「待ってるだけってのも退屈だよな・・・」
「ほんと、暇ー・・・。暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇ひ」
「黙れやまびこ」
スタンとのだれながら暇を連発しだしたに、リオンが冷たくつっこんだ。
「でぃだらぼっちイェ〜イ」
「・・・・誰か、コレ止めるスイッチ知らない?」
「さあ?リオンなら知っているんじゃないのか?」
「・・・・イレーヌに聞け」
『一番手っ取り早そうだね』
両手を挙げてぐっと親指を突き出したに、スタン・マリー・リオン・シャルティエの順で流しに流した。
my way of living 17
〜寂し悲しき一人身男(自称モテ男)とノバウサギソング☆〜
「みんな冷たひ・・・・。フィリア〜〜〜!暇だっていってるだけなのに皆がいじめるっ!」
「い、いつもいじめるのはの方だろ?!」
というかこれはつっこみだ!と、フィリアに泣きついたにスタンが言った。
「相手のある事ですもの、こればかりは仕方ないですわ」
「呑気なことも言ってられるのも奴らが襲ってこない間だけだ」
そんな二人のやり取りを見ているのかいないのか、天然炸裂のフィリアは相変わらずエンジェル・スマイル(命名)でボケ流した。
リオンがフンッ、とふんぞり返りながら言葉を返した丁度そのとき、ばたーーんっと食堂の扉が開いて、ルーティが入ってきた。
「だあー、もう・・・交代よ交代っ!交代交代っ!」
むきーーー!と両手を上げて抗議してきたルーティを見て、騒がしいのが帰ってきたな・・・とリオンがため息をついた。
「うるさいわね!だいたい、見張りなんてもっと下っ端のにやらせなさいよ!ともかく、こんな退屈なこと、あたしはもうごめんだわ!誰か他の人間に代わりにやらせなさいよ!」
「仕方のない女だな・・・マリー、代わりに行け」
リオンの命令に、わかったと言うとマリーは素直に食堂を出て行った。
どこかの誰かとは違って・・・という目をしているリオンを無視して、ルーティはどかっと椅子に座った。
「あーあ、もう、早く襲ってくればいいのに!」
「でも、この船が襲われることを願っているなんて、何だか変な気分ですわ」
眉をひそめながらフィリアが言った。
「何言ってんのよ」
「俺も分かる気がするな…・」
「スタン!あんたまでバカなこと言わないでよ。わざと襲わせて、一網打尽にするのが作戦じゃない!」
そりゃ、そうだけど・・・としどろもどろ言うスタンとまだ息をまいているルーティを見て、リオンがふん、と鼻で笑った。
「案外、この作戦は失敗だっかもしれんな」
リオンの言葉に、スタンが「え?」と首をかしげ、ルーティが「どういう意味よ?」と聞き返した。
「敵もバカじゃないってことだ」
「罠だって気付いたかもしれないってことか?」
が続けて言うと、そんなところだとリオンが頷きため息をつきながら天井を仰ぎ見た。
マジで〜・・?と言うと、スタンも同じように天井を仰いだ。
しばらく全員でまどろんでいると(?)、マリーが楽しそうに笑いながら食堂へ入ってきた。
「どうした?」
「敵がきたぞ!」
「まぁってましたっ♪」
知らせに来たマリーと楽しそうに手を打つと、はさっさとマリーと二人で食堂をでていった。
「バカだったみたいね」
はんっ。と嘲るようにルーティが笑いながら言うと、リオンがフンッ、と鼻で笑い返した。
「皮肉のつもりか?」
「別に…・」
「ともかく、行こう!」
悔しそうにリオンを睨むルーティと嘲笑するリオンの間に入って、スタンが二人に声をかけた。
「敵が攻めてきたぞ!奴らの船の親玉を叩くんだ。そうすれば船を制御できる。頼んだぞ!」
「わかってるって船長さん☆」
「それよりこちらの方は頼んだぞ」
わかっている、と言う船長に適当に返事を返すと、リオンたちは一番近くまで来ていた船に乗り込んだ。
さすがに敵船だけあってモンスターたちはうようよしていた。
それを道ができる程度になぎ払いながら、リオンたちは進んでいった。
「これを投げつけるわけにはいかないしな…・」
「どあほうが…・・」
砲弾を見てそういったスタンにリオンがつっこんだ。
「一回やってみようか?ほら、向こうに見える敵船にさ・・・」
「あたるか馬鹿者。大体、そんなことをしたら周りからこの船が襲撃されるだろうが」
「なんだよー。言ってみただけだろー?スタンみたいに本気じゃないよ」
「スカタンみたいに本気じゃなくとも、お前が言うと冗談に聞こえないんだ」
「俺が本気でっていうのはもう前提なんだ・・・」
そうかそうか・・・いいんだもう・・・・といじけるスタンを、ルーティが蹴って渇を入れた。
大笑いしていたと含み笑い程度だったリオンは、それを見てルーティの前でだけはいじけるのはよそうと心に誓った。
同時にスタンに同情した。遊ぶだけ遊んでおいて・・・・。
「いざ、尋常に勝負!」
「どこの船もそうだったけど、やけに親切だよな、親玉」
「・・・そんなつっこみはどうでもいいからさっさと戦え痴呆娘!!」
「あはははははは」
リオンのつっこみには大爆笑だ。敵の親切なところが相当面白いらしい。
「よくよく見るとこいつら神官やん」
「え!?今頃気付いたの!?」
敵の振り下ろしてきた剣を受け止めながら言うに、スタンが思わずつっこんだ。
「うわー。スタンにつっこまれたよ。ディムロスどうする?」
『とりあえずボケるのをやめろ』
「ごめん、お前に聞いた俺が馬鹿だったよ・・・・。ディムロスじゃあなぁ〜」
『どういう意味だっ!』
ふぅ〜・・とがため息をつくと、ディムロスが怒ったように怒鳴った。(あたりまえ)
『正しいことしか言わないってんでしょ?のことだからもっと違う言葉がほしかったんじゃないのかなぁ?』
『いいえ、あのつっこみは正しかったわ。単にディムロスをいじめたいだけなんじゃないのかしら?』
『あ、そっか。さすがアトワイト』
とシャルティエとアトワイトが話していると、スタンとディムロスが遠くで沈んでいた。
なにをやっているんだ馬鹿どもが!とリオンにつっこまれると、とスタンはようやく戦いの方に集中しだした。
「次が最後だ。気を引き締めていけ!」
「おうよ〜!」
「・・・いまいち気が入らないわよね、その返事」
「じゃ合点承知?」
「いや、それもどうだろう?」
「じゃイエス・あいドゥー!」
「それはハイ分かりました、ですわ」
「じゃへいっ親ビン!」
「それじゃ単なる・・」
「いい加減にしろバカども」
船の中を走りながら話していたやスタンたちに、いい加減リオンがキレた。
あまりに怖かったのか、スタンとは「いぇーす・・」と言うと黙って先へと進んだ。
どうせ同じ造りだと高をくくって船の中を走っていたリオンたちだったが、今まで入った船のどことも違うということが、階段を下りた辺りで判明した。
もっと早く気付けよ。というつっこみが入りそうだが、本人たちはそれどころではなかった。
「くっそー。さっさと出てこいよボスーー!!」
「誰だよボスって!」
「缶コーヒーじゃないボスーー!敵ボスーーー!!」
「はぁ?缶コーヒー?」
いきなり叫びだしたに、スタンとルーティが困惑しながらつっこみをいれていた。
そのままギャーギャーと騒いでいると、リオンがイライラしながらつっこんできた。
「そんなにあいたければ無駄口叩いてないでさっさと走れ」
「走ってるだろー?無駄口叩いてないリオンよか俺の方が足は速いんだぞ!」
「・・・・・・」
「あー!急に走り出すとは卑怯な!待てーーー!!!」
「フンッ、のろま」
「だとコラーーーー!!!!」
「「「「・・・・・・・・」」」」
どぉぉぉぉりやぁぁぁぁあああああああああ!!!と、かけっこを始めてしまった二人を、残ったメンバーたちは呆れたり呆然としたりとそれぞれ反応しつつも見送った。
走るだけ走ると、書斎のような造りになっている部屋へたどりついた。
「なんだろこれ?」
「ワープ装置かなにかかな?」
「わーすごい!!のりたいー!!」
「はしゃぐな単細胞!」
スタンの言葉を聞いてどたばた騒ぎ出したを、リオンがそこらにあった本でズバンッとぶん殴った。(痛)
今度からハリセンが必要ね・・・・と真面目に言ったルーティの横で、スタンが「余計に俺が・・」と青くなっていた。
とにかく乗ろう、乗ってみよう、ということになると、が「俺一っ番ー!」ととめる間もなく突っ込んでいった。
「あのバカっ」
「あ、リオン!」
しゅんっ、という音とともに消えてしまったの後に、リオンがすぐさまつっこんでいった。
「俺たちも行こう!」
「さっさと行くわよ!」
スタンとルーティが同時に言うと、ハモったことも気にせず二人はワープ装置の中へつっこんでいった。
「ふ〜。ワープ成功☆」
「一人でつっこんでいくバカがあるかっ!」
「いて!!」
シュンッ。という音とともにどこか別の部屋に入ったは、自分のすぐ後にやってきたらしいリオンに後ろから思い切り殴られた。
ひ、酷いわ坊ちゃん!と二人でふざけて(実際ふざけているのは一人だが)いると、スタンたちがその後から現れた。
「先に行くなよ二人とも〜っ」
「あはは。ごめんごめん」
「フン・・・・」
「絶対反省してないわこいつら・・・・・!」
スタンが二人に怒ると、リオンはそっぽを向き、は笑いながら謝った。
そんな二人を見たルーティは上のように断言し、フィリアが苦笑いしながらその様子を見ていた。
ふと、フィリアが横を向くと、苦笑いが驚愕の表情へと変わった。
「バティスタ!」
「フィリアかっ!」
叫んだ名前の主は少し高い位置から返事をかえした。
帰ってきた返事で核心したのか、フィリアは驚きを隠せないようだ。
こいつは何者だ?というリオンの質問に、私と同僚だった司祭です、と青ざめたままフィリアが答えた。
「おまえが追ってくるとはな!大人しく石像になっていればよかったものを!」
「バティスタ、答えて!グレバムはどこなの!?」
嘲笑しながら言ったバティスタをキッと睨みながらフィリアが言ったが、バティスタは馬鹿にしたように笑うだけだった。
「さぁな、おまえが勝ったら教えてやるよ」
「うっわーむかつくー。おっさん、そんなじゃいつまでたっても女つかまんないよ」
「ほっとけ!」
「おっ、ノリは合格」
「なんの競技だ」
よくもフィリアに!とが嫌味(?)を言うと、バティスタが思い切り間もよく返してきた。
それに喜んでいると、今度はリオンが横からつっこんだ。
「残ってるのはこの船だけだ。降伏するのなら今のうちだぞ」
フンッとバティスタにまけずおとらず、いつものような嘲笑をリオンがすると、バティスタは大笑いして叫んだ。
「身の程知らずのガキどもが!きさまらなど、所詮は飛んで火に入る夏の虫よ!」
言うや否や、バティスタは目の前にいたたちに攻撃をしかけてきた。
以下、バティスタとの斬り合いの(会話の)様子である。
「でかっ!爪くらい切れよおっさん!!」
「あいにく市販のつめきりじゃ切れないほどするどいんでね!」
「前言撤回。おっさん意外とモテるでしょっ」
「今更俺の魅力に気付いたか?交際の申し込みならよしてくれよな。ガキは守備範囲外だ!」
「言い忘れてた。一部の人間にしかモテないってとこv自意識過剰は自己破綻の元ですわよ、おっさん。大体俺はもう少し周りの見えてる大人な人に傾いてるからあんたみたいなのはアウトオブ眼中〜☆」
「フンッ、青いな。これが案外受けるもんなんだぜ、女ってのにはなっ」
「尻が真っ赤な毛むくじゃらしかこねぇんじゃねえの?しかもオス含む。むなしい人生送るだけだぜ宗教関係者!」
「冗談。宗教なんて関係なくなったんだ。俺の人生これからだぜ。あまりのバラの多さに遠くから驚けチビガキ!」
「尻軽しかこねえのに気付けチキン野郎っ」
「ガキには理解できんかっ」
「ああ。あまりの思考回路の伝達の遅さで出てきた考えはなっ!」
「上等だ!」
「こっちこそ!!」
「・・・・・アホか!!」
「さん!そんなこと話している場合ではないですわ!!」
周りの敵を倒したリオンとフィリアは、あまりの会話の内容につっこみを入れた。
「なら加勢しろっつの!!デカイ爪使ってくるような卑怯者に一人で勝てるかーー!!」
「どっちがだ!お前なんて仲間がいるだろうが!」
「やっぱ一人身なんだ〜寂しいんだ〜〜!やーいやーい!!」
「だ〜〜〜〜!!!もうだまれお前!!!ぶっ殺す!!!」
「図星つかれて一人身がキレたーーーー!!!」
「自業自得だ!!!」
「バカッ!早くこっちへ来い!」
リオンが声をかけると、バティスタの右手の爪を剣で押さえていたが丁度きた左手の拳を横に飛んで避け、リオンたちの足元に転がり込んでザザッッとしゃがみ立ちをした。
それと同時にスタンとマリーとリオンが前へ行き、一気にバティスタに斬りかかった。
後ろからはルーティとフィリアが攻撃魔法を使って援護をし、勝負は一気についた。
「ちぃ、ぬかったわ!」
「ざーま」
「お前がいえたことか単細胞!」
「いって!」
ロープで縛り上げられたバティスタにが舌をだして馬鹿にしていると、リオンが後ろからシャルティエ入りの鞘で殴ってきた。
ぎゃーぎゃー騒ぐを無視して、フィリアは話を進めて言った。
「さぁ、約束です。グレバムはどこです!?」
「グレバム?誰だそりゃ?知らねぇなぁ?」
「なんだと!」
「うわっ、わざとらしっ!今時小学生でもやらねぇよ」
「うるせ!」
スタンが怒って身を乗り出した後にが思い切りつっこむと、バティスタは言い訳するように声を張り上げた。
なんだかんだいって恥ずかしかったらしい。
「そんな、約束が違います」
「お前も相変わらずアマちゃんだな。約束ってのは破るためにあるんだよ!」
「・・・」
苦々しげにフィリアが顔をゆがめていると、リオンが横から現れて嘲笑しながら言った。
「ふん、いい言葉を知ってるじゃないか。陸に戻ったら、ゆっくり尋問してやるからな。覚悟するんだな」
「ふん、ガキがいきがるなよ!」
「ふん、僕を甘く見ると痛い目にあうぞ」
とリオンが言ったのを最後に、バティスタはスタンに無理やり立ち上がらせられた。
「うわ〜嘲笑合戦だよ・・・」
「ああいう大人にはなりたくないわよねぇ〜」
「もう十分なってないか?」
「な、何言ってんのよマリー!」
「リオンもまだ若いのに・・」
「そういうあんたはいくつよ」
フィリアが不安そうに顔をゆがめ、スタンがバティスタを立たせていた後ろで、とルーティとマリーが小声で話していた。
「なにをしているんだ。とっとと帰るぞ!」
「へーい」
先程の話を思い出してか、とルーティはくすくす笑いながら後ろを歩いた。
「リオン君!!」
ノイシュタットについたとたん、イレーヌが出迎えてくれた。
「どうだイレーヌ。こいつが海賊の親玉だ」
「一人身なんだって」
「違うっつの!」
「なんだよ本当だろー?どくしーん」
「テメェ・・・手がだせないのをいいことに・・・・」
横からが口をだすとバティスタが即行につっこんだ。
「みんなもよくがんばってくれたわね。なんてお礼を言ったらいいのかわからないわ」
とてもうれしそうに言ったイレーヌにそんな・・・とスタンが照れ、そんなスタンをルーティがじと目で見た。
「イレーヌ、お前の家の部屋を一つ借りるぞ」
「別にいいけど、何をするつもりなの?」
「こいつの尋問だ。色々とはいてもらわないとな。僕は先にイレーヌの屋敷に行っているから。寄り道しないで来るんだ!」
「はいはい・・・」
「スタンくん、わかりまちたかー?」
「子供扱いするなっ!」
ていうかの方が子供だろ?!とスタンとが騒いでいると、リオンはバティスタをひっぱってさっさと歩き出した。
「あ、待てよリオンー!」
あわててリオンの後を追いかけたの後をイレーヌがくすくす笑いながら歩き、さらにその後をスタンたちが騒ぎながら歩いた。
「言っとくが、何をしたって無駄だぜ。なにしろ、俺は何も知らないんだからな」
イレーヌの家についてすぐ、リオンたちは2階の一室に入った。
あいかわらずバティスタは余裕の笑みをうかべている。
「本当に知らないかどうかはじきにわかる。マリー、こっちに来い」
「リオン、なんだ?」
「動くなよ・・・」
というと、リオンはそ・・・っとマリーのティアラを取り外した。
「綺麗な飾り、取るのか、リオン」
「マリーさん気にいってたのにね。新しいの買ってあげなきゃリオン」
「新しいのくれるのか?」
「・・・・・」
天然と痴呆の二重奏にはさまれ、リオンはもの凄く嫌そうな顔をした後疲れたようにため息を吐いた。
「ちょっと、なんでマリーだけ外すのよ!あたしのも外しなさいよ!」
あー!と、ルーティが叫んで言った。
「一つで十分だ。それにおまえらにはつけておかないと、何をしでかすかわからんからな」
めんどくさそうにため息をつきながらリオンが言うと、ルーティが更に怒って噛み付いてきた。
「あたしがいつ、なにをしたってのよ!」
「尋問の邪魔だ。街でも見物してこい!」
「なによ、このクソガキ…・きゃあ!」
「いいから黙っていろ」
電撃をくらって倒れているルーティを冷たく見下ろすと、リオンはバティスタに向き直った。
「何をつけやがった!」
「あのバカ女と同じ物だ」
「まったく、なんだってのよ!付き合いきれないわよ!」
がばっと起き上がると、ルーティはドアの方へどすどす音を立てながら歩いていった。
ど、どこいくんだよ!とスタンが慌てた様子で聞くと、部屋で寝てるわよ!と八つ当たりのように怒鳴った。
「何か吐いたら起こしなさいよ!ほら、マリーもそんなのに付き合ってないの」
「わかった」
ちょっと・・・と、唖然としているスタンを無視して、ルーティたちはさっさと部屋を出て行った。
二人がいなくなったところで、今度はフィリアがスタンさんはどうするのですか?と質問した。
「さぁ、どうしようか・・・」
「あら、スタン君、暇なの?」
「えっ?暇っていえば暇ですけど・・・・」
急に話をふられてしどろもどろしていたスタンを見て、イレーヌが悪戯っぽく笑って言った。
「もしよかったら私とデートしない?」
「でっ、でででで、でーとぉ!?そ、そんな・・・」
デートと聞いて慌てだしたスタンを見て、イレーヌは可笑しそうに笑った。
「赤くなっちゃって、かわいい。冗談よ、冗談」
「え、え?」
「デートは冗談だけど街を案内してあげるわ。・・・それとも、おねえさんとじゃ嫌?」
かわいらしく小首をまげてスタンに聞くイレーヌを見て、とリオンが「でた!必殺お姉さん攻撃!」「いい年こいて・・・」と小声で言い合っていた。
「そ、そんな、と、とんでもない。よっ、よろこんでっ!」
「そう、よかった。じゃあ、いきましょ」
にっこり笑ったイレーヌに笑い返した後、スタンが「フィリアも一緒にどう?」とフィリアにも誘いかけてきた。
「私は・・・ここにいます。気になるんです」
少しうつむいてから、しっかりとした目でフィリアが言った。
あんまり気に病まないほうがいいよ、というスタンの言葉に、フィリアは笑いながら「はい、ありがとうございます。でも大丈夫です」と答えた。
「じゃあ、フィリア、いってくるよ」
「ええ、楽しんでらしてね」
「スタン!」
「なに?」
「・・・いいからちょっとこい」
とリオンが手を振りながらスタンを「来い来い!」と呼び出した。
なんだよ?といいながら二人に近寄っていくと、とリオンがスタンの肩をがっとつかんで引き寄せ、小声で同時に言った。
「「気をつけろよ」」
「は?な、なんだよそれ??」
「達者でな・・スタン・・・」
「とりあえずお前のアホさ加減は忘れない」
別れを告げる友のように二人が目を伏せていった。スタンはわけがわからず首を傾げるばかりだ。
「え?な、なんのことだよ???」
「「がんばれ」」
「ええ??!」
何?!ねえ何なんだよ?!!というスタンを「そーれぃ」とがイレーヌの方へ押し、多くの謎を抱えながらスタンは扉の向こうへ消えていった。
「・・・・行ってしまわれた・・・」
「誰の真似だ誰の」
「にしても大変だなぁ。ま、イレーヌさんと俺に挟まれてるよかまだマシだろうけど」
確かに。とリオンが言ったところで、隣の部屋からゴトッと物音がした。
「・・・・そうじゃなくても大変そうだね」
「・・・あれまでは僕でも手に負えない」
「・・・もてる男はつらいねぇ・・・・」
「どうでもいいことは放っておいて、さっさと尋問を始めるぞ」
「うわ!スタン可哀想!」
それまで同情するかのようにふぅ〜・・・と肩を竦めていたリオンが急に仕事の方へ向き返ると、がめずらしくつっこみの方へ回った。
最初のうちは「話せ」「嫌だね」の一点張りだったのだが、短気なリオンが5秒後にキレ(早っ)、バティスタはさっそく電撃を浴びていた。
「お前って尋問向いてないよな」
「黙れ」
「そうですわね・・。私も尋問は始めてですけど、普通はもう少し・・」
「聞けたらそれでいいんだ」
フンッ、と鼻で笑いながら堂々言ったリオンに、がフィリアと小声で話し出した。
「・・・どうするよフィリア?屁理屈こいてきたぜ?」
「まぁ、屁理屈はいけませんわ」
「天然を使って遊ぶな!」
ズバッとつっこんだリオンとのやり取りを見て、バティスタが噴出した。(汚)
そのまま何十分か尋問が続けられていたのだが、バティスタは一向に口を割ろうとはしない。
「チッ。強情なやつだ」
「ならノバに行けば?」
「・・・は?」
名案!とばかりに言ったに、リオンは「アホじゃねえの?」といわんばかりな声で聞き返した。
「知らない?いっぱい聞けて♪いっぱい話せる♪ノバだけ☆」
「・・・・さあ。私聞いたことがありませんわ」
「え〜〜。皆知らないの〜?大きな耳は♪いっぱい聞くため♪黄色いくちばしは♪いっぱい話すため♪うさぎは走るため♪ウサギ道を走るため♪ノバウサギ♪いつもウサギ♪ノバウサギ♪何故かウサギ♪さー行くぜ☆」
「そんな不届きなウサギ知るか」
リオンがつっこみを入れるとえ〜〜〜と不満そうにしたのだが、はその後も楽しそうに「ビルの上では♪踊ってる☆ビルの下では♪怒ってる☆」と一人で歌っていた。
「−−−−−−うるさい痴呆娘!黙っていられないのなら風呂にでも入ってこい!」
「なんだよ、ノバウサギを馬鹿にするなよな。パラシュートまでしちゃったんだぞ!」
「それはすごいウサギさんですわ!」
「だろ☆」
でもなんでビルの下では怒ってるんだろう・・?というにフィリアがさあ・・・?と一緒になって首をかしげ、リオンはそんな二人を見てため息をついた。
続く
−−−−−−−−−−−
いっぱい聞けて♪いっぱい話せる♪(アホか)
・・・リオン大変そうですね。つっこみが一人しかいない・・・(スタンはもとよりあてにされてなさそう)
ていうかイレーヌさんとスタンのデート、なんで気をつけるんだ?
いや、あの二人のお茶めなんですけどね(笑)性質悪いなぁ「気をつけろよ」なんて・・・。
リオンももっと遊ばせなきゃなぁ。坊ちゃんすっかりつっこみなれてしまって・・・。
最近フィリアもやっと顔を出すようになりました。(コラ)
もっとフィリアとの話も出したいのにーーー!!精進。渇!(謎)
ちなみに「・・・行ってしまわれた・・・・」は某谷のナウシカというジブリの某キャラが言っていた言葉☆(どうでもよし)
ここまでお付き合いいただいた方、ありがとうございます。
大会後で死に掛けのころの長谷川でした。