「・・・・あれ?フィリア?どうしたんだ?」
普通の人が起きる時間から随分と送れて起きてきた(起こされた)スタンが、2階のキッチンでフィリアをみつけた。
「ああ、おはようございます、スタンさん。バティスタに朝食を・・・と思って。あれではさすがに死んでしまいますわ」
お盆に食事を乗せながらフィリアが言った。
「そうだね。あ、俺が持つよ」
「ありがとうございます」
my way of living 19
〜帰ってきたなんちゃて教師とマセガキ〜
それぞれ割り当てられた一室の中、1ヶ月前に自分が使わせてもらっていた部屋では気持ちよく眠っていた。
天気も良いし言うことなし、と、窓から差し込むぽかぽかとした日差しでまどろんでいたは、寝坊なんて言葉を頭の隅にも置いてはいなかった。
「違います!」
「ルーティ、何言ってるんだよ!」
天気良し。
気温良し。
布団良し。
騒音有り。
気分悪し。
「・・・・あんだようっせーなぁ・・・・」
むくっと起き上がると、はさっさと身支度を始めた。
「なんだ、朝から騒々しい」
「リオン!」
なにやらもめているスタンたちの後ろから、実は今しがた起きて光速で(注*光の速さで動ける人間はいません)身支度をすませてきたリオンが現れた。
以外のメンバーたちには言っていないが、休日としか頭になかったリオンは折角の睡眠を妨げられてご立腹だ。
そんな不機嫌オーラ漂うリオンの更に後ろから、今度は眠たそうにあくびをしながらがやってきた。
「なーに〜?どうしたんだよ皆ー。・・つか煩ぇよ歩く公害ども」
「うわ不機嫌!」
「どっちが歩く公害だ低血圧め」
「人のこといえてないじゃんリオンだって(低血圧)君も今日から低血圧同盟の会員だ!003!」
「誰が003だっ」
スタンが思わずつっこむと、さらにつっこんだリオンとつっこまれたが朝から威嚇をし始めた。
それをなんとかスタンが止めると、ルーティがバティスタが逃げたことを二人に伝えた。
「・・・なーんだ、原因俺かよ」
「ええ?!が逃がしたの!?」
「なに考えてんのよあんた!!大事な手がかりだったのよ!!?」
なんてことしてくれるのよ!!とどなりちらすルーティに、がしぼんでいた。
今回ばかりはスタンもマリーもフォローを入れないらしい。
だーってさー・・・・と口をとがらせながらが小動物化していると、めんどくさそうにリオンが横から口をだした。
「僕がやれと命令したんだ」
「ちょっと、どういうことよ!」
「煩いやつだな。少しは考えろ。あいつの頭にはなにがついてると思ってるんだ」
「・・・・・あ」
少し考えて、スタンが思い出したように声をもらした。
その後すぐに他の全員も思い出したようで、それぞれ「あ!」と言うと不機嫌顔のリオンの方を向いた。
「男があんなティアラしてたら、目立つよな〜・・・」
「寝ていろ単細胞。あのティアラはシャルティエで場所を感知できる。前にも言っただろうが」
むむむ・・と気難しそうな顔を作ってすっとぼけたに即つっこむと、リオンはさっさと話を続けた。
その話をきくと、全員はほっと胸をなでおろして疲れたようにため息をついた。
「今回はルーティの早とちりだったな」
「う、煩いわね!分かってるわよ!・・・・フィリア、その、ごめんね?」
「いいえ、いいんです。もとはといえば、あんな男に朝食をもっていくなんて誤解をされるような行動を起こした私が悪いんですから」
「バティスタ切ねぇー・・・・」
「・・・・・・・」
淡く悲しき一人見男〜と小さく歌うの隣で、リオンが同情したような目で遠くを眺めた。(合掌)
とりあえず仲直りした二人は、少し不自然だったが誤魔化すように笑いあっていた。
「フィリアの行動は悪いことじゃないよ。優しくなくなったら、フィリアじゃないもん」
「スタンさん・・」
「たしかに、鬼のように厳しいフィリアじゃフィリアって感じじゃないわよね」
「ルーティさん」
「鬼はルーティ・・」
「鬼のルーティ・・」
どんがらがしゃん。どん。とす。(効果音)
ありがとうございます、と照れながら言うフィリアにみんなが笑って和んでいると、メイドが「朝食の支度ができました」と伝えに来た。
ちなみにマリーとは地雷を踏んでしまったため、和んではいられなかった。
じゃ、ごはん食べに行こうか!とスタンがうきうきしながら言うと、リオンに呆れられ他の全員に笑われた。
「とりあえず今日は一日自由行動にする」
「ってことは、休暇ってこと?」
「そういうことだ」
「マジで!?やったー!!」
リオンの答えに、ルーティは階段を歩いてることも忘れて飛び上がって喜んだ。
スタンが危ないって!と慌ててつっこみ、マリーはフィリアと一緒にそんな二人を見てくすくす笑っていた。
「バティスタは随分と遠くへ逃げるつもりらしいからな・・・とりあえず、ヤツが向かっている先が分かり次第そこへ向かう」
「じゃ、おっさんがいつまでも腰をおちつけなかったらずっとここにいるってわけ?」
「・・・時と場合による」
よっしゃ〜〜!とルーティと一緒になって喜ぶを見て、リオンは顔をしかめた。
が、もともと向かっている場所を大体予想していたリオンは、明日にはこの町を出るということをしっかり頭の中で計画していた。
もちろん、今喜んでいるとルーティたちがしるはずもない。(哀)
「あらみんな、おはよう」
「おはようイレーヌさん!!今日ね、休みなんだよ!ガキどもに会いに行くんだ!」
「まあ、よかったわね。子供たちも会いたがってたわよ」
今日も元気にイレーヌに抱きつくと、はさっさと朝食をすませリオンと街へくりだしていった。
「おっれ〜は〜〜♪なんちゃって教師〜♪」
「・・・休暇くらい病院へ行ったほうがいいんじゃないのか?」
某ガキ大将の歌をオリジナルアレンジして歌っていたに、リオンが哀れんだような顔で言った。
「俺はいつでも正常さ☆頭は特に」
「頭が特に危ないんだ」
「もうっ、リオンてばいつになく辛辣!困っちゃ」
「あーーーー!!!ーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
「嘘ーーー!どこどこーーー!!?」
無表情で次々つっこみを入れていくリオンにがしなりをつくりながらボケようとしたところ、急に横から大声で叫ばれた。
うひゃーぁと、その声の大きさにが横に飛び、リオンが耳を押さえていると、数名の子供たちが駆け寄ってきた。
「!!」
「ーーー!!!」
「ウゴフッッッ」
丁度お腹の辺りに突進・・・もとい抱きついてきた子供たちの愛(攻撃)を受け、は一瞬意識を失いかけた。
リオンがさりげなく他人のふりをしていると、なんとか立ち直ったが子供たちとなにやら話し、その後子供たちがどこかへかけていった。
「なんだ、もう感動の再会は終わりなのか」
「うんにゃ。俺の生徒はまだまだいるよ〜。さ、行くよリオン!」
「・・・」
一人で行ってくれ。と思いつつも、その後何が起きるかわからない・・・と思い、リオンは逃げる考えを捨てた。
「!」
「久しぶり〜!」
「おう!久しぶり!」
きゃほーとはしゃぐの周りにはガキ、ガキ、ガキ、ガキ、ガキ。(多)
わらわらとたかるその集まりから、リオンは少し離れて立っていた。
「この人だーれ?」
「っ!!」
後ろから、リオンは服のすそをひっぱられた。
あーそいつはね〜と、リオンの説明をしだしたに子供たちが顔をむけ、リオンはその後の展開を予想しながら嫌そうに顔をしかめた。
・・・マントをつけてこなくてよかった。おそらくおもちゃにされていただろう、とリオンは今更ながらにぞっとした。
「リオンー?」
「りおんー」
「リオンてダリルシェイドの兵士なんだろー?」
「リオンてプリン好きなのー?」
「そんなことまで話すな単細胞!」
「本当なんだー」
「ププーッッ!墓穴掘ってる・・・・・!!」
「・・・・」
予想したとおり、リオンの周りに子供たちがわらわら寄ってきた。
今まで主に自分より年上(彼曰く年配)の人間としかかかわりの無かったリオンは、扱いがわらからず珍しく慌てた様子だった。(顔にはでないが)
「そいつな、素直じゃないんだ〜。口下手だけど面白いヤツだよ」
「くちべたー?」
「りおんくちべたなの?」
「あははははっ、口下手〜」
「煩い(怒)」
「あ、そいつ短気だからね」
「言うのが遅い!!!」
「わーー!!」
腕につかまっていた子供たちはリオンによってぶんッと振り上げられていた。
そのままきゃーきゃー騒いでいると、その騒乱の横で笑いながらのんきに眺めていたが「あっ」と思い出したように手を叩いた。
「そういえばアランはどこにいるんだ?」
「今来るよ」
「ーーーーーーーーーーーー!!!!!」
「ほら」
「うぎゃ!」
が来たことを知らせに行ったらしい数名の子供たちと一緒に、アランと呼ばれる少年が走ってきた。
女の子が指差した方向をが見た瞬間、アランが突進してきた。
「・・・・教育がしっかりといきとどいているようだな」
「全員抱きつき癖ついちゃったからね」
呆れながらその様子を見てリオンが言うと、子供たちの中でも上の方の子が苦笑いしながら答えた。
「連絡くらいよこせよなっ!まったく俺たちがどれだけ心配したことか・・・・」
「そーだよ!」
「まったく、どっちが年上なんだか・・・」
「リオンないすつっこみ〜!」
「慣れてるね」
「いつもこんなのと一緒に居たら誰だって慣れる」
「「あ、そっかー」」
「ってオイ!」
ふぅ、とため息をつきながら言ったリオンに子供たちがうなずき、はすかさず裏手を入れた。
「連絡っていってもたった1ヶ月じゃないさ。そーんなに寂しかったのかな〜?」
「お、俺は別に・・・・」
「そんな抱きつきながら言っても説得力ないって」
しがみつきながら言うアランに、は笑いながらつっこんだ。
「ま、なんだかんだいって俺は寂しかったけどね〜」
真っ赤になってに顔をうずめたアランを抱き込んで頭をなでながらが言うと、今度は周りに居た子供たちまで口々に喋りだした。
「私も寂しかったよ、」
「僕も!」
みんながみんな騒ぎ出したところでがはいはいさんきゅ!と言い、とりあえずその場の騒ぎを収めた。
その後久々に授業だ!とが言い出し、「ええーーー」と言いながら子供たちも楽しそうにそれに従っていた。
「みんな随分計算できるようになったじゃんよ!」
「が問題作っていってくれてたからね」
「僕がんばったんだよ!」
おーよしよし・・・と老けながら男の子の頭をなでているに、周りの子供たちが「老けすぎ」とつっこんだ。
ていうか問題簡単すぎ、という言葉がとびだすと、は「そこまで頭があると思わなかった☆」と笑顔で言い(故意に)、子供たちに袋にされていた。
「・・・・そんなことまでしていたのか、あいつは」
「そーだよー。結構考えて授業もしてたみたい」
『考えられませんね』
「ほら、これが今まで作った問題集だよ」
と言って、女の子がリオンに紙の束をもってよこした。
結構な量のその束を受け取ると、リオンはぱらぱらと開いて見てみた。
問題自体はそれほど難しくないものから始まるのだが、その量がバカにならないくらい多い。
応用問題はほとんどなかった。(何故かはノーコメンツ)
といっても、どの道将来使うであろう計算など足し算引き算掛け算割り算くらいなのだから別に覚えてもしょうがないのだろうが。
一応言葉の読み書きについてもあったのだが、ほとんどが書きものばかりだった。
『あ、歴史まで調べてありますよ!うわ〜・・細かく書いてある・・・』
「少し大雑把だろ、これは」
『そうですかね?僕は結構いいセンいってると思いますけど』
目が悪くなったかシャル・・・とリオンが言ったのだが、シャルティエは素直じゃないなぁ☆の一言でそれを流した。
ソーディアンに目が悪くなる機能がついているとは思えない。
計算と国語、歴史のほかに、それには簡単な生物学の基礎や科学の基礎が書かれていた。
毎日書いていたのかと言うと、リオンはあまりに想像しずらいその様子を一瞬だけ頭に思い浮かべた。
「じゃ、次の段階にでも進もうか。3=x−1。xを求めよ!」
「えー、なにそれ。xってなにー?」
チョークを使って地面に式を書いたの周りに子供たちが群がって、大きな輪を作っていた。
みんな身をのりだして覗いている。
「xっていうのは・・・そうだね、この問題でいう、<分からない数字の変わりにおく記号>のことだよ。ほら、答えが3だっていうのがもうわかってるけど、こっちの式の方には−1しかないだろ?」
「ほんとだー」
「これじゃあなんで3だかわかんないよ?」
「そこでこいつの出番なんだ!前に移項って教えたの覚えてるか?」
「うん」
ぱっと顔を上げたに、ほとんどの子供たちが頷いた。
みんなちゃんとやってたんだな、と笑うに、子供たちが「馬鹿にすんなよな!」と怒った。
その時リオンはというと、ひっぱられて一緒に輪になっていた。むすっとしながらも座っているがなんとも笑いを誘ってくれる光景だ。
「そいつを使うと簡単だ。xをだしたいから、3を=の右へ、xを左へ動かして・・・」
「あ!これならわかる!答えは4!」
「正解!」
「あー!俺もそれ言おうと思ったのにーー!」
「早いもの勝ち〜」
授業中ならだれしも一度は聞くフレーズに、思わずは笑った。
がるるるる・・と威嚇しあいだした二人を見かねて、じゃ次。7=2+x!とまた問題をだした。
「え〜〜〜っと」
「んーーーー・・」
「「「5!!」」」
「5!」
「5ーーー!」
「正解〜」
最初に3人くらい同時に言うと、その後やっと計算が終わった子供たちも負けじと叫んだ。
お昼ごろまで続いた久しぶりの授業は子供たちの「腹減ったーー!!」という叫びで終了し、さらに子供たちの要望で朝食はハンバーガーを食べることになった。
「一度食べてみたかったんだ〜♪」
「俺も!」
「は食べたことあるの?」
「リオンはー?」
ありったけのハンバーガーやジュースやポテトを、何故かリオンが払うことになった。哀れだ。
とくに今までお金を使うことも無かったので、リオンは「なんで僕が・・・」とぶつくさいいながらもしっかりと払ってくれた。
荷物はもつと言う子供たちに荷物を持ってもらうと、「桜の下で食べたーーい!」という一人の要望から、中央公園で昼食をとることにした。
「俺は前に自分の国で」
「・・・仕事中に一度だけならある」
子供たちに手を引かれながら、は笑顔で答えリオンは少しむすっとしながら答えた。
これじゃ子持ちに見られる。と言い出したリオンに、や子供たちは大笑いした。
「じゃなんだ?おりゃこいつらの母さんか?」
「は女に見えないんじゃない?」
「違いない」
「酷いわみんな・・・あなたまで・・・」
『だめですよ坊ちゃん。奥さんを泣かせちゃあ』
「この歳で結婚した覚えは無い」
というかこんな妻もった覚えは無い。ときっぱり言ったリオンを、子供たちは腹を抱えて笑った。
ただあらんはリオンを睨んでにしがみついていたのだが。
そんなリオンにとっては痛いノリで、昼食はのんびりと行われ、その後は子供たちにアイスキャンディーを奢っていた。
「あ、あの指輪してるーーー!」
「え!?本当!??」
「気付いてくれたの?」
「あったりまえよ!まぁ・・・二袋目もあんなのだったらどう煮てやろうと思ったけどネ☆」
フフフ・・と黒く笑うに、笑顔がこわーい!と子供たちが笑った。
よく笑って流せるものだと、リオンとシャルティエが感心した。
「右手の人差し指につけたの?」
「最初は左の人差し指だったんだけど、これつけることになったからつけかえた」
「これナックル?」
「それに近く作られた指輪」
「いいなー」
じゃ、お返しに指輪買うか、というに、子供たちは大喜びしてアクセサリーを扱う小物店へひっぱっていった。
「ほい、全員分」
「わー!ありがとう!」
「わーいっやったー!」
「綺麗〜」
全員に指輪をくばると、それぞれ声を上げてよろこんだ。
指輪はシンプルな銀製のものだったが、値段はまあまあするものだった。
在庫があってよかった、と胸をなでおろしたに、子供たちはお礼を言ってきゃーきゃー騒ぎだした。
「よくそれだけ金を集めていたな」
「仕事でもらった分と、さりげなくレンズ集めてお金にかえたりもしてた分を使わず溜め込んでたからね」
「お前が使わないというい時点でまずありえない行動だ」
「真顔で驚くなっつの!」
ずびしっ!とがつっこむと、リオンが笑った。しかも普通に。
今までの皮肉ったような笑顔ではなく、普通に笑ったのだ。
それに驚いたは、裏手つっこみをしたままで固まってしまった。
「なんだ?」
そんなの様子に、リオンが訝しげな顔で声をかけてきた。
はっと我に返ったは、ガシッとリオンの肩をつかんでもっかい!!とせがんだ。
「なにがだ」
「今普通に笑った!!お前のあんな顔見たこと無いよ俺!!」
「だ、べ、別に笑ってなんて・・・」
『どもってますよ?きっとまわりの空気に流されたんですねぇ〜・・』
「煩い」
真っ赤になって否定していたリオンにシャルティエがつっこむと、リオンは怒りでいつもの不機嫌顔に戻ってしまった。
あーあー。と残念がるを見て、子供たちは「リオンていつも笑わないの?」と二人に質問してきた。
「べつにいつも笑ってないわけじゃない」
「でもあんなふうに笑うリオンなんて見たことねー」
「どこのだれとはいわないが、そいつのせいだろう」
「あースタンか!」
『普通にも入ってると思うよ』
ぽんと手をうって言ったに、シャルティエが横(腰)から口を挟んだ。
だとコラーーー!と暴れだしたに何故怒り出したのかわかっていない子供たちが面白がってぶら下がった。
それによって怒りを静めざるおえなくなったを見て、リオンが子供のすばらしさを知った。
むしろ恐ろしい。
「ま、今日は羽目はずしていこうぜリオン!」
「お前はいつもはずしすぎだ」
「いいじゃんそんくらいのほうが。ためこんだっていいことないし?どうせ休暇なんだしさ〜。もっと笑おうぜ!」
どんな理屈だ・・と呆れたリオンに、子供たちが笑いながら「に理屈なんて関係ないよ」と言った。
違いないとリオンが言うと、またが騒ぎだし、今度は大人数での大鬼ごっこが始まってしまった。
「はあ・・はあ・・・・なんて体力だあいつ・・・」
「はいつもああだったからねー。って来たーーー!!」
きゃーきゃー騒ぐ子供たちと一緒になってリオンも逃げていた。
つかまったらなにこそされるかと思って逃げていると、捕まった子供たちがくすぐり攻撃をうけていた。
・・・あれは避けたい。リオンは本気で思った。
その後またつかまった子供が、今度はジャイアントスイングをされていた。
その後つかまった子供たちから、リオンは様子を伺うのをやめた。
「思い知ったかガキども!!」
「どんな体力してるんだよ〜」
「俺まだ捕まってないもんね」
「くらえ」
「ギャーー!!」
全員で座り込んでいると、アランがに捕まっていなかったことを告げた。
言った瞬間、アランはに捕まって頭をぐりぐりとぐーでおさえつけられた。
「なんで俺だけこれなんだよ!」
「お前専用の技なのこれ」
「いつ決まったんだよ!」
「2分前」
延々とどうしようもない答えを出してくるに懲りずに、アランは質問を続け、それを見ていた子供たちは周りで大笑いしていた。
「二人ともバカだよなー」
「アランも言わなきゃいいのに〜」
「もちゃんと言い訳くらいしなよ」
とアランの近くにいた二人の子供がつっこんだ。
「「うっせ」」
「きゃははははは」
「ばーか」
「このーー!」
「てめぇらなーー!」
「「わーーー!!」」
「きゃはははははっ」
同時に答えたとアランに、二人が笑ってバカにすると、今度はとアランがガバッと襲い掛かった。
「あははははっ」
同じ行動を同時にしたとアランと、羽交い絞めにされている二人のあまりの面白さに、周りの子供たちと一緒になってリオンも笑っていた。
声を立てて笑うリオンを見ると、とアランはリオンに矛先を向けた。
今度はお前だっっ!と言うと、がリオンに馬乗りになってアランと二人でくすぐり始めた。
「ふっ、はははっっ!や、やめろバカ!!」
「自分だけ笑っておいてそれは無しだぜ坊ちゃん!くらえ〜〜〜!」
「そうだそうだ!くらえ〜〜っ」
「あははははははっっっ」
無理やり笑わされているリオンは腹が痛い!と悲鳴をあげた。
が、もアランも「まだまだー!」といってさらにくすぐりはじめた。
身動きがとれないでじたばたもがくリオンの周りでは、他の子供たちが大爆笑していた。
「はー・・・はー・・・この・・痴呆娘め・・・!」
「あはははは!リオンボロボロだ〜!」
「誰の所為だっ!お前もくらえ!」
「へ?げっ!うわーーっっ!」
「そいつもやれ!」
「まかせとけ!」
「ちょ、ま、わーーー!!!」
リオンが周りに居た子供たちを使って、今度はとアランをくすぐりはじめた。
周りの子供たちも喜んでそれに参加し、大量なその数を前にとアランは逃げられなかった。
「あははははっっ!も、もぅ無理!!リオン許してーー!」
「まだまだだ!」
「し、死ぬ〜〜!!」
「アランもだめーー!!」
「きゃはははは」
結局、4分で終わったリオンの倍、二人は全員にくすぐり攻撃をされたのだった。
「も、燃え尽きた・・・・」
「あたりまえだ」
「次はレースでもする?リレー式!」
「まだ動く気か」
まだまだ元気な子供たちの言葉にげんなりとリオンが言い、はうわ〜〜〜と叫んでつぶれた。
「なに〜?二人とももうギブアップなの?」
「歳だね」
「僕らに負けるのが怖いんだ!」
「「違う!」」
口々に言ってくる子供たちに、とリオンが大声で否定してばっと立ち上がった。
「上〜等。受けてやろうじゃんその勝負!!」
「お前らこそ泣きを見るな」
「よーし、じゃチーム決めようチーム!!」
もちろんとリオンは別チーム、という言葉には「え〜〜〜〜〜〜」と反論したが、他の子供たちが「あたりまえだろ!」と言うと、おとなしくはい、と従った。
チームが決まったところでさっそくレースは始められ、とうとう残るはアンカーのとリオンだけとなった。
「行け、!」
「負けんなよリオン!」
「おうよ!」
「あたりまえだ」
ぱんっと、走ってきた子供たちからタッチされると、とリオンが同時にスタートをきった。
「負けるかーー!」
「それはこっちの台詞だ!」
「あっ!くっそ。坊ちゃんめ〜〜」
「!!往生際が悪いぞ痴呆娘っ。年寄りは大人しくしていろ!」
「くっ!そっちこそ!いい加減足遅いのみとめろよなっ。ぬーーっっ」
「チッ!お前より僕の方が足が長い!!」
「あ!!なんだとクソーー!俺よりチビのくせに!」
「それは関係ない!」
「あーーチビーー!!負けてたまるか!とぅっっ!!」
「なっ!」
抜きつ抜かれつ、口喧嘩しながら街の中を走る二人を見て、子供たちは応援したり笑ったりと大忙しだ。
ゴール手前でリオンがぐんとおいぬいた瞬間、は思い切り飛び跳ねた。
「飛んだ!!?」
「つっこむぞ!」
ザーッッ。
「・・・勝ったのは」
「「俺(僕)だ!!」」
それぞれ肩で息をしながら、ゴールで判定をする子供の前で叫んだ。
「どっちもだよ。同着〜」
「そんなぁ〜」
「こんなやつと同着とはな・・・」
ずしゃ、と地面に座り込み、二人はまた口喧嘩を始めた。そんな二人を見て周りの子供たちは笑い、そろそろお開きかな、と誰かがいいだした。
「まって。リオン、俺と勝負しろ」
「は?なんでだよアラン」
リオンに勝負を挑んだアランに、が首をかしげて聞き返した。
「いいから、やるの、やらないの!?」
「・・・めんどくさい」
「言うと思った・・」
ボソリといったリオンの横で、問題集を見せてくれた女の子がボソリと言った。
「そんなこと言って、俺より足が遅いんじゃない?」
「それはお前の思い違いだろう」
「俺はより脚早いよ。リオンじゃ勝てないね」
勝てないね、と言う言葉に、リオンが反応した。
「いいだろう。その勝負受けて立ってやる」
「そうこなくっちゃ」
急にやる気を出したリオンに、アランがニヤリと笑った。
が審判をすることになり、スタート位置に立つと、アランがリオンに話しかけた。
「この勝負で俺が勝ったら、は俺がもらうからな」
「・・・・・・」
「はいそこー、負けようかななんて顔しなーい。ついでに人を景品にしなーい」
「だって・・・とリオンなんか仲いいしさ・・・」
思いっきり嫌そうに顔をゆがめたリオンにがつっこむと、さらにその横からアランがいじけたように言った。
そうか?と首をかしげるに、アランが早く!とスタートを催促した。
「じゃ行くぞ。レディー・・・・GO!!」
が手を上げた瞬間、二人は一気にスタートした。アランが自分で言った通り、たしかに足は速かった。
「・・・チッ!」
ガキに負けてたまるか、と、リオンが足を速めるとアランもスピードを上げた。
「くそっ・・・!!」
中々おいつけないリオンがまた舌打ちをすると、さらに足を速めた。
「もうちょっとだぞ!二人ともがんばれー!」
ゴールに着く寸前で、リオンがアランと並んだ。
「・・!!」
「ゴール!」
だーーっっと走りきった二人は、そのまま道にある芝生の方へ倒れこんだ。
「どっちが・・・勝った・・・・?」
肩で息をしながら、アランがに聞いた。
「ん、両方」
「は〜?」
「本当だろうな」
「本当だよ。なーみんなー」
アランが声をかけると、子供たちは声をそろえて「うん!」と答えた。
その答えを聞いて、リオンもアランも脱力し、ばったりと寝転がった。
「お疲れさん。ほれ、これでも飲みやがれっ」
にーっと笑いながら、が二人にジュースを渡した。
走って喉が渇いていた二人は、息が落ち着かないままそれを勢いよくのんだ。
「ぷはー」
「ふぅ・・・」
「ったく、アホなこといいやがってこいつ」
「うわ!」
ジュースを飲んでため息をついていたアランを、が片手で頭を抱きかかえぐしゃぐしゃとかき回した。
やめろよっというアランの声でがやめると、アランは腕の中からふくれっ面をだした。
「リオンと俺は友達なの。変な関係なんかないって。なーに考えてんだかこいつは」
「だってさー・・・・俺、アラン好きなんだもん・・」
「くぁ〜・・・・お前かわいいなぁ〜〜!」
「うわあ!」
かわいい〜〜!と言ってぎゅーっとアランを抱きしめると、苦しい!とアランが顔を真っ赤にしながら抗議した。
「俺本気なんだからなっ」
「え〜マジで?」
「マジで!」
そう言うと、アランは顔を隠そうとにしがみついた。
余計に抱きついてきたアランに、はにへらと笑いながらかわいい〜〜〜と悦に入っていた。
周りの子供たちとリオンは呆れかえり、中でも年が上の方になる子供たちはもう逆に笑いだした。
「どおせ貰い手なんてないんだろっ。俺が大きくなったら、を嫁にもらう!」
「いい男になったらな」
「ちょうどいい話じゃないか。素直にもらってくださいと言っておけ。後が大変だぞ」
「リオン良いこと言うじゃんよ」
「どーせ俺は貰い手がねーよ!!」
ギャーギャーと騒ぎ出した3人を笑うだけ笑うと、ほらほらお開き、と中でも年長の方の女の子が皆に声をかけた。
「じゃ、またね」
「もう行っちゃうの?」
「どうよリオン?」
「・・・明日には出発になるだろうな」
リオンがそう答えると、子供たちは「そっか・・」と皆残念そうにうつむいた。
「まーまた会いに来るから!お前らも元気でな!」
「あったりまえだよ!こそ元気でね」
元気じゃないなんていないだろうけど、と誰かが言うと、全員が確かに!と大笑いした。
「絶対、ぜっったい約束だぞ、!俺男磨いてまってるからな!」
「まーたどこで覚えたんだそんなの」
「だからだって」
「あいたた〜」
「アホが・・・」
「じゃあね、!明日見送りいくからね!!」
「おう!じゃあな!」
「リオンもばいばーい!」
「・・・・ああ」
手を振る子供たちと、なんだかんだいって仲良くなったらしいアランに、ちょっと照れくさそうに、それでもリオンが挨拶をした。
それをが満足そうに見ていると、なんだ、とリオンが不機嫌そうに聞いてきた。
「照れ屋だなぁリオンはっ」
「煩い。とっとと帰るぞ」
夕飯くいっぱぐれる。というリオンの言葉に、は「あーー!!」と思い切り叫んだ。
リオンが耳を抑えて顔をしかめると、「家まで競争!」とが言い出した。
その勝負を、なぜかリオンは受けてしまった。受けたあとになって、リオンは自分で驚いていた。
そんなこともきにせずは競争を始め、二人はイレーヌの屋敷まで走って帰った。
すでに日は落ちた後だった。
続く
−−−−−−−−−−−−
長。内容薄。ていうかなんだこりゃ。
うーん最近スランプ?途中で何書いてるか分からなくなります(汗)
でもリオン笑わせられてよかったー!!やっぱ主人公の前でたまに笑うくらいの関係にはなってほしいッスよ!
にしても少年・・・・かわいかったな・・・・(自分で書いておいて)
告白されちゃったYO!てか可愛すぎだYO!
名前どうしようかずーっと迷ってたんですけど、決めるのも何かなと思いスクリプトGO!みたいな。
ていうか〜みたいな〜☆
・・・こんなノリ嫌だ!!
ちなみに私は「アランくん☆」と呼んでいます。(え?ハリポタ?か、関係ないですよ!)
えーただ今テスト二日前。妙なテンションで書いております。ていうかやめようよ自分。
・・・でも書きたいんだよ、俺!(なりきり)続きが早く書きたいっす〜〜。
つかここで時間とりすぎ。早く進もうぜ、自分。そこんとこどうよ俺。(10秒チャージ2時間キープ!)
てかマジ勘弁して下さいよ俺。(10秒チャージ2時間キープ!)
にしても10秒チャージはホントに無理ですよね。(だからなに)大会のときみんなでやってみました。
絶・対・無理!
そんなことどうでもよくて、ここらへんでやめておきます。長すぎ。
ここまでお付き合いいただいた方、ありがとうございます〜。