「リオンー。暇ー」
「煩い。黙って歩け」
「冷たい・・・。聞きまして奥様方!?」
「奥様でも女でもない。そいつらは兵士だ」








my way of living 7
〜煩そうなショートカットの黒髪と場違いな赤髪と挙動不審の金髪捕獲作戦〜










ヒューゴの屋敷でが生活すること約1ヶ月。
すっかりリオンはボケを流すこととつっこみが板についてしまった。(つっこみは元からだが)
1ヶ月間やってきて仕事にもなれたのかもともとの才能からか、も今では一目置かれるほど腕が上達していた。
が、落ち着きのないところは相変わらずで、煩く騒いではリオンに叱られていた。
今日はハーメンツの村に3人組の盗賊を捕まえに行く、というのが仕事なのだが・・・・。
「あー!チュンチュンが!ピヨピヨがっ!!かーわいーーvv」
「馬鹿!そいつらはモンスターだ!」
『それ以前にこんなところにピヨピヨってでるんだね』
だっっと駆け寄ろうとするを服を引っ張ってなんとか引き止めると、リオンはシャルティエを鞘から引き抜いた。
「こんな可愛いやつら殺せるかーーーー!!!」
「なら死んで来い痴呆娘!!」
やはりこのやりとりは冷たくあしらってもどうつっこんでも始まってしまうらしい。
どの道、現れたチュンチュンとピヨピヨはによって多少攻撃された後逃がされ、剣を構えていたリオンや兵士たちは深いため息をついた。
「なんだよー。きゃっちあんどりりーすがそんなに悪いことかよー」
「なんだそれわっ。わけの分からないことを言うな」
ちなみにキャッチアンドリリースはフィッシングや釣りで使われている(はず?)「釣った魚をもう一度返す」というえー・・・・意味というかなんというかだ。(説明謎)
もちろんそんなことを知るはずもないリオンたちは誰一人として「違うだろ!」・・・とはつっこまなかった。
いい加減騒ぎすぎてリオンに怒られたは、それからハーメンツまで無言で歩いた。






「うー〜〜はぁ。やっとついたのか?」
無言でさくさく歩くだけだったのが相当暇だったのか、一つ伸びをするとリオンに話かけた。
「見て分からないか」
「オリャ生まれて初めてここに来たんだが?」
「村について兵士たちが僕の指示で動き出したのを見て察せると思うが?」
「どーせ俺は馬鹿さ!!ケッ」
思い切り皮肉を込めて言うリオンにはいじけた。
兵士たちが団体で一軒一軒盗賊を探す中、二人だけはのんびりとしていた。
「なー。なんでみんなで探してんだ?ちらばって探した方が早いんじゃね?」
あくびをしながら質問すると、リオンは不機嫌そうな顔をしてため息まじりにその質問に答えた。
「相手も中々腕がたつとの情報があった。その所為だ」
「ふーん。たんにそれ守ってた奴らが弱かったってだけなんじゃないの?」
「だろうな」
「うわー。否定しなかったよこの人」
『そりゃあ坊ちゃんだからね』
「果たしてどちらの意味でか・・・・」
〜〜〜?なにか余計なこと言わなかったかな〜〜〜〜?』
「い〜え〜?なんにも言ってませーん」
ていうかどうせ悪い意味含んでても良い意味のほうしか言わないんだろうが・・・・と心の中でごちていると、宿屋の中から騒音が聞こえてきた。
「いたか・・・・。出口を包囲しろ!一度失敗してるんだ、どうせ中の奴らでは捕まえられないだろう」
大声で指示を出すと、急ぎ足で宿屋の方へと向かった。
リオンの指示通り、宿の出入り口を完全に包囲する兵士たちのところへとたどり着くと、がうきうきと弾んだ声で問いかけた。
「俺も出ていい?」
「たかだか盗賊3人を逃がすつもりはない」
「だから?」
「分からないのか?お前は邪魔だ」
「シャルーー!いじめだーーー!!!」
『前科もちだしね』
「もってねえよ」
「いつもモンスターを逃がしているのはどこのどいつだ」
「人間は別だーーー!!」
ちょうどの叫び声が止まったとき、バンッ、と宿の扉が勢いよく開いた。
出てきたのは兵士ではなく、おそらく盗賊の3人組。
「煩そうなショートカットの黒髪とどことなく殺る気満々の背高のっぽの赤髪と挙動不審のマヌケ面した金髪発見!」
「洞察力だけは一人前だな」
「こういうとあんた喜ぶよね」
『案外あたってるから余計に面白いんでしょ、のは』
「ていうか否定してやろうよ、人として」
捻くれもの二人にはその言葉は届かないらしく、いつものように流された。
意味の無い会話をしていると、いつの間にか動向していた兵士たちがほとんど倒されていた。
「チッ・・・」
「あ、リオンっ」
小さく舌打ちすると、リオンは兵士たちの前へと出て行き、はその後ろに慌ててついていった。
「どけ!」
「あ、あなたはリオン様ッ!」
「チッ。役立たずどもが・・。おい、周りで寝ている馬鹿者ども、とっとと起きろ。やつらは僕が片付ける」
怒り交じりで声を張り上げると、次々と倒れていた周りの兵士たちが立ち上がった。
「大丈夫ッスか〜?まったくリオンてばきっついなぁ」
リオンの後ろでは、が兵士たちに気の抜けるような声で手をかしていた。
「国軍に反抗する馬鹿どもが。大人しくしていれば手荒な真似はしない。さもなくば・・・・どうなるか分かっているだろう?」
リオンが3人組に声をかける・・・というか最後の警告をするが、3人はリオンの容姿を見ると小馬鹿にしたような顔で近づいてき、周りを囲んだ。
「ふーん、たいした自信じゃないか」
「ガキはひっこんでなさいよ!」
赤髪の大きな女と黒髪の女が口々に言い、リオンに食ってかかった。
「きゃーっ、怖いよぅ」
『やめようよ、気持ち悪いから』
その後ろでは小声で小さなコントが執り行われていた。
「警告に従わないと言うならそれでもいい・・・悪人に人権は無い。実力行使だ!」
「リオン、俺もやっていい?」
「この状況を見て考えろ。傷だらけになりたくなければ邪魔にならない程度に動いておけ!」
「やりっ☆」
いきなり始まった戦闘に、は遅れて参加した。
リオンの目の前にいた黒髪はもうすでに倒されており、リオンは次に隣にいた赤髪に斬り込んでいった。
「じゃ、挙動不審のお兄さんは俺が相手ってことで・・・とう!!」
「なっ、早い・・っっ」
低い体制で飛び、瞬時にとりだした愛剣で一気に金髪に斬りかかった。金髪は紙一重で何とかよけつつ、次にくる攻撃を受け止めるためすぐに腰にあった剣を引き抜いた。
金髪が剣を引き抜くと同時にが剣で突く。それもなんとか払いのけたが、次の瞬間金髪は腹部に激しい痛みを感じることになった。
がすかさず蹴りを入れたのだ。
「ぐっ・・・・かはっ!」
金髪がよろけた隙を見逃さず、は頭の側面を狙って思い切り回し蹴りを入れた。
「はっ!」
連続で攻撃され倒れた金髪に、とどめの一発といわんばかりに腹部に思い切り蹴りを入れた。
「がっ・・・・・!!」
げほっごほっとむせている金髪を周りにいた兵士たちが素早く縄で拘束した。
周りを見ると、他の二人ももうすでに捕まっている。
「ほい、終了!」
「遅い」
「ちゃんと捕まえたからいいだろー。わがままリオン〜〜〜」
「これは仕事だ。場をわきまえろ」
に言っても無駄だと思うんだけど』
「さっすがシャル!わかってる☆」
「・・・嫌味も通じない馬鹿になにを言っても無駄・・・・か」
ふう。とため息を落としたリオンに、はなんだよそれわっとつっかかっていたが、捕まった3人が中央に並んで座らされると、その会話は終了された。
くそっ・・・・と金髪の少年が悔しそうに顔を歪めたのを見ると、リオンがフン、と嘲笑する。
その後からなんだかめんどくさい話になったので、はところどころ会話を聞いてはつっこみを入れて遊んでいた。
『だーめ。だって僕は坊ちゃんには逆らえないもん』
「やけに可愛いなオイ」
『それはそうと・・・・・シャルティエ、お前口調が変わったな』
「捕まったことよりそっちかよ」
『そう?坊ちゃんの影響かな?・・・・まあ僕も苦労してきたからね』
「うん、知ってる」
「・・・・・・
「はーい☆」
「黙ってろ」
厳しい声で一刀両断されたは、地面に膝と手をついて「うう・・・」と泣き真似をした。
「おい、リオンとかいったな。俺たちをどうするつもりだよ」
と、そっぽを向いていたリオンに金髪の少年が食って掛かった。
泣き真似をしていたは、よく言えるなーと感心すると、何事もなかったようにひょうひょうと立ち上がった。
ここまで来るともう護送するだけだと分かっていたから余計にだろうか、感心することしかできないようだ。
「罪人の行き着く先は一つだ。せいぜい首でも洗って待っているんだな。こいつらをダリルシェイドまで護送しろ」
「はっ!」
リオンが指示をだすと、周りにいた兵士たちが縛られていた3人を立たせた。
自分たちの置かれている状況に改めて気がついたのか、3人のうち二人が顔色を変え、黒髪の少女が暴れだした。
「なーんであんたなんかに捕まんなくちゃいけないのよ!!!」
「つれていけ!」
「は!」
「ちょっとなによ!放しなさいよ、ばかーーーー!!」
「・・・・・・うるさい女だ」
「あ、俺の言ってたことあたってたね」
『あはははは。やっぱりおかしー』
『こっちは笑い事じゃないわよっ』
『・・・・・』
いつも以上に緊張感のない護送に、リオンはため息をおとした。





「お兄さん腹痛くない?二度も蹴ったからねぇ」
「うーん、今は結構痛みは引いたかな」
「そっかー。やっぱダメだな・・・・もっと力つけなきゃちょっと不利だな・・・・」
罪人の心配をしてどうする、とリオンがつっこむ前に言ったの言葉を聞いて、そこにいた人間は皆苦笑いした。
「で、でもスピードはすごくあったよ!」
うむむと考え込むに、青年がフォローのように言葉を付け足しをすると、 がぱっと顔を上げた。
「え、ホント?!」
「ホントホント。おいつけなかったもん、俺」
「よかったー。俺それだけがとりえなんだ。あ、でもお兄さんもしっかり剣で受け止めてたじゃんよ」
「え、そ、そっかな」
てへへと青年が頭をかき、と二人して笑っていると、その様子を見ていたリオンが顔をしかめた。
「なに罪人に褒められて喜んでいる単細胞」
「あ・ん・た・も!なに褒めてんのよ褒められて喜んでんのよこのスカタン!!」
「「うっ・・・・だ、だって・・・・」」
リオンと黒髪の少女に叱咤され、似たようなリアクションで縮こまる二人を見て、今度は赤髪の女剣士が笑った。
「みんな楽しそうだな」
「・・・・・マリー・・・・」
なんとも場違いな意見に、とシャルティエは大笑いした。
歩いてしばらくすると、落ち着きのないはやっぱりリオンに嫌味ついでに話しかけた。
「帰ったらマリアンさんのかぼちゃパイだよ!」
それ好きだもんね』
るんるんとスキップし始めたにシャルティエが相槌を返すと、はうんと嬉しそうに頷いた。
もちろんリオンはシャルティエのような反応を返すわけもなく、傍にいるのも嫌そうに眉を潜めた。
「大好きさ!楽しみ〜♪リオンは?楽しみじゃない?」
「・・・・煩い。黙って歩け」
「あーまたそういうこと言う。いいよ、俺が全部食うからな」
「!!」
「なーんつって、ウソ嘘。まったく素直じゃないなぁリオンは。アハハ☆」
「・・・シャル」
「わー!タンマ!すみません俺が悪かったですーーー!!!」
「フン」
「・・・・・・・・・・いつもこんななんですか?」
「・・・・・」
青年が隣にいた兵士に聞くと、兵士は無言のまま頷いた。
その後も二人は(というか片方がつっかかりまくって)そんなやり取りを繰り返し、結局ダリルシェイドにつくまで「・・・護送中?」と思わず聞きたくなるような緊張感の無さが消えることはなかった。







続く
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主人公・・・ちょっと遊ばせすぎ?(書いてるのは自分ですね)
すみません。好物勝手に書いてます。かぼちゃ嫌いなかた本当にすみません。
なにか自分のすきな別のものと思って・・・(無理)
にしてもシャルの「だーめ。だって、僕は坊ちゃんには逆らえないもん」は・・・・「だーめ」と「もん」は・・・!!!
あんた・・・・可愛すぎですよ。
ゲームだとその後リオンの自慢話にいきますけど、それでもなんだか可愛いシャルティエさん。
「すっごく偉いんだ」
・・・・どこの坊やですか!?
まるで「僕のパパはねっ」と父親の自慢を始めてしまった小さなお子ちゃまのような思わずさらってしまいたくなるような(止まれ)
ていうかディムロスさん、「そんなことより・・・」って。マスター捕まってますよ?
いいんすか!?と、ゲームをしていて思わずつっこんでしまいました。
楽しいネ☆
なんだかあとがきが長くなってしまいました。すみません。
ここまで読んでくれた方、どうもありがとう☆