「このプリンーーー!!」
「なにわけのわからないことをほざいてるんだこの造語作成機!!」
ばたーんっと食堂の扉を開けて入ってきたのは、口喧嘩をするジューダスとだった。
二人とも入ってくるなり口喧嘩をやめて、カイルたちのいる席まで一気に歩いてきた。
「・・・・二人とも、いったいどうしたの?」
「「どうもしない」」
先にカイルたちと食事をとっていたリアラががたんと席に座った二人にといかけたが、二人とも同じ答えを返すだけでそれ以降食事に集中してしまった。
後に彼らは、コレが普段の生活風景の一つであることを知る。








my way of living 41
〜ちゅーちゅー大王の来襲〜








朝食をとった二人は、ナンパに行ってしまったロニとどこかへ行ってしまったカイルとリアラをほっぽり、甲板にでてのんびりとしていた。
「で、僕が死んだ後この世界はどうなったんだ?」
「昨日の「お前に何が分かる!」発言に続くシリアスあーんどベタ台詞第2号だね☆
海に帰りたいかそうか僕が手伝ってやろう
「いーえ帰りたくないです手伝わないでいいですその手を離せーーーーー!!!」
がにっこり笑いながらボケると、ジューダスが早口で返事を返しを海に落とそうとした。
ジューダスの攻撃をなんとか流すと、は一息ついて座りなおした。
「まったく・・・冗談通じないんだからなぁ坊ちゃんは」
「こんなところでボケるお前の神経もどうかと思うが」
「普通だろ?!」
「思い切り聞き返すな」
と、一向に話は進まず、結局シャルティエにつっこまれてからは話し始めた。
「あの後・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なにおきたっけ?」
「・・・・」
本気で首をまげたに、ジューダスが剣を途中までスル・・と抜いて見せた。
お、思い出した!とが言うと、ジューダスは剣をしまい「ふざけないで話せ」と言ってぎろりと睨んだ。
「あの後確か・・・・・ダイクロフトが浮かんで、地上をベルクラントで撃って外郭が出来て空中都市ができて・・・イレーヌパパさんとバルックさんとイレーヌさんが死んで、スタンたちと合流して、マリアンさんを助けてヒューゴさんが死んで、ヒューゴさん操ってたミクトランが剣から蘇って、ベルクラントごと落とされて、ジョニーさんに拾われて、んで・・えーっとどうしたっけな?ソーディアンのレベルアップをさせて、ベルセリウムを手に入れて、各村にあるレンズを回収して、それからジョニーさんたち置いてダイクロフトへ行って、ミクトランを倒してめでたしめでたし」
「説明になってない」
お前ならできる!
「なにをだ痴呆娘!」
あったことをただ話した−−−しかも一息で−−−にジューダスが思いきりつっこんだ。
未だに「なんてわかりやすい説明なんだっ」と言い切るに、ジューダスはため息をついた。
「・・・イレーヌたちは、誰がやったんだ」
「・・イレーヌさんは自殺。バルックさんはガングロ。イレーヌパパさんは自滅したらしいし、ヒューゴさんは忘れたよ。みんなで、かな」
案外さらりと答えたに、ジューダスは何も言わずうつむいた。
「何て顔してんだよ」
「いや・・・。残念だったな、ヒューゴまで死んでしまって」
「なんでヒューゴさん限定?」
不思議そうに聞いてきたに、ジューダスは逆に「何故って何故」と聞き返しそうになった。
「なんでってお前、ヒューゴに惚れてたんじゃ・・・・?」
「は〜?なぁにいってんのさジューダス!面白〜」
けらけらと腹を抱えて笑い出したを見て、ジューダスはますます首をかしげた。
そんなジューダスを見てか、は悪戯っぽく笑って「違うよ」と一言言った。
「違うって・・・?・・・・っ!まさか」
答えに思い至ったのか、はっとして驚愕したジューダスには笑い返すだけだった。
「お前は・・・・恨んでないのか?」
「なにを?」
「だから・・・・」
それ以降、ジューダスは黙りこくった。そんなジューダスを見てため息をつくと、は「恨んでないよ」と簡単に答えた。
「ウッドロウもスタンもフィリアもルーティも、誰も恨んでない。ていうかあいつらを恨みたくないしね」
というと、はジューダスに向かってにっこり笑い返した。
ジューダスはそれを聞くと、「そうか」と言い返しそれ以降喋らなくなった。
も一緒になってなにも喋らず、二人はただぼんやりと海を眺めていた。
何十分そうしていただろうか、上からカイルたちの声が聞こえてきた。
「おーおー。ラヴラヴやねぇ〜v」
「・・・ガキだな」
見晴らしのよさそうなところで一緒に座り、楽しそうに話すカイルとリアラを見てが野次を飛ばした。
そんな二人に向けてか、ジューダスが小ばかにしたように鼻先で笑った。
「なんだかんだいってアンタカイルに負けてんじゃない?女作る点で」
「僕は別に女なんて要らない」
「へー?ほー?ふーん?」
にししと笑いながら言ったにジューダスが不機嫌そうな声で返すと、はじと目でジューダスを見返した。
うっ、と少し引くと、ジューダスは負けじとに言い返した。
「だ、大体お前も同じだろうがっ」
僕は別に女なんて要らない
「上等だ変態!」
「変態じゃない変人だ!」
どっちも変わらん!いや変わる!とギャーギャー騒ぎながら二人がじゃれあっていると、急に船がぐらぐらと揺れ始めた。
「なーんか前にもこんなことあったよなぁ」
「呑気に浸ってるんじゃない単細胞。二人のところへ行くぞ!」
呑気にバランスを取りながら楽しんでいるにジューダスがつっこみ、二人は上で異変に気付いたカイルたちのところへと向かった。
「お、ジューダス、!なにがあった!?カイルたちはどこだ!?」
途中廊下でうろうろしていたロニに会い、3人は一緒になって走りはじめた。
「上だぜフラレマン☆」
「フラレマンじゃない!俺は決してフラれていないんだーーーー!!」
「煩い。とっとと行くぞ!」
頭を抱えて叫びだしたロニにジューダスがつっこむと、3人は足を速めた。


「おい、お二人さん、そんなところでいちゃついてる場合じゃねえぞ!」
「あっ!いや、違うんだリアラ!そんなつもりじゃなくて!う、うわぁぁあああ!!」
どしゃ。と大きな音をたててカイルがおっこちた。
はそれを見て腹を抱えて笑い、リアラは急いで降りてきた。
ロニとジューダスは呆れている。
「カイル、大丈夫!?」
「心配いらん。バカは頑丈と昔から決まっている」
「どっかのバカで検証済みだしね」
「なんだよ!バカバカいうなよな!」
ジューダスとがバカバカ言うと、カイルはがばっと起き上がった。
まだまだ元気そうだ。
「はいはい喧嘩はあと!何が起きたのか確かめるのが先だ!へさきへ行ってみようぜ!」
というと、ロニはさっさと走っていった。
カイルたちがその後から急いで走っていったのだが、は手すりの向こうをキョロキョロと見ていた。
「飛び降りちゃダメ?」
残っていたジューダスに手すりの下を指差しながらが言うと、ジューダスが呆れてため息をついた。
「落としてやろうか?」
「お前もみちずれねv」
「二人ともなにやってんだよ!早く!!」
カイルが呼びに戻ってきたところで、二人はようやく甲板へと走り始めた。
甲板へ付くと、うにょうにょとミミズのようなものが船の上に這い上がってきていた。
「これは・・・・・ミミズ?
フォルネウスだ
「なんだよ!率直な意見だろ!」
「単純すぎて笑えん」
「いつも笑わねえじゃん」
「たまには笑えることを言え」
「二人とも、コントはいいから!」
リアラにつっこみをうけ、二人はようやくフォルネウスの前まできた。
船員たちはもうすでに非難済みだ。
「どうするよ、カイル」
「どうするもこうするも、つっこむしかないだろ!」
言うや否や、カイルはフォルネウスにつっこんでいった。
が、フォルネウスはカイルが剣を入れる前に青い光を出してきた。
「いってえ!!こいつなんかビームだしたよビーム!」
「見りゃわかる!」
ロニとカイルが苦戦していると、後ろからジューダスが晶術をうってきた。
「エアプレッシャー!」
「よっしゃ!斬りこめ!」
フォルネウスが円状にできた重力場に押しつぶされ隙が出来た瞬間、ロニが掛け声をかけた。
ロニに答えるようにカイルが斬り込み、ロニも続いてチャクマクを振り下ろした。
フォルネウスが悲鳴をあげる中、は手を顎に当てうーんと唸っていた。
「なにをやってるんだ。お前も戦え!」
「こいつ、本体が出てきてない」
「「何ぃ!!」」
がぽつりと言った瞬間、前線で戦っていたロニとカイルが叫んだ。
ジューダスやリアラも驚いているようだ。
、見たことあるの!?」
「うん、まあ・・・。これたしかフォルネウステイルっていって本体についてる足みたいな奴だよ」
リアラが急いて問いかけると、はフォルネウステイルをぴっと指差しながら説明をした。
「つぅことは・・・・まだどこかに本体があるってことか?!」
「とにかく!こいつを早く追っ払わないと!!」
「だな。よーぅし!殺生が嫌いな心優しいこの俺も加勢するぜ☆」
「最初からやれ!」
ロニやカイルたちが前線から引いていた間、ジューダスは一人で応戦していた。
ごめんごめん、というと、3人はジューダスと入れ替わりフォルネウステイルに斬りこんだ。
「くらえミミズ!」
「フォルネウステイルだろ?!」
「名前長すぎるからいいんだ!」
となにやらギャーギャー騒ぎつつ、3人はフォルネウステイルを袋にした。
晶術やカイル曰くビームを出してくる前に叩きのめし、リアラとジューダスの晶術の加勢も加えて早々と勝負はついた。
「やった!これで船も・・・」
両手を挙げてカイルが喜び、他の全員もほっと胸をなでおろした時だった。船員が焦った様子で5人の下へと走ってきた。
「大変です!船底に、海の主が!!」
船員の言葉を聞くと、まず最初にロニが「なんだと!?」と声をあげた。「とにかく、いってみよう!」とカイルが全員に声をかけ、5人は急いで船倉へと走りだした。
「まずいな・・・・敵の本体が船底にいるとすると・・・・・穴をあけられでもしたら・・・・」
走っている途中、ジューダスが低い声でぼそぼそと喋り始めた。
それを聞いたロニが、顔を引きつらせながらジューダスに問いかけた。
「あけられでもしたら、どうなるんだ?」
「愚問だな。船底に穴が開けば船は沈む。分かりきったことをきくな。」
ジューダスが今度ははっきりとロニに言うと、ロニはさっと顔を青ざめさせた。
「マ・・・・マジ?」
「マジだ」
マジンガー?
・・・・・・・・・」
ロニの言葉をそのまま返したジューダスにがさらに茶々を入れ、ジューダスは危うくそれまで返しかけた。
ブッ!とが笑い出すと、ジューダスは相当腹を立て剣を引き抜きを追いかけ始めた。
「貴様ぁ!!消えろ!!!」
「あーはははは!!マジンガーの後はゼットだろジューダス!」
「煩い!!その脳みそかち割ってやる!!」
「元気いーなー・・あいつら・・・・」
「ていうかジューダス、本気入ってるんじゃ・・・」
それを見たロニは呆れたような感心したような微妙な声色で声をあげ、リアラは少し心配そうに二人の背中を見送った。
その後カイルたちが遅れて船底に入ると、はグミを買い、ジューダスは不機嫌そうにそれを待っていた。
もうじゃれあいは終わったらしい。
「お、みんなついたね。んじゃ下に行こうか」
「ははは・・・なんかよくわかんないね、二人って」
「そう?」
「わからないのはこいつだけだ」
なんだかんだいってまた喧嘩が始まりそうな勢いだったが、そこはロニとカイルがさっさと船倉に降りていったため発展はしなかった。
船倉へ降りると、もうすでにフォルネウスが穴を開け、侵入してきた後だった。ズルズルとフォルネウステイルたちを動かし、一番大きな頭はキシャーッッと掠れたような甲高いような声をだし、大口を開けていた。
床には海水が入り込み、食料や荷物がぬれてしまっている。
先ほど戦ったテイルの巨大バージョンがその穴からぬっと顔を出し、それを見たリアラが気持ち悪そうに顔をしかめた。
「な、なんなのこれ!?」
「くそっ!まんまといっぱい食わされたぜ!このままじゃ船がもたねぇ!けど、奴を倒しても穴から水が・・・!どうする、カイル!」
「ど、どうするったって・・・」
ロニがカイルに話をふったが、当のカイルは考えるのは苦手とばかりにおろおろとするだけだった。
ロニやリアラを含めた3人がおろおろとし始めたころ、フォルネウスをずっと睨んでいたジューダスが剣を引き抜き全員に声をかけた。
「考えてる暇はない!くるぞ!」
「いっそ気絶させてそのまま穴ふさいじゃえば?」
「んな器用なこと出来るか!」
ザザッと床に溢れてきた海水を叩きながら、フォルネウスがテイルを振りかざし襲い掛かってきた。
ロニにつっこまれながらそれを避けると、はカイルとジューダスと共にフォルネウスに向かって斬りかかった。
「でたなちゅーちゅー大王!!スプーを返せーー!!!
「なにわけの分からんことを言ってるんだこの痴呆娘!」
「どちらかっていうとやっぱミミズかぁ。タコには見えないもんなー。ちゅーちゅー光線は撃てるのかな?」
「つっこめないボケをするな!」
ジューダスがにつっこむと、一番前を走っていたカイルがテイルまでたどりつき一気に斬りかかった。
「でやぁあああ!!!」
直進方のカイルは目の前に出てきたテイルを次々と斬り落とし、ジューダスは無駄の無い動きでカイルをさりげなく援護していた。
はそんなジューダスを見て一緒になってカイルの援護をし、後にロニがカイルにかわって斬りこんできた。
後ろに下がったカイルは晶術を唱えだし、援護をしなくても良くなった二人はロニと並んでテイルに攻撃を加えていた。
「ウィンドスラッシュ!」
「カイル交代!ロニと前線お願い!」
言うや否や、はジューダスと前線から引き上げた。
二人が下がる際襲い掛かってきたテイルはリアラの晶術によって除外された。
「お前、下がってきたのはいいが晶術は使えるんだろうな」
余裕はなさそうなのに皮肉を言ってきたジューダスに、はふんっと勝気に笑って見せた。
「そんなのまぐれでもやってできりゃいいんだよ」
前線へ行け
即ジューダスにかえされたが、は笑って流しレンズを手に持った。
ロニとカイルに食らわせたときの感触を思い出すようにじっと二人を眺め、それからフォルネウスを見た。
なんとなくきた、と感じた瞬間、は晶術を唱えていた。
「ウィンドスラッシュ!!」
バシュバシュッという鋭い音とともに風が起こり、つむじ風がフォルネウスを切った。
それを見たジューダスは驚いて目を丸くし、はジューダスに「どーだ」とのけぞって見せた。
「まぐれとはいえできるとはな」
お前前線行け!!
真顔で言ってきたジューダスにが思い切り指を刺して返していると、後ろからリアラがスプラッシュを撃った。
ダンッダンッといくつもの水柱がフォルネウスを上から押しつぶした。が、属性の関係かあまり効果はみられなかった。
だが二人はその威力を見て驚くと、ゆっくりとリアラの方へ振り向いた。
二人に気付くとリアラはにっこりと微笑み、「がんばりましょう」と可愛らしい声で言ってきた。
「・・・負けてらんないぜジューダス」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・エアプレッシャー!」
「あー!せこ!!」
フォルネウスを見ながらジューダスにこそっとが耳打ちをすると、ジューダスは返事もかえさず中級の晶術を撃った。
それを見たは叫ぶと、まけじとまたレンズを構え目を閉じた。
ゲームの中でカイルやリアラたちが使っていた晶術を色々と思い出そうと思考をめぐらせる。
あった、というと、は目を開けて手をスッ・・と上に挙げた。
「・・・炎の、矢ー!!
「なんだよそれ!フレイムドライブじゃん!!
どどーっっとフォルネウスを火球が襲うと、晶術の名前を聞いていたカイルたちがツッコミを入れてきた。
ジューダスは呆れて物も言えないらしい。
「いいじゃん面白くて!あ、それより二人とも、そいつたまに横になってかぶりついてくるから・・・・」
が言いかけたところで、フォルネウスが顔を横にしカイルとロニにかぶりついてきた。
すんでのところで二人は避け、どさっとしりもちをついてから慌てて立ち上がった。
「言うのが遅いよ!」
「あーごめんごめん」
がつっこんできたカイルに笑いながら言葉をかえすと、カイルとロニはフォルネウスに斬り込んでいった。
「さーて次どんな晶術にしようかな。さっきの面白いとおもったのにな〜」
「前もこんなことをしたな確か・・・」
「ああ。ムーンティアラ〜アクショ〜ン☆ですかい?」
呆れるジューダスに、やっぱりは「面白かっただろ?」のいってんばりだった。
とりあえず戦え、とジューダスからつっこみをうけると、はまたなにをしようかと首をひねった。
何か思いついたのか、はぽんと手を叩くと床を探り始めた。
「お前、なにを」
「食らえ!!ストーンザッパーーーー!!」
どかどか。
「石投げるのかよ!」
「ていうか素手じゃん!」
晶術違うしと前線の二人からつっこみを受けたとおり、は呪文を口で言っただけでそこらにあった石を投げた。
フォルネウスはなんだか痛そうだ。
バカ野郎!あんな弧を描いて美しく石落とすよか投げた方が早いし楽だし攻撃力上がるじゃん!」
「確かに真っ直ぐ飛んできた方が痛いけどそれなら普通に投げろよ!」
「我侭だナァ」
「「どっちがだ!」」
「また人力か・・・・」
と、に文句をいいつつロニとカイルはフォルネウスをざくざく斬った。ジューダスはなにやらボソリとつぶやいている。
フォルネウスも負けじと二人に攻撃をくわえ、双方ともボロボロになってきたところでロニが声をあげた。
「回復だあ!!」
「よし任せろ!」
ロニがいった瞬間リアラは晶術を唱えはじめ、は手っ取り早くグミを取り出した。
リアラはどうせカイルを回復させるだろうと読んだは「ロニーーー!」とロニを呼んだ。
「アナターーー!!」
振り返ったロニに、は思い切りグミを投げつけた。ロニがそれをぱしっっとキャッチすると、は仁王立ちした。
「働け」
「「「お前も働け!!!」」」
男3人から突っ込みを受けると、はへーいと言ってレンズを掴んだ。
「チオビタ知らないのかよぅ皆。てか本当はロケットランチャー欲しかったんだけどナァ・・・。あれ?あれっってバズーカなのかな?」
「どうでもいいからさっさとやれ!」
ぶつくさいいながらレンズを光らせているに、いい加減ジューダスがつっこんだ。
ジューダスがつっこんだところでがよし!となにやら一人で納得しだし、今度はまともに叫んだ。
「成功してくれ!プリズムフラッシャー!!」
フォルネウスの頭上から剣が次々と落下し、フォルネウスに刺さっていった。
「おー。さくさくささっておりますなぁ」
「刺さる本人はさくさくどころじゃないと思うんだけど・・・・」
「まー気にしなさんなって!そら行けカイルーー!」
呑気に見ているにリアラがさりげなくつっこむと、は流してカイルを煽った。
煽られたカイルは大声で気合を発しながらフォルネウスに飛び掛り、上からざっくりと斬った。
ザッ・・と消えてフォルネウスがレンズになると、穴からは水がどんどんと入り始めた。
それを見たがゆれる船底の上でバランスを取りながら「やっば!!」と声をあげた。
「まずいぞ!もうしずみはじめてる!」
とロニが言うと、カイルが混乱して水をかきだした。が、ロニにつっこまれ、とにかく船内にいる乗員乗客を甲板へ非難させることにした。
さっさと決めて上へと登っていった二人とそれについていったの後に、リアラとジューダスが残った。
「船員さん、急いで船の中にいる乗客を甲板へ集めて」
「それから、あんたらも全員甲板へ非難してくれ!俺たちも手伝う!」
「あ、ああ、わかった!」
登ってすぐ、とロニが近くにいた船員に声をかけた。
頷いた船員は他の船員たちにすぐにそれを知らせ、船内は一気に慌しくなった。
「おい、リアラとジューダスはどうした?!」
「あいつらまだ下だ!」
「俺、呼んでくる!」
カイルが急いで二人を呼んでくると、5人は乗客たちを移動させに行った船員たちの後を追った。
各部屋を覗いてみたが、もう誰も残っていないようだった。
途中廊下で親子が座り込んでいたが、カイルの説得でなんとか甲板まで移動させた。
「とりあえず甲板に集めたが・・・・これからいったいどうする?!」
「ねえ、岸まで泳げ無いかな?」
「男はともかく、女子供は無理だな」
焦って意見をだしたカイルにジューダスがさらりと答えた。
「確かに、たとえ女子供一人につき男三人づつつけて泳がせたって、海で服きたまんま泳ぐのは相当辛いだろうね。潮の流れの早いところは特に流されちゃいそうだし」
「救命ボートがあの大きさじゃ、ほとんど助けられないか・・・。くそ!完全にてずまりかよ!」
ロニが吐き捨てるように言うと、カイルが「あきらめちゃだめだ!なんとかして、皆を助ける方法を考えようよ!」と全員に呼びかけた。
リアラはうつむいてぎゅっと手を握っている。「とは言っても・・・」と言って頭をかくロニの隣から、ジューダスが「全員が助かる方法が一つだけある」と言い出した。
「えっ!?ほ、本当に!?」
すがりつくように聞き返してきたカイルを無視し、ジューダスはゆっくりとリアラの方を見た。
「・・・力を使え、リアラ」
「わたしが・・・」
はっとしてリアラが顔を上げた瞬間、船が大きく揺れた。
周りにいる人々は悲鳴をあげ、子供は泣き出している。
「・・・・私が・・・みんなを・・・」
リアラが静かに声を出すと、胸にあったペンダントが静かに輝き始めた。
「リアラ・・・!?」
驚いてリアラを凝視するカイルの横から、ロニがジューダスに「おい、リアラはいったい、なにをするつもりだ!?」と声をかけた。
「船をうかせるつもりなんだよ」
ジューダスの代わりに、ジューダスのさらに横にいたがロニに答えた。ジューダスもそれに頷いたが、「だが・・・」と表情を暗くした。
「これだけのものを動かすんだ。今のリアラにできるかどうか・・・・」
ジューダスの言葉を聞いたカイルはそんな・・・!といい、ロニは「がんばれっ!がんばれ、リアラ!」とリアラを応援した。
突然輝きだしたリアラに、先ほどまで泣いていた子供たちや悲鳴を上げていた大人たちも静かになって注目していた。
「・・・・や、やっぱり・・・・だ・・・・め・・・・」
苦しそうなリアラの声と共に、光がどんどんと小さくなっていった。誰もがもうだめかと諦めかけた時、カイルがリアラに大声で叫んだ。
「諦めちゃだめだ、リアラ!!」
「・・・・!」
「リアラならできる!きっと、できるよ!」
「・・・!カイル・・・!」
顔を上げたリアラはカイルと目を合わせた。
それからペンダントの光がだんだんと大きくなったかと思うと、ふわりと身体が浮くような感覚がした。
船と海の距離が随分と広がっている。船からは光が溢れ、ふわりと海から浮き上がっていた。
「すげえ・・・・マジで、助かっちまった・・・!はは・・・あははははっ!」
「すごいよ、リアラ!」
笑い出したロニから始まり、周りにいた乗客や船員たちがわっと歓喜の声をあげた。
「・・・やった・・・私・・・・力・・・でき・・・た・・・・・・・」
「リアラっ!?リアラーッ!!」
カイルがリアラにかけより嬉しそうに跳ねていると、リアラは周りを見て微笑みどさっと倒れた。
急いでリアラを部屋へと運ぶと、医療担当の船員が部屋に入ってきてリアラを見ていった。その間、男3人は部屋の外だ。
船員が部屋を出て行くのと同時に、カイルが急いで部屋に入ってリアラのところまで駆けてきた。
「大丈夫かな、リアラ・・・」
「体力は消耗しているが、安静にしていればそのうち目覚めるだろう」
ジューダスがカイルの後ろからリアラの顔を覗きながら言うと、カイルはほっと胸をなでおろした。
「ホント、このちっこい身体でよくがんばったよな。リアラはよ」
手を腰に当ててふぅ、とため息をつくと、ロニは「さて、リアラはこのまま寝かせておくとして、今後のことを決めないとな」と話を進めた。
「だったら船長に相談しにいったら?俺は・・・そうだな、船底の様子でも見てくるよ」
リアラは?と心配そうに声をかけてきたカイルに、は笑って「すぐ戻るから大丈夫だよ」と答えた。
全員で部屋を出た後、は一人船倉へと向かった。
船倉には大きな穴がぽっかりと口をあけ、未だにしたたる海水で床がつるつると滑った。
船員たちがどうしようかと木の板を持ちながら頭を悩ませている。
それを見たは「大変そうだなー」と呑気にいい、とことこと穴まで近づいていった。
「ぅお!?」
穴に近づきすぎたのか、はフォルネウスの所為で穴の周りが少しだけ坂になっている付近で、すべる床の働きもあってずるっとすべった。すべったさきはぽっかりと開いた穴だ。下には青々としたそこの見えない海だ。
この高さから落ちて死ぬことは無いが、目の前に一瞬蘇った風景に、はさっと血の気を引かせた。
船員たちが慌てて「危ない!」と言ったが後の祭りで、の体はもう穴に達していた。
「・・・・あれ?」
穴の上にいるは、まだ海に落ちてはいなかった。
落ちたとしても死にはしないだろうからと腹をくくって落ちる準備をしていたや驚いて手を伸ばしかけた船員たちは拍子抜けした。
「・・・なにをやってるんだお前は」
ただならぬ叫び声を聞いて降りてきたのか、ジューダスが穴の上で座り込んでいるを見て呆れたように声をかけてきた。
「すごいでしょ。ハンドパワーです」
「ウソをつくな」
ジューダスがつっこむとはふ〜とため息をつきながら肩を竦め、船員たちはほっと胸をなでおろしていた。
「俺の発見のおかげで修理がはかどるよ」
「自分でいうな」
「でもあってるだろー?」
「あのまま落ちてたらどうするつもりだったんだ」
泳ぐ
「陸から随分とはなれたここからずっと泳ぐのか?ご苦労なことだな」
穴の上からとことこと歩きながら、はジューダスと会話(コント)した。
船員たちはもう修理に取り掛かっている。
応急処置しかできないだろうが、それでもやっておかなければ後で困る。
「リーネで下ろしてもらうことになった。あと少ししたらつくらしい」
「んー。さすがにずっとリアラの力使わせるわけにもいかないし、そこで休ませればいいか。楽しみだねーvリーネ」
廊下を歩きながらジューダスがこの後の予定をに伝えると、は楽しそうに跳ねた。
言っている理由が分かるジューダスは「田舎のどこが面白い」と皮肉るだけだ。
「田舎はいいとこだ!」
「あいつの口癖だったな」
「ああ。ルーティにいじめられていっつもいってたね。たまに俺とかぶってさ」
懐かしそうに話すジューダスは少し楽しそうだった。
それを見て安心したのか、もお茶らけながら懐かしそうに話をした。
部屋に入るとさっさと支度を終わらせたカイルがリアラのベッドのわきに立っており、二人は大いに驚いた。
一番もたつきそうなカイルがだ。だがしっかりおかしは持ってきている。
ジューダスはそれをみてため息をつくと、自分の荷物を取りに部屋を出て行った。
は部屋の中に入ると、椅子を運んでカイルに「座ったら?」と声をかけた。
素直に椅子に座ると、カイルはリアラから目を離さずに「リアラ・・・大丈夫かな」と再度繰り返した。
「大丈夫だよ。力使いすぎて疲れただけ。カイルは本当にリアラが好きなんだな〜」
「ち、違うよ!!なにいってるのさっ!!」
「そ〜んな慌てなくっても〜☆」
がカイルで遊んでいると、荷物を持ったジューダスとロニが部屋に入ってきた。
そろそろつくらしい。
「忘れ物はなし・・・と。おい、リアラはお前がおぶってけ」
「え?いいのロニ?女の子をおぶるなんてロニ好きそうなのに」
それまでリアラをずっと眺めていたカイルが、ロニの言った言葉を聞いて意外そうに聞き返した。「あのなぁ・・・」と呆れると、ロニは「それよりカイル」とどこか浮き足立ちながらカイルに声をかけた。
「リーネって名前。聞き覚えないか?」
「これから向かう村でしょ?それがなにか・・・あーっ!もしかして!」
楽しそうなロニを見て首をかしげていたカイルだったが、急に大声をあげてロニを指差した。
「そう、お前の親父、スタンさんの生まれ故郷だ。遠回りする羽目になっちまったけど、ま、災い転じてってやつだ。スタンさんの妹、たしか、リリスさんだったか?頼んでリアラを休ませてもらおうぜ」
とロニが言うと、カイルは嬉しそうに「うん!」と返事をした。
楽しそうにはしゃぐ二人を見てジューダスはため息をついたが、は一緒になって嬉しそうに笑った。
カイルとロニがはしゃぎ終わったところで4人はまだ昼食を取っていないことに気付き、さっさとすませようかと食堂へと向かった。







続く
−−−−−−−−−−−−−−−
むファー。フォルネウス戦終了!ていうか本当に名前長いよこのミミズもどき!!エセミミズ!(だから違うって)
ていうかちゅーちゅー大王分かる人いますか?お母さんと一緒でやってたんだけどなぁ(見ないから)
教育テレビに最近はまり、あれでネタを取りまくってます。なんていったら使うネタ全部わかっちゃうんだけん。
マジで面白いです教育TV。のむらまんさいもハジけてます。(のむらまんさいに失礼だ)
さ〜次はリーネ♪そしてそしてノイシュタット〜〜は問題多発の予感。(お前が言ったら予告だそれは)
最近つっこみ不足の所為か坊ちゃんのつっこみにキレがないように思えるのは俺だけか!!?やヴぁいなぁ〜。あれが唯一ここの見世物なのに(もっと精進せえや)というかボケもいまいち・・・・・?
とにかく、ここまでお付き合い頂いた方、本当にありがとうございました。