街の真ん中に位置するカルビオラの神殿。
リオンたちは中に入り、入り口付近にいた神官たちに話を聞いていた。
「いや、大司祭様なんかきてないですな」
「そうですか・・・わかりました。行きましょう」









my way of living 13
〜作戦前の決戦?つっこみ無しチームVSがきんちょチーム〜











「怪しいですわ」
「えっ?」
外にでてすぐ、眉根をひそめてフィリアが言った。
「私はグレバムとしか言っていません。なのに、あの男はグレバムが大司祭であることを知っていましたもの」
「大司祭の名前くらい知っててもおかしくないんじゃないの?」
ルーティが不思議そうに聞き返すと、リオンが横からつっこんだ。
「まったく、無知な女だな。大司教や司教じゃないんだ。他の神殿の連中が、たかだか大司祭の名前なんか知っているものか」
「なによ」
「リオンさんもおっしゃるとおりですわ。つまり、グレバムとなんらかのつながりがあるということですわ」
「だったら、あいつらを問い詰めれば・・・」
スタンが思いついた提案は、リオンにより「無駄だな。所詮、やつらはザコにすぎん」とあえなく却下された。
「じゃあ、あいつらを人質にしつつも強行突破!」
「フィリア一人入れて確かめさせるわけにもいかないな。さてどうしたものか・・・・」
あきらかにシカトとわかるリオンの態度に、は後ろの方で膝をついて涙を流した。
そんなを同じく即答で却下されたスタンが元気付け、久々に再会した友人同士がするように二人は肩をバンッッバン叩きながら抱き合った。
そんな二人をさらに無視して、それじゃあ、と今度はルーティが案をだした。
「夜中に忍び込んでみるってのはどうかしら?」
「そうですわね。では、私は神殿にとめさせていただきますわ。夜中になったら裏口の鍵をこっそり開けておきますから」
いいのかよ。というような意見だったが、今の状況ではやむなかった。
「そうしてくれ」
「じゃあ、宿に泊まって夜になるのをまとう」
いつの間にかスタンが立ち直っていた。
「フィリア、頼んだわよ」
「はい。クレメンテも一緒ですから、大丈夫ですわ」
『心配無用じゃわい』
自信気にいうクレメンテににっこり笑うと、では、行ってまいりますわ。と言い、フィリアは神殿へと入っていった。
「こっちは宿屋で待機だ」
「トッシューのとこ行ってきてもいい?」
全員に指示を出してすぐ、がリオンに尋ねた。
「・・・貴様はなにを聞いていたんだ。宿屋で待機だ。大体任務中だというのに・・・・」
「どーせ夜までなんもないじゃんよ。大体キサマっていう言葉は漢字で「貴様」と書いてだね、「あなた様」と言っているのだよドゥゆぅあんだすたん?」
「・・・・言葉を喋れ原始人」
「アウストラルピテクスじゃなくてよかったよ」
「会話になっとらんぞアウストラロピテクス」
「ジャワ原人並に頭固い所為じゃない?どんくらい硬いか知らねぇけど」
ガキィッッ!と、街中なのにド派手に剣を合わせるとリオン。
数分間、仲間たちが見守る中(誰か止めようよ)二人の奮闘は続いた。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・。夜には帰って来い」
「やたー!リオン大好きー!」
現金な。
・・・しばらく沈黙が続き、回りのメンバーたちがさらに見守る(見捨てる)中、最終的にリオンが折れた。
なんかお母さんみたいだな・・・と小さな声でスタンとルーティがくすくす笑っていたが、幸か不幸か(幸だろう)リオンには聞こえていなかった。
大喜びのはリオンに抱きつく勢いだったが、そこら辺はリオンが警戒態勢に入っていたので行われることはなかった。
今水面下で戦いが繰り広げられていることを、他のメンバーは知らない。
「なんか最近子供っぽくない?」
「元からだろう」
リオンがぼそりとつぶやく。
「あー。退化してるねぇ。ま、いつか直るからほっときゃいいって!それより皆も遊びに行く?」
「んーそうねぇ・・・宿屋に行っても暑さはかわらなそうだし」
「接客どころか白い目で見られそうだよな。ここの国の人たち、俺たちには冷たいから・・・・・」
ルーティとスタンが言うと、マリーともありうる・・・・と同意した。
「私はいいぞ」
「じゃ皆で行こう!」
「そうね、行きましょっか♪」
すぐさま決定してしまったこれからの予定内容を聞いて、リオンは「呑気なやつらだ・・・」とため息をついた。
「リオン行くよ〜♪」
「僕は行かない。お前らだけで行って来い」
「なーに連れないこといってんだよ。ほらっ、行くぞっ」
「なっ!はなせっ!」
ほらほら行くぞ〜っと、が抵抗するリオンを無理やりにひっぱって歩きだす。
ルーティも一緒になって引っ張り、スタンまでもがリオンの背中を押し始めた。おそらくいつもの仕返しなのだろう。
両手を拘束され、背中まで押され抵抗のできなくなったリオンは、ため息をつくととうとう抵抗を諦めた。







「きゃははははっ」
「トッシューこっちこっち!」
「くっそー。でやぁあ!!」
「うわぁ!」
「なぁーにやってんのよスタン!」
武器屋にいたトッシューのもとへと行った5人は、「もう来たのかよ!?」と驚くトッシューを引っ張って外で遊びだした。
「よっしゃ!やったぜトッシュー☆」
「やった!って抱きつくなー!」
ちょうど6人ということで、(あるかどうか知らないけど)3対3でサッカーもどきをすることになった。
チームはルーティ・マリー・スタン(つっこみ0・天然ボケ+3)の3人と、トッシュー・リオン・(ガキ2・毒舌(保護者)+1)の3人で分かれた。
トッシューがダンボールで作ったゴールにシュートを決め、に抱きつかれたところだった。
そのとき後ろで、ゴールを守っていたスタンがマリーとルーティに(特にルーティに)ちょっぴりシメられていた。
「さあ!今度はこっちが点をいただくわよ!!」
「しっかり守れよガキ。あれはよしとしてマリーは要注意だ」
「僕はトッシューだ!」
「私はよしとしてってどういう意味よ!」
最初のうち動いていなかったリオンだったが、ルーティに「実はド下手なんでしょ?」等々馬鹿にされ、今ではすっかり参加していた。
馬鹿にされた仕返しとばかりにルーティを「あれ」呼ばわりしたリオンに、ガキよばわりされたトッシューまでもが叫んだ。
「そのままの意味だ」
「きぃ〜〜〜!!むかつくガキね!!」
「ルーティ、始めないのか?」
「あ〜もー行くわよマリー、馬鹿スタン!」
「ば、馬鹿はないだろっ?!」
スタンが抗議したが、ルーティはそのままボールを蹴って試合を始めてしまった。
ど真ん中を走ってきたルーティの前にがマークをしにくる。
「あっ!抜かれた!」
「ほほほっ。思い知ったか!」
「甘いな」
高笑いをしているルーティから、リオンがひょいとボールを取りあげる。
勢いあまったルーティはそのまま前につんのめって転んでしまった。
「キャーッ!」
スタンが「ルーティ!」と叫び心配したが、ルーティの「今度抜かれたらアンタの持ちがね全部もらうからねっ!」という一言で前につめよってきたリオンたちに向き直った。
「くっそー抜かれるかよ!てぇやあっ!!」
スタン選手、お〜きく振りかぶって〜・・・・
「フン、未熟者が」
「リオンないすパース☆おーし次々っ!ほらトッシュー!」
抜かれた。
「おっけー。てーぃ!」
ぼす。
「「やったー!」」
「ふん・・・」
またも一点を入れたトッシューが、近くまで走ってきていたリオンとのところへ駆け寄り抱きついた。
飛び跳ねるとトッシューに、まんざらでもなさそうな顔をしたリオンが手をつかまれて、3人は小さな輪になっていた。
「またやられたじゃないのよ〜〜〜!!ちょっとスタン!あんたなにやってんのよ!」
「ええ!?だ、だってさ・・・」
「自分の力量も分からないで一人つっこんできたのはどこのどいつだ。サッカーはチームプレーだ」
ニヤリと笑いながらそういいのけたリオン。ルーティは痛いところを疲れて思わず息詰まった。
「うっ・・・・うっさーい!使えないスタンはほっといてマリー、行くわよ!」
「酷い・・・」
「それはそれとして、アンタの持ち金は全ていただくわよ」

鬼だ・・・・・・。

までもがそう思った。
スタンはもう泣いていた。
「ていうかリオン、チームプレーなんてできたんだ」
パスなんて一番しなさそう・・・・と失礼でもっともなことを言うに、リオンはふん、と鼻で笑ってみせた。
「僕がお前らにあわせてやってるだけのことだ。案ずるな」
「へいへい。素直じゃないなぁもう」
『僕もさっかーしてみたいな・・・・』
「俺もシャルとサッカーやりたーーーい!」
「誰と話してるの?」
「愛人」
「・・・馬鹿が・・・」
てってっと走りながら、二人は憎まれ口をたたきあった。
途中、しょぼくれているスタンを、は低血圧同盟(朝弱い同盟)のよしみで元気付けた。
「よーし、行くわよ!!」
「行けトッシュー!錯乱攻撃!」
「そんな技知らないよ!」
とにかくつっこんでいったトッシューがボールまで届く前に、ルーティはマリーにパスをだした。
「マリー!」
「よし、行くぞ」
「させるかっ!」
ボールを受け取ったマリーをがマークした。
両方ともにらみ合っていたが、突然、マリーは横にボールを蹴った。スタンだ。
「マリーさんナイスパス!よーし、俺だって・・・・」
「誰がいかせるか」
「スタン!」
「ルーティ!パス!」
「くっ・・・・・!」
スタンにリオンがついたが、後ろから走ってきていたルーティが上手い具合にスタンからパスを受け取り、初のゴールを決めた。
「ゴール♪」
「わちゃ〜、やられた〜」
「サッカーはチームプレイ、でしょう?」
「・・・・チッ」
リオンは舌打ちするとすぐにボールを真ん中へもっていった。
「さっさと続きをするぞ」
「わお。いつになく真剣☆」
『坊ちゃん負けず嫌いだからね』
「煩い」
もとの位置に全員が戻ったところで、リオンがボールを蹴った。
ルーティをさっさと抜くと、マリーが横から来たためトッシューにパスをだした。
「これ以上が気に点数いれさせてなるもんですかっ!きなさいちびっ子!!」
フリーだと思っていたのだが、リオンに抜かれた位置から一気にトッシューの前までルーティがつっぱしてきていた。(凄)
「どけよおばさん!」
「お、おばさんですってぇえ!?」
怒りに我を忘れたルーティはトッシューに飛び掛ろうとしたが、その隙をついてトッシューがにパスをだした。
「ああ!しまった!!」
「なにやってるんだよ!」
「よっしゃきめたる!ったわ!?」
「ボールはもらったぞ」
「マリーv!」
「マリーさん!」
さらりとボールをとったマリーは、自分たちのゴールの方へとボールを運び出した。が・・・・。
「させるか!」
「!!」
「ナイス坊ちゃん!」
まだ後ろに残っていたリオンにボールを取られてしまい、前線に上がっていこうと走っていたルーティとスタンの二人がリオンの少し前でちょうど足をとめた。
はリオンと並んでしまっていたため、パスをだしても効果は望めそうにない。
「行け、トッシュー!」
「おっけー!とりゃー!」
ばす。
「「やったーー!!」」
シュートを決めると、とトッシューが喜んでまっさきにリオンのところへ走ってきた。
「ナイスパス!」
「僕、はっととりっく決めたよ!」
「よっしゃ寄せ書きだっ!」
「それプレミアリーグ・・・」
「何故知っているトッシュー」
笛!の影響で俺も知ったのに・・・・・っていうかここあるのかよ、プレミアリーグ。というのつっこみには、都合上誰も答えなかった。
「リオン兄ちゃん、さっき始めて僕の名前呼んだ!」
「あれは・・・勢いで言っただけだ」
「またまたぁ〜。トッシュー、こいつ照れてるだけだぜ。すっごい可愛い性格してるんだっ」
「へーぇっ」
「な、なにを言ってるんだ単細胞!」
そのままトッシューも交えて騒ぎ出す二人を、ルーティたちは座りながら眺めた。
「なーんであいつら、あんなに元気なんだ〜?」
「悔しいーーーー!!!」
その後ハットトリックをきめたトッシューのボールに本当に全員で寄せ書きをすると、5人は宿へと足を進めた。






「あー気持ちよかった!さっぱりーーー☆」
「よくこの状況でのんびりできるね・・・・」
「え?なんでさ?」
「そいつに常識を説いてもしょうがないぞ・・・」
今この部屋にいるのは3人。スタン、リオン、・・・・・そしてなぜか
もともと客もそうこないカルビオラでは、宿はそんなに大きくはなかった。
そして偶然空いている部屋が、3人部屋が二つ、という最悪な状況におちった。
何故最悪なのか、というと・・・・フィリアもいるからだ。
女子3人組みを集めればいいといったルーティに、「じゃあフィリアは?」とめずらしくスタンがつっこみ、結局考えた末このような部屋わりになったのだった。
遊ぶだけ遊んできた全員は、順番に部屋についたバスルームを使っていた。
スタンがレディーファーストで、と一番に入るのをに進めたが、一番入るのが長いは自分から最後がいい!と言い、今にいたる。
「数人で同じ部屋ってさ、なんか楽しいね!」
「そうかもね。旅行に来てるみたいだ」
ベッドに寝転がりながら楽しそうにスタンと話す
二人を見て、リオンは「呑気な奴らだ・・」とため息をついた。
「おもいっきし動いてすっきりした!」
「そのまま寝るなよ」
「寝ないよー。多分」
「髪くらい乾かせ」
「俺自然乾燥派なの。ドライヤーだとすぐ傷つくんだ」
「・・・・・・」
二人の会話を聞いて、スタンは親子・・・・?と本気で考えた。
リオンは風呂に入ると、さっさと本を読んでいた。今の言葉はすべて本を読みながらの言葉である。
リオンに相手をしてもらえなくなると、残った二人はのベッドの上に寝転がって話し始めた。
そのうちルーティたともやってきて部屋がにぎやかになりリオンがキレかけていたが、・・・・・結局キレた。
ルーティと口喧嘩を始めるリオンを見て、いつもより反応が素直(といっても怒ってばかりだが)だと、シャルティエとは喜んだ。
止めるスタンとはやし立てるの言葉にときどきつっこみつつ、二人の戦いは長々と続いた。
やっとほとぼりがさめたころ夕食ができ、食事を済ませた後各自準備を始めた。
午前0時。
作戦は開始された。







続く
−−−−−−−−−−−
びっみょーぅ・・・・・(痛)
ていうかトッシューと遊ぶなんてこと、ゲームじゃありえません。
なにより任務中だというのに遊ぶのを許したリオンもありえません。
そして一番の問題は、はたしてあの世界にサッカーはあるのか・・・・!!!!(あってもプレミアリーグはないだろう)
大事な話を聞かないのは主人公のいつもの行動でしたが・・・・・。省略しすぎ?
そろそろめんどくさくてたんにそういうことにしてるってことがバレるころだろうか・・・・・!(コラ)
むしろもろバレですね。
さーあフィリアさんに懺悔するためにも!さっさと作戦書き上げるぞーーー!!(フィリアだけ仕事して皆は遊んでるんだもんなぁ)

14から先、下書き書いていないということが最近判明。

・・・・今日もいい天気だ!(もう夜)
ではでは、寒い一人つっこみも含めお付き合いいただいた方、ありがとうございました。