「・・・・・・フン。弱そうなガキだな」
だとコラ。
my way of living 4
〜坊ちゃんと痴呆娘と不憫な剣〜
リオンと呼ばれた少年がを見て言葉を発してから数秒間。とマリアンは固まっていた。
少年は相変わらず見下したような顔でを見ている。
「・・・・マリアンさん。言っちゃってもいいですか」
「・・・・え?」
「自分のこと棚に上げて言うなクソチビーーーーー!!!!!!」
「なっ、誰がクソチビだ!!」
「お前だお・ま・えーーーー!!!!」
早速口喧嘩を始めてしまった二人を、マリアンは呆然と見ていた。
特にの変わりように驚きを隠せないようだ。
「同じ年のくせにガキガキと!見るからに子供特有の生意気そうな面下げて自分はどうなんだちびっこ!!」
「お前が同じ年だと?ハンッ、笑わせるな。僕の方が精神的に断然上だ。図体だけデカイ脳なしそうな顔したやつが言うな」
「自分で言うかよ精神的に断然上だとかって!ていうか絶対低いって精神年齢!その背と同じくらい!!」
「背のことをいつまでもいうな!!」
「気にしてるんだ〜」
「ふん。それしか文句がつけられないのか?馬鹿相手では話にならんな」
「一番気にしてんのお前だろー!?」
「図星か」
「きぃーーーー!!!なんだこのチビ!マリアンさんこいつチビだーーーーー!!!」
「なにマリアンにわけの分からないことを言っているんだ!能無し!」
第一声からチビと言われ、最終的にマリアンの方に矛先を向けられた少年は、どうもさっきから大声をだしてばかりだ。
今にも切りかかりそうな顔をしている。
マリアンはそんな二人のやりとりを見て笑っていた。
「二人とも、とりあえずおちついて。様も、女の子がそんな言葉を使ってはいけませんよ」
「お前、女だったのか・・・?」
「何だと思ってやがったんだテメェ」
「リオン!」
「・・・・・・」
本気でに問いただしたリオンにマリアンが声を上げると、さっきまでの威勢はどうしたのか押し黙ってしまった。
「様の事情は聞いているでしょう?明日から一緒に仕事をするのだから、仲良くしてあげてね」
「・・・分かった」
「様も」
「・・・・ハイ」
返事を返した二人を見ると、マリアンは険しい顔をやめにっこりと笑った。
「それじゃあ、荷物を置いてきたらおやつにしましょうか?プリンを作ってみたので」
「やったー!マリアンさん大好きーvv」
「リオンは急がなくちゃいけないの?」
「・・・・・・・・」
「とっておくから、早めに帰ってきてね」
こくんと頷くと、リオンはさっさと行ってしまった。
・・・・そんなに食いたいか、プリン。とが笑いを堪えていると、マリアンが「さあ、お部屋へまいりましょうか」と微笑みながら背中を押した。
「広っ・・・・」
部屋についての開口一番がこれだ。
出入り口でほけっとしているを見て、マリアンは笑いながら入ってらっしゃい、と言った。
大きな窓にはベランダ。
奥には広い机。
部屋の中央部分に天蓋付の大きなベッド。
その横には大きな鏡付のドレッサーが置いてあった。
どれも綺麗に掃除されている。
「すっごーい。みんなこんな部屋にいるんですか?」
「いいえ。私たち使用人は違うわ」
「なんで?」
「そりゃあ雇われてここにいるのだし・・・・」
「ふーん?」
いまいち分かってなさそうに返事をするに笑うと、「おやつは?」と聞いた。
「食べる!」
ものすごい速さで反応するを見て、マリアンはまた笑った。
「お帰りなさいリオン。プリン残ってるわよ」
「お帰りなさいリオン。プリン残ってるわよ」
「・・・・・何のマネだ」
「マリアンさん☆」
「下手くそ」
きぃ〜〜〜〜!!!と、スプーンを片手に怒る。
リオンはリオンでなんだか不機嫌そうだ。
そんなリオンを見てん?と首を傾げると、は何かに気がついたようにニヤリと笑った。
「マリアンさんと俺が仲良くするから嫉妬してるんだ。かぁわい〜い♪」
「ち、違う!僕はただ・・・」
「はいはい、喧嘩はあとにして、おやつを食べてのんびりしましょう?リオンも久しぶりに休めるんだから」
リオンの分のプリンと、追加!と頼まれたの分のプリンを運んできながら、マリアンが喧嘩に静止をかけた。
「??今までなにかやってたの?」
「仕事だ」
当たり前といわんばかりに答えるリオンに、は心底驚いたように「ええーーーー!!?」と声を張り上げた。
なんだ。とでもいうようにリオンは眉を寄せながら声を張り上げた主をみやった。
「あんたもう仕事やってんの!?いや、俺も明日からやるようだけどさ」
「別におかしくもない。というか今気付いたのかそのことに」
「・・・・そうなの?」
「・・・そうじゃないのか?」
「俺のいた国では、この歳じゃまだ何処も雇ってはもらえないけどなぁ。不況な所為もあるけど。あ、ちなみに俺も仕事に入るって話、もとから知ってたから思い出したってことで修正ヨロシク」
というの話に、リオンもマリアンもものめずらしそうに聞き入っていた。ちなみに修正は無視だ。
本当に色々と違うもんだな、などと腕を組んで呑気に言っていると、馬鹿かお前は、とリオンからつっこみが入りまたも口喧嘩が始まった。
マリアンがまた何とかとめに入り、やっとリオンはプリンにありつけた。
「・・・・お前、プリン好きなのな」
「・・・・なんだいきなり」
「だって、なんか嬉しそうだ」
「・・・・・フン。気のせいだろう。さっき会ったばかりの人間が知ったような口をきくな」
「空気だよ空ー気。プリンくったら不機嫌そうだったのが一気に和みやがった。ばーればれ」
「あらあら」
ぎろりと睨みながら言うリオンに臆せず、肩をすくませながら言うを見て、マリアンがくすくすと笑った。
リオンが笑いがとまらなそうなマリアンに「マリアン!!」と言っていると、がところでさ、と言い出した。
「さっきから思ってたんだけど、笑い声聞こえないか?・・・・・・だれ?」
きょろきょろ辺りを見回しながら言うに、マリアンが私じゃないの?とといてみたが、違うと言われ首をかしげた。
「もう一人いる。マリアンさんと違う声。どこだよ?おーい?」
「!!まさか・・・」
『僕の声、聞こえてるの?』
「いや、聞こえてんだけどよ、どこよ?」
扉や窓に目を回すが、人の気配は一向につかめない。
きょろきょろとみまわしていると、リオンが自分の腰につけていた剣を取り出してテーブルの上に置いた。
『僕がその声の主だよ、』
「どれ」
「これだ」
「・・・・はい?」
これだと言ってリオンが指差したのは取り出した剣。
とうとうプリン好きすぎて頭が・・・・というに、リオンが切るぞ、と怒り交じりに脅した。
「本当に剣が?」
『そうだよ』
「・・・おぉ〜」
ぱちぱちと拍手するに、剣は「照れるな〜」とふざけ半分に笑い出した。
リオンは何馬鹿をやっている・・・と呆れている。
『僕はシャルティエ。よろしく』
「うん。よろしく。ところでずーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと笑ってたのはやっぱシャルティエ?」
『ぷっ、くく・・・・。だ、だって・・・坊ちゃんに会って最初に言った言葉がクソチビ・・・』
「坊ちゃん?」
「シャル!」
『勇気あるよねーって。僕もう笑い堪えるのに精一杯で』
こんな子初めてだ、ととうとう笑い出したシャルティエをリオンが叱咤するが、シャルティエの笑いは収まりそうにない。
マリアンはシャルティエの声が聞こえないため、話についていけてはいなかった。
「リオンて男なの?」
その横から、なんともいいようのないほど間抜けな質問が出てきた。
「・・・・なんだと思っていたんだ貴様」
怒気というかもはや殺気立ち始めたリオン。シャルティエは大爆笑中だ。
マリアンまでその後の二人のやりとを見て笑い出した。
「だってその顔どー見ても女だろ」
「名前で気づけ大馬鹿者が」
「うわ酷っ!!つーかわかるわけねーじゃん。俺の国じゃそんな名前きいたことないし」
「ヒューゴにきかなかったのか」
「・・・・あ。そういえばリオンは息子だとかなんとか・・・・あ、アハハ☆」
「・・・・・・・・」
笑うシャルティエを手にに刃先をむけるリオン。声が聞こえるものにとってはたいそうマヌケな図だ。
はどーどーと手を前にだしながら笑ってごまかそうとしていた。
「シャル、いい加減黙れ」
『ちょ、ちょっと無理そうです・・・っっ』
「・・・・・シャル」
『はーい。分かりましたよ』
マリアンになんとかとめられ椅子に座ったリオンだったが、シャルティエがいい加減笑い止まらないのにも腹を立てたようだ。
「なんかシャルってさー、不憫?」
『そーなんだよ・・・。僕も苦労してるんだ』
「シャル!」
『・・・』
「やっぱ不憫だ」
「・・・お前な」
なんだかんだと騒いで、結局プリンを食べるのに一時間もかけてしまったのだった。
次の日の朝、朝食を済ませたは部屋で着替えをすませ、ベランダに出てぼーっと外を眺めていた。
この部屋にまで声が届くほどにぎやかな港。
大きな船から小さな船まで、さまざまな形をした船が何隻もとまっていた。
海からとどく潮風がどこかノイシュタットを思い出させる。
天気が良い所為もあって丁度良い暖かさは眠気を誘った。
うとうととし始めたところ、トントン、とノックの音がした。
「どうぞ」
そっけなく答えると、相変わらずの仏頂面がガチャリと音をたてて開いたドアから現れた。
「ヒューゴ様が呼んでいる。ついてこい」
「へーい」
「はい、だ。お前の知人ならともかくとして、ここには上下関係というものがある。言っている意味がわかるか」
冷たく言い放つと、くるりと踵をかえしスタスタと歩きだした。
慌てて追いかけるを見向きもせず、ヒューゴの部屋へと足を運ぶ。
「じゃ、リオンには使わなくていいね」
「・・・・なんでだ」
「だって、友達だろ?」
「いつ僕とお前が友人になったというんだ。馬鹿は休み休み言え」
「昨日」
「・・・・少し黙っていろ」
皮肉った顔で一瞥すると、リオンはとある扉の前でぴたりと止まった。
コンコン、とノックをし、「失礼します」と言って中に入っていった。
「ああリオン、くん、来てくれたか。今日の仕事だが、この近くの森に脱獄犯が数名逃げ込んだ。どうやらアルメイダへ向かっているらしい。今回の任務はその脱獄犯たちの拘束および護送だ」
「はい、分かりました」
「詳しいことはその資料に書いてある。よく目を通しておいてくれ」
「はい」
失礼します。と出て行こうと二人がヒューゴに背を向けたとき、くん、とヒューゴが呼び止めた。
「はい?」
「初めての仕事から少し遠出することになるけれど・・・・気をつけて」
「はい!ありがとうございます」
元気良く返事をして笑うと、ヒューゴも穏やかに笑って見せた。
それじゃあいってきます!と気迫を込めていうを笑いながら、扉がしまるまでヒューゴは二人を見送った。
ガチャン。としまった扉の向こうで、それまでのものとは違う笑みを浮かべたヒューゴ。
二人のおかしなやり取りを聞きながら、目を細め、不敵にほくそ笑んでいた。
「馬鹿か貴様は。さっき言ったばかりだろうが。目上の者には―――」
「ヒューゴさんは知人だもーん」
「・・・・似合わないことをするな。気味が悪い」
『僕も久々に寒気がした』
「シャル〜お前そんなの感じ取れる機能あるのか?」
『あるかもしれないね♪』
「馬鹿どもが・・・(というかいつの間にシャルと呼ぶように・・?)」
こいつ苦手だ・・・と、さきほどからどうしようもない会話にどの道付き合わされてしまっているリオンはため息をついた。
つっこむ気も失せたのか、呆れて頭を抱えるリオンを二人――といっても一人は剣だが――で笑うと、外に居た兵士たちとともにダリルシェイドを後にした。
続く
−−−−−−−−−−−−−
いやー。色々と無理がありますね、これ。(自分で書いておいて・・・)
坊ちゃんもヒューゴさんもなんだか主人公に対して物腰優しいし。
俺が思うにクソチビ言った時点でまず彼は切りかかりますね。
シャルと仲良くなるのは私(むしろ俺の)長年のマイ・ドゥリ〜ムです。
まさに夢。
シャル!かむひあ〜〜〜!!(暴走)
そして日本語めちゃくちゃ。
・・・・・フン。所詮は馬鹿が書くものだ。
・・・・・・・・・・・・・なんて声が聞こえてきそうだ。ケッ。どうせ馬鹿さ・・・。文才無いさーーーー!!!
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます・・・・。