑いながらそうかもしれないなといった。
「今更甘えるなんてしないでしょうからね〜あの坊ちゃん」
「そうだね・・」
「でも、今からやさしくしたってきっと遅くないと思いますよ」
「・・・・そうかな?」
「そうですよ。ちょっとずつ今までの分、優しくしていけば十分ですよ」
「・・・・・・・。そうか」
さあ家に入ろう、お父さん!とまだ言うの言葉で、ヒューゴはまだ手をつないでいたことに気がついた。
「そうだね・・・・入ろうか、」
「うん!」
にっこり笑うと、ヒューゴはノリよく手をつないだまま“娘”とともに屋敷に入っていった。
それを見て、出迎えたマリアンや他のメイドたちが大いに驚いた。
次の日、は朝からダリルシェイドの街へ出てきていた。
「おっちゃん、これすっげーキレー!」
「だろー?ねーちゃん良い目してるねぇ〜」
「いやいやもっと褒めてもいいよ〜」
だはははは、と、港のバザーにある出店の親父と大声で笑うだけ笑っていると、周りのバザーの人たちまで交えて笑い話をしだした。
「そろそろお昼だ!おっちゃんおばちゃん魚屋のにーちゃん、じゃーね〜」
「おう、またな!」
「お昼に気付くなんて、すごいねぇ」
「優秀な腹時計がついてるんです」
ボケを一発すると、バザーの人々と一緒になって笑いながら屋敷へと戻った。
どこへ行っているのか分からないくらいに動き回っているのに、毎回食事の時間にはきっかりに現れるにメイドたちは毎回笑いながら料理を運んできていた。
その後入ってきたヒューゴが、席に着き食事が済ませるとに街はどうだった?と聞いてきた。
色々なものが沢山あって、そこにあるものも人もすごく面白くて楽しかった!とが元気よく答えると、くすくす笑いながら「そうか、よかったな」とヒューゴが言った。
そんな、リオンとの間では聞くことのなかった会話を聞いて、マリアンがまた驚いたのはいうまでもない。
「は本なんかも読むのかな?」
「面白そうなものなら!」
即答でそう答えたに、ヒューゴはなんだか意味深な視線を投げた。
「・・・・」
「あ、絵本じゃないし漫画でもないですからねっ!」
「おや?そうなのかい?」
「あー!やっぱりそう思ってたんだー!」
「あははは。をみるとどうしてもそう思えてしまってね」
「そうじゃなぁ。知的なものはちと似合わんかもな」
イレーヌパパさんも!あ、マリアンさんも笑ってるー!と、一人大騒ぎしてふてくされてしまったを見て、皆可笑しそうに笑い声を上げた。最終的にマリアンが美味しいおやつを作るからと言うと、ふてくされていたは一気に機嫌を直し、それを見ていた人たちから苦笑いをうけた。
「笑ってすまなかったね、。それじゃあ私の書斎の本でも読むかね?つまらないかもしれないが・・・・」
「ヒューゴさん、やっぱりリオンの父さんだ・・・・ってぇえ?!あそこにある本を?!見てみたい!」
「そうか、じゃあさっそく行くかい?」
「本当にいいんですか!?」
もちろん。というヒューゴに、やったー!とは大喜びだ。
カタンと椅子から立ち上がると、じゃあ行こう、とヒューゴが扉へと向かっていった。そんなヒューゴの後を追いかけて、はヒューゴに飛びついた。(ある意味タックルをかました)
「ヒューゴさん大好きさー!」
「おっと、私もやっと、マリアンと同位置に来れたのかな?」
「ですかね。すっかりなつかれてしまって」
マリアンがくすくすと笑った。
同位置?と首をかしげるに、なんでもないよとヒューゴが答えると、は「じゃあ早く行きましょう!」と手をひっぱって歩きだす始末だった。
「・・・・・・」
「・・・難しかったかな?」
ヒューゴの書斎につき、「適当なものを読んでいい」と言われたはさっそく古い本に手をつけていた。
書斎にある仕事の客人用にと置かれたソファに座りながら無言になってしまった子供に、頭痛でもおこしたのではないかとヒューゴが声をかけてみたものの、返事はすぐには返ってこなかった。
「あ、ヒューゴさん。大丈夫ですよ。それにしてもこの人すごいですね・・・・・・。レンズから力を引き出して晶術を使う原理やレンズについての研究結果とかその理論とか、難しいけどすっごく面白いことが書いてある・・・・・」
「随分と古い本を読んでいるね・・・・・。それは1000年前の天地戦争が終わった後に書かれたものだよ」
読めたのか、と至極以外そうにするヒューゴに失礼な!と怒ると、ヒューゴは素直にすまないすまないと笑いながらだが謝ってきた。
「コレ読めば、そこらにあるレンズ使って晶術も使えるようになるかも!」
「そう簡単にいくものではないよ」
「練習あるのみっすよ!それに、リオンが晶術使えて俺が使えないってなーんか悔しいしっ」
そうだね、と笑いながらヒューゴが返事を返すと、は本をひっくり返したりして誰が書いたものなのかを調べだした。
ああ、それは・・・・と、どうやら知っているらしいヒューゴが声を上げると、それに反応してがそちらの方を向いた。
「ハロルド・ベルセリオス博士が書いたものだよ。・・・・・といっても、博士のことを知らないかもしれないが」
「ハロルド・・・・・・・・?」
聞いたことがあるような・・・・・と頭の中で考えていると、ヒューゴが声をかけてきた。
「その本に書いてはいないが、確かなことだよ。なんなら持っていって読むといい1・2時間じゃ終わらないから・・・・おやつの時間がなくなってしまうかもしれないからね」
「うわ!それは嫌だ!じゃ、これ借りて行っちゃいますvお仕事がんばってくださいね〜。・・・・・・・・ん?」
(ハロルド・・・?ヒューゴ・・・・・・・・?・・・・・・あ!・・・思い出した。ハロルドという人物のことも。ヒューゴさんのことも。なんで忘れて・・?)
忘れてしまったこと自体は思い出せないが、今はそれどころではなかった。
とりあえず習慣でできててしまった自分のボケたノリにが内心でつっこみをいれていたところで、部屋を二つに仕切っていた壁の前で固まっているにヒューゴがどうした?と聞いてきた。
「・・・・ヒューゴさん?」
「なんだい?」
いつもの優しそうな笑顔でヒューゴが返事を返した。
「違う、あんたじゃない。俺が呼んだのはヒューゴさんだ」
「・・・・・どうした?私はヒューゴだよ?」
困惑したように言うにヒューゴがそう言ったが、はそれを無視してまっすぐ彼の目をみつめて言葉を発した。
「ヒューゴさん、もう聞こえてないかもしれないけど・・・・これ以上そいつを好き勝手させないで。じゃなきゃ・・・あなたは今残っている大事な人手すら不幸にしてしまう!」
「・・・・・。これは彼が望んだことだ。こうしなければ、人々はいつまでも愚かな行いを繰り返すだけなのだよ」
「化けの皮はがれやがったか。・・・ねえ、ヒューゴさん、自分の大事な人ですら、近くにいる人ですら幸せにできない人が、どうしてみんなを救えるというんだ?自分の心に負けないで。弱さを認めても、受け入れたりしないで。他人によって与えられた幸せなんて、結局誰も認めようとはしないってこと、色々な人を見てきたあなたなら分かるんじゃないのか?」
が言い終わると、ヒューゴはにやりと不敵に笑った。
「無駄だよ。彼に声はもう届かない。・・・・もっとも、届いたとしてもなにもできはしない」
「そんなことわからないだろう!」
感情的になったは思わず壁をバンッと叩いた。
「君は・・・・私を知っているんだね?いや、思い出した、と言ったほうが正しいか・・・・・」
「知ってるさ。自称天上王ミクトラン」
「ふふっ、相変わらず面白い子だ」
くっくっと喉で笑うと、音も無く近づき、その手をの頬に添えた。
「私のしようとしていることは間違いだと思うかい?」
「少なくとも1000年は時代遅れだね」
臆することもなく、両者とも一向に引こうという気配もなくにらみ合う。
「お空の上から決められた決まりと階級とに挟まれてそれでも懸命に生きようとする人たちを見下すという計画がかい?」
「この世界には愚かなものの方が多く存在している。そのものたちがそのような仕打ちを受けてもしょうがないと思うがね」
「どのみち金のあるものやあんたに手を貸したものしか上にはいられないんだろう?」
「しっかりとしたものだけを選ぶつもりだ。そう、たとえば・・・・イレーヌ」
「まさか・・・・イレーヌさんが!?」
信じられないとでもいうように目を見開いたに不敵に笑いながら、ヒューゴは言葉を続けた。
「君は先程他人によって与えられた幸せを人は認めようとはしない・・・といったね。だがそれは違う。昔も今もそう変わらない・・・・。他人の力でなければ幸せを手に入れられない人間というものはどこの時代にも沢山いる。
この時代にいる君には判らないだろうが、昔はそうも言っていられなかったんだよ。飢え、戦争、病・・・沢山の人々が神に、そして英雄と呼ばれた人物たちに幸せを願い、祈った」
私がまとめる世界だ・・・・きっと今苦しんでいるほとんどの人間たちが救われると思うが?と自信満々に言うヒューゴ、もといミクトランを、はフンと鼻で笑った。
「即席の幸せで人が幸せになれるなんて本気で思ってはいないだろ?大体、感情のある生き物がいる限り、この世界から愚かなものは消えたりはしない。新しい子供が沢山うまれてくれば、いくら洗脳的な教育を施したとしてもその中から何人かはかならず不信に思うものや愚かなものが生まれてくる。
・・・・・あんたはなにに怯えているんだ?なぜそこまで人から遠ざかろうとする?すべてのもの切り離し見下して。そこまでして上にのぼって、あんたはその後なにがしたいんだ?」
一時も目を離さずが言った。
ミクトランは一瞬止まると声を立てて笑い、空いていたもう片方の手をドンと壁につきを追い詰めた。
口の端を吊り上げながら、先程よりも更に顔を近づけていった。
「実にいい。変わらないね、君は。・・・・・・・昔から・・・・・・」
「は?昔?何言ってんだ、俺はあんたのこと−−−−−っん?!むーーー!!」
言葉を遮るようにミクトランは口付けた。
いきなりのことに頭が混乱し、ドンドンと肩を叩いたり懸命に体を離そうとするが、それも力の差でかなうはずもなかった。
言葉の途中だったために開いていた隙間から舌を入れられ、抵抗のできないはいいようにされるばかりだった。
ゾクッとおののいた肩もぴったりとくっつかれていては隠すこともできず、悔しさで泣きそうになっていた。
抵抗していた腕も酸素が足りなくなった体ではいうこともきかなくなり、次第にミクトランに支えられる羽目となってしまった。
「・・・っっぷはっ・・・・はぁ・・・」
やっと開放された頃には息を吸うことしかできず、早く酸素を取り入れようと肩で懸命に息をした。
「今思い出したことはまた忘れてもらうよ。まだ早すぎるからね・・・・・・・」
まぁ・・・・そのたびこうするのなら捨てたものではないけど、という声がには遠くに聞こえていた。
ヒューゴもといミクトランの手の中で、色気ねぇな俺・・っていうかあんなことわざわざする必要ないじゃん親父趣味・・・・・・・・と心中悪態をついたのを最後には意識を放した。
「やっと会えたんだ、もう離れてしまうというのは酷というものだろう」
ぐったりと倒れこむを抱きかかえ額にかかった髪を優しく指でよけながら、ミクトランはふっと笑った。
「この長い時をどれほど待ったか・・・・。君は覚えていないのか、それともまだ私にあったことはないのかな・・・?リオンが最初から君をあまり冷たくあしらえなかった理由が私からの命令のせいと知ったら、君はどんな顔をするだろうね。今はどうだか知らないが・・。
イレーヌからの報告を受けたときは驚いたよ。私がどんな気持ちで君を迎えに行ったか・・・どれほど嬉しかったか君には分からないだろうね」
ソファに運びながら、意識がないに向かって語り掛けた。
「1000年たった今になって、まさかまた同じ言葉を君から聞くことになるとはな。まぁ・・・・そうでなくては面白くない。必ず手に入れる。この世界も。・・・君もな」
うっすら微笑むと、ミクトランは額に一つキスを落とした。
「ヒューゴさま、はこちらに居ますか?」
間の良いことに、マリアンがやってきた。ドアの外から声をかけてきた。
ふう、とため息をついて胸をなでおろすと、返事を返した。
「ああ、どうやら本を読んでいる間に眠ってしまったようだ」
失礼します、という声とともにマリアンが入ってきた。
マリアンがこちらまで来る前にそっとヒューゴは抱えていた体をソファへとおろし、その手にさきほどまで持っていた本を握らせた。
「あらあら、すっかり寝入ってしまっているわ・・・・」
呆れながらも微笑む彼女の顔をみるかぎり、微笑ましいと思っているのだろう。
おやつ食べないのかしら・・・・と困ったようにソファで眠る子供を見るマリアンに、ヒューゴがそれなら、と助け舟(?)をだした。
「気持ちよさそうに眠っているから・・・・・起こさないように私がこの子を部屋まで運んでおこう」
「えっ、いえ、それなら私が・・・・」
「リオンと同じくらいの背がある子を運ぶのは、女性には大変だろう?」
仕事の方も大丈夫だから、というと、マリアンがくすくすと笑い出した。
「のこと、そうとう気に入られたのですね」
リオンがいじけなければいいのですけれど、と笑いながらいうマリアンに、してくれるかな?と冗談を返すと、の影響を受けてしまってと更に可笑しそうに笑った。
「私も随分・・・・受けてしまったようだ」
「いい影響ですから、ご心配はいらないと思いますよ?」
「私もそう思うよ」
ひとしきり笑いあってマリアンがいなくなった後、ヒューゴはを抱え彼女の私室へと向かった。
例の本と一緒に。
続く
−−−−−−−−−
・・・・え?ヒュ、ヒューゴ様!?
無駄にアーーーまーーーいーーーーー!!!(嫌)
というようなわけの分からない一品でした。(その前に品になるのかが疑問)
主人公襲われてるよ。・・・・おっさん!手出すなよ!(笑)
・・・・。ていうか前も同じ方法だったのか・・・?忘れさせたの。(やめようよ)
ちょっぴり裏の事情が明かされました。つかもうここまできたら先読み可能やん。(つっこみ)
・・・・・。
さー次はみんなで冒険ですよぉ〜。(オイ)
主人公としばらく会えないミクトランはきっと寂しい思いをすることでしょう。(爆笑)
いいのさ。坊ちゃんとマリアンさんと主人公とヒューゴさんで複雑な四画関係(ずばっ)をするのだから!(ネタ知ってる方すみません)
主人公に変な虫がつかないか気が気じゃないでしょうね〜ミクトランは。ププッ。
なんてったって1000年の恋ですから(爆笑)おーとーめーーーー!!!(笑死)
ゲフンッ。
はよ寝ましょう。(現在時刻午前2時半すぎ)
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。