「いたぞ!」
「きやがったな!」
モリュウ領の最上階。玉座にバティスタが座っていた。
「やっほーおっさん久しぶり☆相変わらず一人身だねv」
「うるせえっての!」
全員が真剣な顔で走りこんで決まるところも決まったというのに、はことごとくその緊張を破り去った。









my way of living 23
〜今回はちょっと真面目!?(オイ)一人身男の切ない末路〜









「うん。相変わらずノリは好調だ」
「変なことをいちいち確かめるな!単細胞!」
「イカらないでv(やきそば)」
「・・・そこから堀へ落としてやろうか?」
『坊ちゃ〜ん。目がマジですよ〜?』
バティスタのつっこみを受けてうなずいたにリオンがつっこんだ。
その後の言葉でキレかかったのだが、状況上本当に落とすわけにもいかず(状況が状況じゃなかったら落とすつもりなんですね)なんとか言葉だけで抑えていた。
「バティスタ、もう逃げられないぞ!」
とりあえずそれを見たスタンが、これ以上雰囲気が壊れる前に話を前へ戻した。
「ガキがいきがるんじゃねぇぞ!俺は逃げも隠れもしねぇ!」
そんなスタンに、ノリのよいバティスタは(違)しっかりと返事を返した。
「おい、貴様。フェイトをどこにやった」
一番後ろにいたジョニーが、凄みのある顔で前へと出てきた。
今までのおちゃらけたジョニーとのあまりのギャップに、ですら驚いて様子をうかがった。
「あのお坊ちゃんなら牢に閉じ込めてあるぜ!ちゃーんとここに鍵もある。だが心配するな。奴もすぐにお前らの後を追わせてやるからな」
「ほう、そいつを聞いて安心したぜ。これで心おきなく葬送曲を奏でられるってもんだ。貴様のためにな!」
これが本当のジョニーなんだろうか、と敵の前だというのに呑気に考えていたは、その後すぐに上がったバティスタの声で我に返った。
「ほざくな若造!この俺に勝てるとでも思っているのか?」
「ふん、馬鹿が!額のティアラを忘れたか!」
ジョニーの言葉を聞いて嘲笑っていたバティスタに、リオンがティアラのスイッチを入れ電撃をくらわせた。
ぐあぁぁぁぁぁ!とバティスタが叫びがくっと膝をつくと、今度はフィリアがバティスタに呼びかけた。
「バティスタ、もうやめて。これ以上は無意味です」
フィリアが顔をゆがめながらバティスタにそう叫んだが、バティスタは電撃を受けながらも顔を上げてにやりと笑った。
「くっ、無意味だと!笑わせるなぁ!これしきの電撃ごときに屈服する俺ではないわっ!こんなものはもう効かんぞ!ふはははははは!」
「う、うそだろ・・化け物か!?」
「その精神力だけは誉めてやる。だが、いつまで続くかな」
「その前にお前らを殺す!一人残らずな!さぁ、きやがれっ!」
電撃を受けながらも、バティスタは前と変わらぬ速さで攻撃をしかけてきた。
バッと剣をぬくと、前方にいたスタンとリオン、そして自慢の硬い琵琶を持ったジョニーがその攻撃をなんとか避けた。
マリー、ルーティ、フィリアもそれぞれ戦闘態勢に入り、も同じく剣を引き抜きいつでも動けるよう構えた。
「・・・・分が悪すぎる」
無差別に攻撃をしかけてくるバティスタの爪を避けながら、はポツリとつぶやいた。
「あいつまさか・・・・!」
!なにやってんだよ!!」
全員が戦っている最中に急に動きを止めたに、スタンが大声えで怒鳴った。
はっと我に返ると、目の前に、バティスタが爪を大きく振り上げながら迫ってきていた。
「くらぇぇええ!!」
「くっ・・!!」
避けきれないと判断したはとっさに剣でそれを抑えこみ、ぎりぎりであったが爪で切られるのを避けた。
「バティスタ、あんたまさか・・・・・」
「フンッ、初めて俺の名前を呼んだな。やっと認めたか?」
「そうじゃなくて!」
「お前には借りがあったなぁ。今ここでっ」
「ぇえっ、わっっ」
押し合って体重をかけていたところを、バティスタは一瞬体を引き、その後一気にドンッと突き放した。
急な動きに耐えられず、はいとも簡単に後ろへよろけた。
「返すぜ!!」
「うわぁっ!・・っく・・・!!!がはッッ・・!!」
!!」
その隙を見てバティスタがに突きを入れた。
持ち前の反射神経で爪を押さえたのだが遅すぎ、爪が腹にザッッと食い込んだ。
まだ抑えた分貫通はしなかったのだが、その後ズバッと勢いよく引き抜かれ、は血を吹きながら膝をついて倒れこんだ。
「・・・貴様あ!!」
「くそぉ!!」
が倒れこんだ後、その先にいるルーティたちの方へ走り出したバティスタをリオンとスタンとジョニーが追いかけた。
「ルーティさん、ヒールを!」
「今やってるわ!マリー援護お願い!」
「分かった!」
向かってくるバティスタをマリーがなんとか抑え、追いついたリオンたちがルーティたちから遠ざけようと剣を振るった。
その間にも、爪の切り傷でただでさえ出血の酷かったの体からは、まだ血が流れ出していた。
気が遠くなりそうな痛みを必死に堪えて、は仲間たちが数メートル先で戦っている様子を眺めていた。
「くそっ・・・・」
痛ぇ・・・と、声を出すのも辛いほどの痛みと、激しい悔しさと疎外感に襲われていた。
相手が誰であろうと何を考えていようと、今は戦いの最中だ。
それなのに余計なことを考えて怪我をして、仲間たちに迷惑をかけている自分が恥ずかしい、と、痛さで顔を歪めながら心の中で延々と繰り返していた。
自分はここまで無力なのかと、襲ってくる悔しさと疎外感の理由をやっとつかむと、何故か逆に、少し気が緩んだ。
「ヒール!!」
ルーティの声が聞こえたかと思うと、今までの痛みが嘘のように薄れた。
それでも先程の痛みはそう忘れられるものでもない。なにより体力がまだ完全に回復してはいない。
斬られている人たちはこんな思いをしているんだ、と少し混乱が収まった頭で考えながら、「よっ」と言って立ち上がった。
今はそんなこと言っている場合ではない。
目を閉じてそう一言心の中で唱えると、バッと目をあけて両手でぱーんっと頬を叩いた。
「ルーティごめん!」
「ありがとうでしょ!」
走りながら片手を上げて「ごめん」のポーズをすると、ルーティがズビッと指をさしながら言ってきた。
「悪ぃサンキュ!」
「いいからさっさとそっち行きなさい!」
「オーケーオーケー!よーうみんな!またせたぜい☆」
!」
「おうっ!復活か!」
つっぱしって加勢しにきたに、スタンとジョニーが嬉しそうに返事を返した。
「下がっていろ役立たずが!!」
ただリオンは一人、不機嫌というよりは本当に怒って思い切り冷たい返事を返してきた。
「いやんっ、リオンてば冷たい!泣いちゃうかも!」
「そんな風に遊ぶのならここに来るな!邪魔だ!」
「やっだなーリオン。傷つくわ〜。これ以上邪魔になりたかないから来たんだよ!オラおっさん!こいや!!」
「上等だ!!今度こそ死ね!!!」
中指を立ててが挑発すると、バティスタがそれにのってダンッと床を蹴りつっこんできた。
「よっくも恩を仇で返してくれたなこの独身男が〜〜〜〜〜〜」
「やられるお前が悪いんだろうが!大人しく倒れていればよかったのにな!!」
「いい言葉を知ってるじゃあないか。よく言うね、世の中―――勝った方が正義!!」
体をぐるっと左にひねり爪から剣を離すと、はそのまま一回転してバティスタの横っ腹を切り裂いた。
「ぐぁぁあああっっ!!」
「今度は良い借り返せよおっさん。逃げたかと思えばこんなところで・・街をあんなに酷くしやがって!天に変わって罰を下す!!
「誰の真似だい?そりゃ」
月曜にやっている某仕事人の方のキメ台詞です。とジョニーの質問に答えていると、バティスタがまた立ち上がって攻撃してきた。
げっ!と二人がそれぞれの武器を構えたとき、急にバティスタの体に電撃が流れた。
「うぐああっっ!!」
「フンッ。ティアラがついていることを忘れたのか」
「ナイスアシスト〜♪」
崩れ落ちたバティスタの後ろから、スイッチを片手にもったリオンが嘲笑いながら言った。
「リオン!」
「まったく、未熟者が」
驚いたように顔をあげたに、リオンが呆れたように言い捨てた。
先程の怒った様子が見られないところをみて、は嬉しそうに笑った。
その後いつもの遊び心でいじけた子供のように口を尖らせながら、がわざとらしくリオンに返事を返した。
「へいへい悪かったですよーだ」
「なんだその返事は」
「へへへっ、ごめんごめん。でもリオン、今のって助けてくれたんだろ?」
「俺を含めて」
「煩い」
にししと笑うとジョニーに挟まれたが、リオンは不機嫌そうに腕で振り払った。
素直じゃないなぁとスタンがさらにその後ろで呆れていると、バティスタがう・・・・とうめき声を上げた。
「やりやがったな・・・」
「ジノのおっさんをよくも・・・俺がこの手でトドメをさしてやる!」
「ジョニーさん!」
腕の力でなんとか起き上がったバティスタに、ジョニーが再び沸いてきた怒りで顔を歪めながら噛み付くように怒鳴った。
「待って!」
「フィリア!?」
琵琶を構えて振り下ろそうとしたジョニーの前に、フィリアがバッと出てきた。
ジョニーが動きを止めたのを確認してから、フィリアはすぐにバティスタの方に振り返りしゃがんだ。
「バティスタ、グレバムはどこなの?正直に話せばあなたの命は保証します」
「なっ!」
フィリアがそういうと、バティスタはフッと自傷気に笑った。
「フィリア、甘ちゃんだな。世の中、優しいだけじゃ生きてけねぇぜ…」
その後嫌味っぽく、目をギラリと向けて睨みながら言ったバティスタに、フィリアは目を離さずしっかりとバティスタを見て言い返した。
「優しさをなくしてしまったら、私は私でなくなってしまうわ」
「なんだって?」
フィリアのその言葉に、バティスタは呆気に取られた。
「私は私のままよ。あなたの指図なんかもう受けないわ」
「ふはは・・・強くなったな・・・フィリアよ」
「自分に正直になっただけよ。さぁ、グレバムはどこなの!」
「ここじゃねぇさ」
フィリアの答えに笑うだけ笑うと、バティスタは開き直ったようにさらりと答えた。
だったら、どこだ!とスタンが問い詰めたのだが、バティスタはそれを無視して「おい、そこのトサカ頭!」とジョニーの方を見た。
「こいつを受け取りな」
バティスタが投げたのは黒い鉄でできた少し大きめの鍵だった。
受け取ったジョニーは困惑した表情で、「何のつもりだ?」とバティスタに向き返った。
「かなり衰弱してるからな。急いだ方がいいぜ…」
「フェイトがかっ!」
ジョニーの言葉にと頷くと、バティスタは「あーあ」と言いながら空を仰ぎ見た。
「自分に正直に・・・か」
「バティスタ?」
ぽつりと疲れたようにつぶやいたバティスタにただならぬ雰囲気を感じて、フィリアがバティスタの名を呼んだ。が・・
「ふんっ!ぬぐわぁーっ・・・・・・!!!!!」
「バティスタッ!」
「おっさん!」
今までのものとは比べ物にならない電流が流れ、バティスタは叫び声を上げるとばたりと倒れて動かなくなった。
「リオン!なんで!」
「僕じゃない!自分でティアラを外したんだ。勝手に自滅しただけだ」
「じゃあ・・・」
「ああ、致死量の電流だ。もう生きてやしない」
悲痛に顔を歪めたリオンとスタンの前で、フィリアが放心したような声で「バティスタ・・・」とつぶやいた。
「フェイトが心配だ。急いでくれ」
「分かっている」
ジョニーが痺れを切らせたようにいい、リオンがそれに即答した。
ほら、行くわよフィリア。とルーティがフィリアに声をかけたが、フィリアはそこから動こうとしなかった。
「・・・・」
「フィリアってば!」
「一人にしておいてやれ」
「な、なによ」
「デリカシーのない女だな」
「なんですって!」
「いいからとっとと来い」
めんどくさそうに言うリオンに、「わかったわよ!」と文句を言うと、ルーティはマリーを連れてさっさと歩いていった。
ジョニーはすでに地下へと向かっていたのだが、フィリアの少し後ろに立っているも、その場に固まって動こうとしなかった。
フィリアに声をかけたスタンはさっさとルーティたちの後を追っていっていたため、リオンはますます不機嫌そうな声で「おい」と声をかけた。
「聞こえてないのか!」
「・・・・・」
がっと左肩を掴んだリオンは、の表情を見て驚いた。
驚いたように目を見開いて、は呆然と固まっていた。
引かれた方へ体はむいているのだが、目はまだバティスタを捉えて離そうとしなかった。
「・・・チッ。起きろ!」
「あいて!あ、リオン・・・」
「もう全員下へ行った。僕たちも行くぞ」
「あ、うん。ごめん」
歯切れの悪い返事を返すに、リオンははぁー・・と深いため息をついた。



「おいフェイト、しっかりしろ!」
「ジョニーか・・・助かったよ」
地下牢へ行くと、丁度ジョニーがフェイトと再会を果たしていた。
体の方が大丈夫だと分かると、ジョニーは安心したように胸をなでおろした。
ところで後ろの彼らは?と質問してきたフェイトに、ジョニーが苦笑いしながら「自己紹介がまだだったな」といった。
「リオンだ」
でーす。以後、お見知りおきを!」
「スタン・エルロンです」
「ルーティ・カトレットよ。で、こっちのがマリー」
「よろしく」
そこにいた全員がそれぞれ自己紹介をすると、ジョニーが思い出したように「上に残してきた神官は?」とスタンに聞いた。
「フィリア・フィリス、ストレイライズの司祭です」
「そして俺が人呼んでフーテンのジョニーだ」
トラじゃないの!?
「フッフッフッ・・・甘いな
とひとコント起こすジョニーに、フェイトが笑いながら「相変わらずだな」といった。
その後フェイトが自己紹介をすると、話はすぐに神の眼の関連のあるものへととんだ。
「ティベリウス大王がグレバムと密約を結んで、セインガルドへの侵略を目論んでいる。それに反対したために父は殺され、私はこの部屋に幽閉されていたのだ」
スタンが「セインガルド侵略だって!」と驚き、「大王がな、まさかそんなことになっていたとは」とジョニーが手を顎に添えながら言った。
「おい、その大王はどこにいる」
「トウケイ領だ」
「グレバムも一緒か?」
「おそらくそうだが、どうするつもりだ」
「奴を倒す」
きっぱりといったリオンに、フェイトが「無理です。かなうはずがないでしょう」と驚きながら言った。
「誰がバティスタに勝てたのか?」
「そ、それは・・・」
「僕たちはバティスタに勝った。グレバムだろうがティベリウス大王だろうが倒す」
ふんっ、と嘲笑いながら言ったリオンに、フェイトがまだ不安そうに目を泳がせていた。
「ふふふ〜♪僕たちねぇ〜v」
「・・・・なんだ」
「仲間だと思ってくれてるんだ」
「事実を述べただけだ」
そっぽを向いて言うリオンに、がまたまた〜〜!と言いながら肘で押していた。
二人がそんな風にじゃれているうちに、いつの間にかジョニーが同行することになっており、はリオンに「お前の所為だ!」と怒られた。
フェイトからの情報から、トウケイ領に神の眼がある確立がぐんと上がった。
とりあえず船の用意までしてくれるというフェイトに感謝しつつ、リオンたちはフィリアを迎えに玉座へと戻ることにした。
「・・・・」
?どうしたんだ?」
「さっきから黙りっぱなしじゃない」
何かを考えるようにぼーっとしながら無言で歩くを心配して、スタンとルーティが声をかけてきた。
「いやさ・・・・バティスタの奴、最初から殺されるの分かってて戦ってたんじゃないかなって思って・・・」
「え?なんで?」
「だって、前に一度ここより足場の悪いところで戦って負けてたのに、今度はもう一人メンバー増やしてきた俺らとまた戦ったんだよ?どう考えたって分が悪すぎる」
確かに・・・・とルーティとスタンが頷くと、も「だろー?」と言ってまた考え出した。
「なんで負けるって分かっててこんなことしたんだ?誰かに・・・止めてほしかったのかな・・・・・」
「そんなこと、本人以外には分からないだろうが」
「そうだけどさ・・・」
先を歩くリオンにそうつっこまれがうつむくと、スタンがまあまあと声をかけてきた。
「とにかく今は、フィリアを迎えに行こう」
「・・そうだね。元気付けてあげなきゃ!」
「お前はやめておけ」
「なんだよそれー!!」
「歌でもうたうかーい?♪」
「イエーイ☆」
もっとやめろ
ジョニーとノリだしたに、リオンが思い切りつっこんだ。その後ろでは、スタンが苦笑いしていた。



「みなさん、ご心配おかけしましたわ」
玉座へつくと、フィリアがこちらに気付いてすっくと立ち上がった。
「もう大丈夫なのかい?」
「ええ」
「ねぇフィリア、グレバムの居場所が分かったわ」
「本当ですか」
ルーティが少し言いずらそうにフィリアに報告をした。フィリアはそれを聞いて嬉しそうに返事をした。
「グレバムの居場所は、アクアヴェイルの首都トウケイ領らしいんだ」
「多分、神の眼と一緒にね」
「準備ができ次第、乗り込むつもりだが・・・」
と言い、そこで言葉を止めてしまったリオンに、フィリアがにっこりと笑いかけた。
「気遣いは無用ですわ。私も一緒に参ります」
「そうと決まりゃ、船の用意ができるまで宿で一休み、といきますか」
「そうですね」
決定!と言うと、それぞれ伸びをしたりため息をついたりしながら扉の方へ歩いていった。
「ねぇフィリア」
「はい?」
まだ動き出さず玉座に残っていたが、同じく残っていたフィリアに声をかけた。
「バティスタ・・・・埋葬してあげよ?」
さん・・・」
「余計なことだとか敵なのに、とか文句言われそうだけど」
「いいえ・・・・ありがとうございます」
泣きそうになるのを必死に堪えながら言うフィリアに、は気付かぬふりをして「礼を言われる筋合いなんてないって!」とお茶らけた。
「そういうことなら、力になるけど?」
「スタン!」
「まーったく、言うのが遅いのよ!」
「ルーティさん!」
「確かにモリュウをめちゃくちゃにしてフェイトに酷いことした奴だけど、本当は捨て駒みたいに使われただけだったかわいそうなやつだからな。ジノのじっちゃんの仇もこいつじゃないっていうし・・・。武士の情けだ!」
「ジョニーさん☆」
とフィリアだけでは心配だ。私も手伝おう」
「マリーさん・・」
「まったく・・・なにからなにまで面倒事が好きな奴らだな。のろのろするな、さっさと行くぞ」
「リオンっ!?」
二人の後ろに、もう行ってしまったと思っていた仲間たちがならんでたっていた。
「皆さん・・・・ありがとう・・・ございます・・・・」
掠れた声で言い頭をさげたフィリアに、それぞれよってきて声をかけたりバティスタを運び出す準備をしたりした。
「ほーら頭あげて!きびきび動く!」
「はいっ!」
ばんっとルーティに背中を叩かれると、フィリアは元気よく返事をし勢いよく顔を上げた。
「よかった、元気でたみたい」
「確認できたならさっさと動け」
「はいはい。リオンの照れ屋さん」
「・・・落とす」
「わーーー!!!死ぬ死ぬ!!いくら堀でもこれ死ぬって!!」
ぐぐぐ・・・・と下に落とされそうになっているとリオンのやりとりを見て、仲間たちは可笑しそうに笑っていた。









続く
−−−−−−−−−−−−−−−−
・・・・わお。(何)
なんだか今回、シリアスが入ってました。自分で驚き。(オイ)
でもよくよく読み返したらそんなでもありませんでした。シリアスってどうやって書くんだろう?
バティスタ切ねぇ〜。死んでほしくなかったなぁ。よく動くしノリいいし・・・(そこかよ)
なんだか坊ちゃんが優しいです。いや、途中かなり厳しいこと言ってますが。
あれは・・・・・ゲフッ。ゴフンッ。まあ、色々ッスよね!
さーてここから一気にスピードアップかしら。
いや、まだだ!トウケイ領が終わってからだな。皆が焦りだすの。(それほどでもない)
とりあえず、こんな文に付き合ってくださって本当にありがとうございました。