「やぁっと抜けられたーーー!」
「でももう夕方ですわ」
氷の大河から抜け出して開口一番、スタンが両手を上げながら叫んだ。
しかし、きょろきょろと空を見上げたフィリアが言ったとおり、もう空は紅く焼けただれていた。
「またここで野宿か・・・」
空を眺めたフィリアと同じく上を向くと、マリーがぽつりと言った。ルーティがその横で「えーー!?」と叫んでいる。
嫌嫌嫌と騒ぎまわるルーティをうっとおしそうにリオンが睨んだ。
「それでマリーさんの手料理がまた食べられるというのなら、私はとても嬉しいけどね」
「フフ、誰の真似かなくん?」
「フフフッ、誰だろうね☆」
パーティの中腹で、爽やか笑顔vs無邪気な笑顔の対決が行われた。
ちなみに、マリーにこの手のジョークは通じなかった。









my way of living 29
〜TODサスペンス。雪国王城入り口誘拐事件。愛剣に隠された謎は(中略)ガングロ王子は見た(大嘘)〜









結局、その日の夕食もマリーが作ることになり、なんだかんだ言ってウッドロウもご機嫌だった。
「・・・やっぱそうだよリオン」
「・・・だからなんだ」
食事をしながら話すウッドロウとマリーを見て、がリオンに近づきこっそり話しかけた。
「おっまえつまんないやつだなぁー。もっと遊び心もとうぜ?」
「お前は持ちすぎだ」
「人の恋ほど見てて面白いってのが世の常識だろ
「変な理論を押し付けるな常識外れめ
スプーンを片手にコントを始める二人を遠めに見ていたスタンは、とりあえず目を離しおかわりのことだけ考えた。


食事も終わりすっかりあたりも暗くなった。一行は見張りに行ったり早めに寝たりとそれぞれ好きに動いていた。
明日はグレバムのいるハイデルベルグへ行くためか、いつも遅くまで起きているマリーまでもが今日は早く眠りについた。
気がつけば、焚き木の傍でぼんやりとすごしていたウッドロウ一人しか起きてはいなかった。
「・・・・・」
「なんだガングロ王子。眠れないのか?」
君か・・・・」
急に声をかけられ、ウッドロウは驚いて後ろを振り向いた。
口調と呼び方からしてしかいなかったのだが、日が浅い彼はとても良いリアクションをくれた。
隣に座ったに苦笑いをすると、ウッドロウは空を見上げながらため息をついた。
周りに光が無いため、雲一つない空はまぶしいと感じるほど沢山の星があった。
「色々と考え事をしていた」
「怖くなった?」
「いや・・どちらかというと、自分の無力さが痛いほど身にしみてね。少し嫌になっていた」
「あははっ。そりゃどーしよーもねぇや」
暗い雰囲気も気にせず笑い飛ばしたを見て「そうかな?」と言うと、ウッドロウも一緒になってくすくすと笑った。
「民を置いて国を置いて・・・・私は一人で逃げてきてしまった・・・」
「そりゃ後々いなきゃ困る人だしね。つかまるよかそっちの方がいいって思うでしょ」
「わかってはいるんだけどね。どうしても、共に戦えればよかったのにと思ってしまう」
焚き木の炎をじっと見ながら、ウッドロウが言った。
そんなウッドロウを横からちらりと見ると、は後ろに手をついて身体を反り返らせた。
「なんでもかんでも一人でしょいこむなよ」
「といわれても、私は一応王子だからね」
アホくさ、といわんばかりにやる気の無い声で言ってきたに、ウッドロウがまた苦笑いをした。
「責任があるから?それはあるだろうけどさ〜・・・。なんで王や王子が一人で国抱えなきゃなんないのさ?」
「それは王や王子が国をまとめる代表だから・・」
「だから?王だって王子だって、一人でいれば結局単なる人間にすぎないだろ?国っていうのは王や王子だけじゃなりたたないだろ?そこに住む人たちがいて始めて成り立つものだろ?みんながいなきゃ、王だって王子だって何の意味もなさない。それと同じように、王や王子がいなきゃそのみんながあつまる国(ばしょ)だってできない。国を作るのも守るのも王子一人じゃなりたたない」
「・・・・確かにそうだ」
「だから、何から何まで一人で考えて抱え込んだってようは無駄ってこと」
「ふふ、そうかもしれないな」
「そうかもじゃなくてそうなの!そう考える!」
手をひらひらさせながら無駄と言い切ったの言葉を聞いてウッドロウが笑った。
それを見てまたがぴしゃりと言うと、ウッドロウは「ああ、分かった分かった」とさらに笑いながらいった。
子ども扱いされたようではきぃーーーーっっと怒ったが、そのうち大うけするウッドロウに気を良くしたのか、一緒になって笑いだした。
実際子供扱いされ、それを子供の性格そのままで返したのだが。
「こんな晩くになにバカ笑いしているんだお前たちは」
「おや、リオンじゃないかい」
ざくざくという足音とともに、呆れた顔をしたリオンが焚き木の前へやってきた。
「見張りの交代か?」
「ああ」
ウッドロウの問いかけに適当に答えながら、リオンは焚き木の傍へ座った。
「なら私が行こう」
「寝てないだろ王子。俺が行くから寝ときなよ。俺さっきまで寝てたし」
「起きるなんて珍しいな。明日は雨か」
「ここでは雪だ」
「いじめ!?ねえいじめ!!?」
の行動を聞いて皮肉ったリオンに続き、ウッドロウまでもがそれに参加した。
分が悪くなったは今畜生!!と言いながら騒ぐと、リオンから雪だまでつっこみを受けた。
「騒ぐな痴呆」
「ぶわっ!!冷て!!酷いわ坊ちゃん・・・!!私への愛は全部嘘だったのね・・!!!」
「誰がいつどこでお前に愛とやらを送った」
3億光年くらい前」
光年は距離の単位だ単細胞
「可愛らしい間違いじゃないか☆」
「単なる馬鹿だ」
「ははははっ」
どうしようもない二人のやりとりを見て、ウッドロウが声をたてて笑った。
ウッドロウの笑い声ではたっとしたリオンは、につっこむだけつっこむとむすっとしてしまった。
「さぁ〜ていってきますか」
「すまないな。私はいつになってもダメな王子なようだ。どこへいっても人に迷惑をかけてしまう」
「はぁ?何言ってんの。迷惑掛けられたことなんてないけど?」
立ち上がったにすまなそうに笑いながら言ったウッドロウ。
それにがつっこむと、リオンが「かける側だからな」とまた嫌味を言い、はそれに「うっさい!」と一言返した。
「いくら雪国育ちなのにガングロでも、ウッドロウほど良い王子は見たこと無いけど?じゃ行ってきマース」
言うだけ言うと、はさっさと歩き出した。
それを見たリオンが「本当に行くのか?」と怪訝そうな顔をし、が悪いか!と指差しながらつっこんだ。
「・・・良い王子だなんて、かいかぶりすぎだな。こんなにも今の状況におぼれて何も出来ずにいるのに」
「まーだ言ってんの?ガングロ王子〜〜」
「ガングロとか言うな馬鹿者」
まったく〜とうなだれながら言ったにリオンがつっこんだ。
「まあまあ。とにかく、そんなもん気にすんなよ。りっぱな王様になるための試練とでも思えば?」
「やけに重い試練だな」
くすくす笑いながらウッドロウが冗談交じりに返すと、はにししと(怪)笑った。
「ベタに転んじゃつまんないだろ?」
まさかそんな言葉が返ってくるとは思ってもいなかったウッドロウは、一瞬呆気に取られてしまった。
その後あくびをしながら伸びをしたを見て微笑むと、目をつむり、ぽつりと小さな声でつぶやいた。
「・・そうだな」
ウッドロウの声を聞いたものはいなかったが、相変わらずコントを繰り広げる二人はいた。
「なんでリオンまでついてくるんだよ」
「お前一人でつとまらないからだ」
「リオン君、君は一睡もしてないんだから眠った方が良い」
そんな二人をみて苦笑いしながらウッドロウが間に入ると、リオンは余計なお世話だといわんばかりに睨んできた。
「一日寝ないくらいで倒れるほど柔じゃない」
「嘘コケー」
「煩い。大体いつもお前が見張りの途中で寝るからいけないんだろうが!」
両手を口に添えて茶々を入れたにリオンが思い切りつっこんだ。
「いつもじゃない!3回中2回の割合だ!
十分だ!
「くそーーーっっ。リオンのヴァカーー!!!ひとりでできるもん!!!
「走ると転ぶぞ単細ぼ・・・・。・・・・。バカが」
「うっひゃい」
走り出して・・・・というか、走り出そうとして第一歩目で転んだに、リオンが呆れながらつっこんだ。
それを見て大笑いしていたウッドロウが、ふとに問いかけた。
「時にくん。その言葉使いは君本来のものか?」
「おっと、つい本性が☆」
「・・・・はぁ」
「なんだよリオン!あ、ウッドロウおやすみー」
「さっさと寝ておけ、怪我人」
「ああ、分かったよ」
そのまま、二人はぎゃーぎゃーと騒ぎながら見張りをする場所へと歩いていった。



「これが王城だ」
次の日、早速日が昇ってから行動を開始した一行はハイデルベルグ城の前まで来ていた。
「グレバムがこの奥に・・・」
「ん?おい、お前たち。そこでなにをしている」
城を見上げていたスタンに、城からでてきた男が話しかけてきた。その口調から関係者らしいことは明らかだった。
た、ただの散歩ですよ散歩、とスタンが誤魔化すと、どうやら向こうの方も騙されてくれたらしくため息をつきながら注意をしてきた。
「なんにせよ、あまり王城には近づかないことだな。最近は物騒になったからな、ゴタゴタに巻き込まれても文句は言えんぞ」
「はい、分かりました。以後は気をつけます」
「わかったら、早く帰るんだ」
追い払うかのように言ってきた男を見て、マリーがぽつりとつぶやいた。
「・・・・似ている」
「マリー?」
ルーティが急に変わったマリーの気配を読み取って眉をひそめ、名前を呼んだが、マリーは取り付かれたかのように男をみつめ、とうとう目の前までかけよった。
「ん、何か用か?」
「お前、これを知らないか?」
マリーが剣を取り出すと、周りの兵士たちが息を呑んだり声を上げたりと慌てだした。
「だっ、ダリス様!」
「うろたえるな!」
「ダリス!?お前はダリスというのか」
「そうだ・・・そっ、その剣は・・・!女!何故それを持っている!お前は誰だ!」
兵士にうろたえるなと言っておきながらうろたえだしたダリスを見て、衛兵の一人が「ダリス様、どうしました?」と声をかけた。
それにも気付かずマリーを見てダリスが固まっていると、他の衛兵がウッドロウを見て顔色を変えた。
「あっ、貴様はウッドロウ・ケルヴィン!」
「まずい!みんな、散るんだ!」
「召集!召集―!ウッドロウが現れたぞ!」
「チッ!」
「さっそく見つかるなんて、俺らってプロ?」
「こんなことでプロになりたくないですわっ」
「まったくだっ」
ウッドロウの言葉を聞いて一斉に走り出しながらも、は楽しそうだった。
そんなの他にももう一人、楽しそう、というよりはむしろ嬉しそうに目を輝かせている人物がいた。
マリーだ。
「ダリス、見つけた!」
「マリー!」
いくら声をかけても、マリーはそこから動こうとはしなかった。
それに気付いたスタンが立ち止まり、ルーティに声をかけた。
「ルーティ、何やってるんだよ!」
「あんた、マリーを見捨てる気!?」
「えーい、くそっ!」
「スタンさん、ルーティさん!」
走ってルーティとマリーの元へと戻ったスタンを見て、フィリアが声をあげた。
もリオンもウッドロウも立ち止まり振り向いた。
「フィリア、俺たちに構わず逃げろ!」
「でも・・・」
「いいから、早くっ!」
「えーっとよくわかんないけど頑張れスタン!!
「本当にわけわかんないよ!!」
いいから行くぞ馬鹿!!
すぱーんとリオンに頭を叩かれると、スタンに手を振っていたは「馬鹿言うなーー!!」と叫びながら走った。
段々と遠くなっていく3人を取り囲む兵士たちを確認しながら、4人はできるかぎり早いスピードで走った。
「逃がすな、取り囲め!」
「おー!」
遠くから聞こえた衛兵たちの声を遠くに聞きながら、4人は一旦街の外へ出て足跡を消し、別の入り口から街へと入り誰もいない民家に隠れた。
ここの住人は逃げたのか、それとも捕まって殺されてしまったのか。それは分からなかった。
「よいのでしょうか・・・人様の家へ勝手に上がってしまって・・・・」
「今はやむをえん。しばらくここにいさせてもらおう」
「ほらほらフィリア、よく言うじゃん。わがままは女の子の特権。二階から飛び降りるのは雪国の特権。空き巣に入るのは」
泥棒ですわ。今すぐでましょう」
扉の方へ向かっていくフィリアをウッドロウが何とか押さえると、リオンがの頭をどついた。
「悪い方向に煽ってどうする馬鹿!!」
「フフフッv軽いジョークだってフィリア☆俺たちは空き巣に入ったわけじゃないんだから気にしない!!大体、街がこんな状態じゃ誰も家に帰ってなんていないよ
「・・・・」
「・・・・お前な」
一旦フォローを入れたかと思いきや、またも地雷を踏んだというか爆弾を投げてくれたというか、とにかくの言葉でまた空気が下がった。
本人はまったくもって分かってないようだ。
「これを元に戻すために来たんだろ?今から気落としてどうすんだよ」
「誰の所為だ痴呆娘!」
「あでっ!」
リオンとがじゃれあいを始めると、ちょっぴりナーバスになっていたウッドロウとフィリアもいつもの活気をとりもどした。
「みなさん、無事でしょうか・・・」
「きっと大丈夫だろう。スタン君もついている」
「それが余計に心配なんだ」
「墓穴ほらせるよかルーティに任せといた方が良かったかもね」
心配するどころか言いたい放題言い出した二人に、ウッドロウは驚き苦笑いをした。
フィリアまでもが「そうですわね・・・」とため息混じりに言い出したものだから救いようが無い。
「・・マリーさん、すっごく嬉しそうだった」
「記憶を思い出したんだ。あたりまえだろう」
「でもあの顔はなんていうかー・・・。うーん、ま、いっか。とりあえず助けなきゃ危ないってことは確かだし」
「それくらい理解しておけ」
「してるY!!」
少し古いボケをするに、リオンがアホか、と手刀でつっこんだ。
「それじゃあ夜になるまで、二人とも少し寝てくると良い」
というウッドロウの急な提案に、が「寝る?」と言ってきょとんとした。
くんは睡眠時間がたりないといつか止まりそうだし。リオン君は一睡もしていないだろう?これから何がおきるかわからない」
「・・・・そうだな。なら、お言葉に甘えさせてもらおう」
「一緒に寝る?坊ちゃん」
断る
『即答ですね』
手を広げながら言ってきたから目をそむけながらリオンが言った。
「フォローよりそっちかよシャル!!」
『僕は坊ちゃん贔屓なの〜〜〜』
「贔屓反対ーーーーー!!」
「いいからとっとと寝ろ!」
結局一緒にいるとどうしても騒いでしまうらしい。
階段を登っていく二人を見ながら、フィリアとウッドロウは顔を見合わせて小さく笑った。



夜、衛兵たちも昼間より随分と静まった。
街の外へ行っていたようだが、結局みつからなかったので諦めて帰ってきたようだ。
「スタン君たちの居場所は?」
誰も街の中にいないことを角を曲がるたび確認しながら、4人は進んでいた。
『もうちょっと先にある建物の地下っぽいですね。城までは行かない・・・・あ、あった!』
「あそこか」
シャルティエが指した建物は、城の手前に立っている建物だった。
中に何人か衛兵たちがいるらしい。明かりもついている。
「どうしましょうか?」
建物の中から聞こえる声を聞いて、フィリアが皆に小声で声をかけると、ウッドロウが建物を睨みながら一言言った。
「行くしかないだろう」
「殴りこみイェイ☆」
「はしゃぐな」
親指をぐっとあげながら言ったに、やっぱりリオンがつっこんだ。


コンコン。
「あの・・・すみません」
「あ?誰だこんな晩くに」
外からのノックの音と聞き覚えの無い女の声に反応して、兵士の一人が首をかしげながらドアの前まで行った。
ゆっくりと開くと、そこには緑色のたっぷりとした髪を左右で三つ編みにした、めがねをかけた女の子が一人ぽつんとたっていた。
顔は可愛い部類に入る、おっとりとした感じの子だ。
それを見た兵士たちは喜んで中へ入れ、部屋の真ん中にあるテーブルの椅子へと座らせた。
「どうしたんだいお嬢ちゃん。こんな夜中に一人でこんなところへきて」
「はい・・・・あの・・・・実は・・・・」
机に手をついたりひじをついたりと、ぐるりと囲まれた女の子は、話しずらそうにおろおろとすると、ふとうつむいてしまった。
何が可笑しいのか、兵士たちはでれでれとして「どうした?」と何度も言いながら笑っている。
「・・・・サンダーブレード
『ぎゃぁぁぁぁ・・・・・・・!!!』
あまりの電流に、兵士たちの叫び声は途中で消えた。(合唱)
クレメンテを一体何処に隠していたのかは謎だ。
「やった!大成功☆」
「・・・まさかここまで上手くいくとはな」
「そうとうな馬鹿どもだな」
兵士たちがばたばたと倒れ終わると、入り口からわらわらと、ウッドロウ、リオンが入ってきた。
は入るなりフィリアに抱きつき「ナイスガッツ☆」と褒めていた。(褒め・・?)
「なんだよ、俺の考えた作戦成功しただろ!」
「男心を理解した良い作戦だ」
「でしょでしょ☆」
「・・・ノルなウッドロウ。馬鹿がうつるぞ」
「ん?私は本気で言ってたんだが」
「・・・・・」
なお悪い。絶句した後にリオンはつっこんだ。
「馬鹿が増えたねリオン☆」
「本当の事を言うな」
「ははは。聞き捨てなら無い台詞がでたな」
ため息混じりにいったリオンにウッドロウが笑顔で対応した。
「笑顔が素敵だぜガングロ王子☆」
「本当に。これでは国中の女の子から大層モテるでしょうに」
「あ、モテるって言葉覚えたんだ!」
「はい。さんのおかげですわ」
「・・・さっさと行くぞ」
牢屋の鍵をみつけると、一階を後にして4人は地下への階段を下りていった。
「リオンがスタンたち助けに行くなんて、最初じゃ考えられなかったね」
「・・・・グレバムのところへ行くのに人が必要なだけだ」
「またまたぁ」
相変わらずのむっつり顔で捻くれた返事を返したリオンを、が肘でつついた。
その後じゃれあいながら てくてくと階段を下りていくと、スタンとルーティらしき声が聞こえてきた。
「大体、あの時は・・あのクソガキが悪いのよ!」
「あ。悪口言ってる」
「・・・(怒)」
ルーティの声を聞き、リオンは勢いよくボタンを押した。
「キャーーーッ!!」
「口の聞き方に気をつけろ」
「リオン!?」
「あーあ。せっかく来たのにあれじゃあね〜」
!」
地下へと降りると、別々の折の中にスタンとルーティが入っていた。
「助けにきてやったと思えばこれか!まったく、馬鹿どもが・・・」
ぶつくさと文句を言いながらも鍵を開けていくリオンを見て、が噴出した。
「大丈夫だったようだな?」
「心配しましたわ」
「ウッドロウさんに、フィリアも!」
牢屋から出てきてすぐ、スタンは二人を見て大喜びした。
ウッドロウからディムロスを受け取ると、「でも、どうしてここが?」と皆に質問した。
「おまえらの額のモノを忘れてるんじゃないのか?」
ルーティの牢屋の鍵を開けたリオンが戻ってきながら、不機嫌そうに答えた。
「あ、そうか・・・・・それで」
「そんなことより、マリーの後を追って!ダリスとかいうのにどっかに連れていかれたわ!」
「そうだった!」
ルーティが電流から回復すると同時に、焦ったように叫んだ。
それを聞いた全員が驚き、特にウッドロウはいつもではありえないくらいに取り乱した。
「なんだと!」
「外に出た気配はなかったな」
「ということは・・・・上ですね」
「行こう」
早々と話を終わらせると、6人は2階へと急いだ。
2階の扉の向こうからは、マリーと男の話し声が聞こえてきた。
「おまえはこの剣を持っていた。何故だ?」
「私がお前の妻だからだ」
「妻か、面白いことを言うな。だが・・・俺の妻は死んだのだ」

「私は死んではいない。ダリス、お前が私を逃がしてくれたのだ」

「・・・」
「・・・ウッドロウ」
マリーの話を聞いて固まってしまったウッドロウを見て、が声をかけた。
なんにせよ興味深い話だったので、全員扉に耳をくっつけて出場亀行為を始めた。
一番下にいたスタンは少し苦しそうだったが、中々楽しそうだ。
フィリアまでもが一緒になっているところを見て、同じく扉に耳をつけての出場亀行為にノッてしまったリオンはなんとなく悲しくなった。









続く
−−−−−−−−−−−−−
やっと続きを更新!!駄文がまたもやこんにちはなノリですね。(精進なさい)
今回ウッドロウと絡みました。というか彼、ちょっとしかいないから接点ないと・・・ねえ?(何)
2階から飛び降りるのは雪国の特権・・・・。やりましたねぇ〜飛び降り自殺ーー!!とかいいながら(笑)
懐かしき小学校の思ひ出。(そんな思い出ばかり作るな)
皆さん、降りる時は1・5m雪が積もってからにしましょう。怪我しません多分。(待て)
ハイ、すみません。絶対まねしないで下さい。良い子ならまねしないで下さい。良い子じゃなくてもまねしないで下さい
いや、するやついないって(本当だよ)
あ〜〜。次はダリスさんとマリーさんの話し・・・。どうしよう。(コラ)
ではでは。ここまで読んでくださった方、ありがとうございました〜。