朝。朝食をとった後、いつものようにコントを始めたシャルティエを入れた3人を見て、ふとルーティが言った。

「あんたたちってさー、なんか兄弟みたいね」
「・・・・・・・・・・・は?」
「・・・・・・・・・・」









my way of living 12
〜パパとの再会とかわいいあんちくしょうとの出会い〜









もの凄く嫌そうに顔をしかめたリオン。
は言葉をまだ理解していないようだ。
「そうですわね、お二人とも容姿もよく似てらっしゃいますし・・・ルーティさんとも似てらっしゃいますわね」
「げッ。よしてよ・・」
「あと息のあったコントするし」
「コントなどしてはいないっ」
フィリアとスタンも同意し、ルーティはそんな二人にそうよねー?と言った。
「仲もいいしな」
「・・・これがよく見えるのか?」
「見えるから言ってんでしょ」
未だに顔をしかめながら言うリオンに、ルーティが即答で答えた。
そこまできてようやく言葉を理解したが、「おお!」といい手をぽんっとたたいた。
「リオンと俺は兄弟じゃないよ〜。生みの親違うもん」
「いや、あのね、・・・」
あっはっはっと笑いながら呑気に言いのけた少女に、ルーティは苦笑いしながらもう一度言い返したが、首を傾げるだけで効果はなかった。
「・・・・そいつは朝なにも考えられないんだ」
「うわー・・・低血圧といえどやな症状ね・・・・」
現在の時刻は8時。のんびりと7時半に起きたの脳はまだ活動を開始してはいなかった。
この症状のため、ヒューゴ邸では毎朝コーヒーが出されていたりした。
「へ〜。も朝弱いの?」
「うーん。・・・・・ん?そうなのリオン?」
「知るか」
それを言ってる時点で弱いんじゃないのか?というマリーのつっこみで「ああ!」と自覚したは、スタンに弱いんだって、とそのまま伝えた。
「俺も朝弱いんだ」
「じゃあ朝弱い同盟だね」
「同盟だね」
ご飯を食べて眠くなったのか、二人は机にあごをつきながら眠たそうな目をして「あははは〜」と笑っていた。
それを見たリオンが「まぬけ」とボソリと言うと、低血圧同盟(謎)は声を合わせて「何!?」と起き上がり、その後のいざこざですっかり目を覚ました。








「ついた〜!」
船をおりたが大きく伸びをしながら叫んだ。
煩い、とリオンに睨まれ、ふてくされながらも興味津々な様子で周りを見回していた。
「街の中にバルック基金のオフィスがある。ヤツはそこにいるはずだ」
「バルックさんがいるの!!?」
「煩い!大声をだすな!」
あまりの暑さにいつも以上に短気になっているリオンが、思わず叫んだに怒った。
は怒らなくてもいいだろ〜とまたふてくされたが、バルックが居ると言ったはずだというリオンの不機嫌そうな言葉で一気に機嫌が回復した。
、知り合いなのか?」
「うん!俺に剣を教えてくれたんだっ。リオンのところに行く前はノイシュタットで1ヶ月お世話になったの」
スタンの質問に嬉しそうに答えると、「俺の第二の父」と爆弾発言をし、スタンたちを笑わせた。
あまりの嬉しさにスキップをして歩いていたところ、リオンにどつかれ渋々普通に歩いた。




「バルックは奥の部屋だ。ついてこい」
白い四面体の建物に入ると、リオンを先頭に階段を下りた。
「やった〜!バルックさんに会える♪バルックさん♪バルックさん♪」
「近くを歩かれると恥ずかしいからやめてくれ」
「酷っ」
階段をおりてすぐ、スタンがリオンにバルックってどういう人?と問いかけた。
何を聞いていたんだお前は、と呆れるリオンに、スタンがいじけたようにオベロン社カルバレイス方面責任者ってのは聞いてたけどさ・・と言った。
「なら、何なんだ?」
「バルック基金って、なんなのかなって・・・」
しどろもどろ言ったスタンの言葉に、リオンは心底呆れたようにため息をつき前髪をかきあげた。
「聞いてどうする」
「別にどうもしないけどさ・・・・聞いたっていいじゃないか」
「無駄な説明しているほど暇じゃないんだ」
「・・・・・」
「暇だ暇じゃないの問題より俺は早くあいたーーーい!!」
「煩く騒ぐとここから追い出すぞ」
「・・・・・」
ぱっと両手で口を押さえたに、リオンは疲れたようにため息をついた。
後ろでは、ルーティがスタンにバルック基金についての説明をしていた。
「・・・・ざいだんほうじんてなんだ?」
「――で、―――で・・・わかった?」
「やっぱりよくわかんないや・・・・」
「・・・スタンは営業とかできなさそうだね」
バルック基金のあと、「ざいだんほうじん」についての説明をしたルーティだったが、スタンには理解できなかったようだ。
だから無駄だといったんだ。行くぞ。というリオンの言葉で、は目を輝かせた。
スタンたちの後ろで本棚を除きこんで、なにやら焦っていたマリーもこちらに歩き出した。
「ごめん、ルーティ・・・」
「しょうがないじゃない、田舎者なんだからさ」
にっこり笑いながらスタンに言うと、ルーティもスタスタ歩いていった。
「きっついお言葉・・・・」
「スタンさん、気になさらないでください」
「うん・・・・」
「神は田舎者にも等しく慈悲をお与えくださいます」
まったく悪意のない顔で言われ、スタンはよけいに脱力した。
「フィリア・・・・頼むから追い討ちをかけないでくれ・・・・」
「も、申しわけありません」
「ああっ、別にフィリアを攻めてるわけじゃないからきにしないでくれよ」
慌ててフォローしたスタンに、フィリアはそうですか、と胸をなでおろした。
そんな二人の少し手前では、今までの会話を全て聞いていたが笑いを堪えてしゃがみこんでいた。
「ぷははははは!フィリア最高!スタン最高!」
「あ〜!!笑うなよ!」
「あははははっっ!ご、ごめん。でも、プッ・・・・・・・・・」
「全然謝ってないじゃないかーーっっ」
「いや、だってさー・・・くくっ。フィ、フィリア、今度一緒にコントでもしよう」
「コント?リオンさんとやっているアレですか?」
「そーそれ!」
私でよければ喜んで。という天然フィリアを笑うだけ笑うと、スタンの肩にぽんと手を置きながら「すまんな田舎者」と言った。
怒ったスタンから笑いながら逃げていると、本格的にキレたリオンにピコハンをくらわされた。
うち、二つはよけた。
・・・・よけた二つは全てスタンにあたった。(器用な)
「いてて・・・」
「・・・・・・馬鹿は頑丈、っていう言葉、知ってる?」
「・・・・・・今ここでそれが証明されたな」
頭をさするだけのスタンを見て、馬鹿は頑丈説は本当だったということが判明した。(酷っ)




「リオンよく来てくれた。半年振りになるか。それにしても今日は随分と大所帯だな」
と言うと、バルックはぐるりと全員を見回した。
「気にするほどの連中じゃない」
「そんな言い方ってあるかよ!」
つっこみを入れるかのように言ったスタンに、「ふんっ、お世辞を言ってどうなるものでもない」とリオンがそっぽを向きながら答えた。
そんな二人のやりとりに、バルックが苦笑いした。
「いや失礼した。相当腕の立つ御仁とお見受けする。私はバルック・ソングラム。オベロン社カルバレイス方面支部長などという、身に余る職務を拝命している。まぁ、以後よろしく」
「スタン・エルロンです。こちらこそ、よろしくお願いします」
「ほう・・・まだ若いのに、いい眼をしている。荒削りだが、今後が楽しみというところだな」
握手を交わした後、バルックがスタンの目を覗き込んだ。照れて少し顔を赤くするスタンに、リオンがバルック、そのくらいにしてくれ。のぼせあがるだけだとまた嫌味を言い、スタンがのぼせてなんか・・・・と口を尖らせた。
「ハハハハ・・・・なかなか、リオンに認められているようですな」
「えぇ〜?どういうことですか?」
「実力的に対等と認めればこそ、言い方もきつくなる、というところだな。なあ、リオン」
面白そうに笑いながらリオンの方を見ると、リオンがふうとため息をつきながら冗談もたいがいにしてくれ、と言った。
それを聞いたルーティがやっぱり腹立つわね!とリオンに噛み付いた。
大体の人間がそちらで話をしているころ、はマリーと本棚を見ていた。
「これは・・・」
マリーが手に取ったのは料理の本だった。
「どうしたのマリーさん?この料理って・・・・ファンダリアってとこの料理みたいだね。マリーさんてファンダリアってとこの出身なの?」
「分からない。私には記憶がないんだ」
「え!?そうなの!?」
初めて聞いたーと目を輝かせるに、マリーはそうだったか?と首をかしげた。
「でもこの料理・・・・見覚えがある」
「キーワードかもね!・・・・それよりこの料理って旨い?」
「ああ、確か旨いはずだぞ」
うわ〜食ってみてえ!とはしゃぎだしたを見て、マリーも楽しそうに笑った。
そんな二人の横では。
「頼んだぞ」
「ああ、そうだ・・・そこの箱に入ってるものを持っていくといい。きっと役にたつと思う」
どうやら話が終わったらしいことが、リオンとバルックの会話でわかった。
とたん。
「バルックさーーーーーーーん!!!!」
!!?」
バルックにいきなり飛びついたに、スタンたちまでもが驚いた。
「どうしたんだ?なんでここに?」
「俺リオンの仕事手伝うためにヒューゴさんとこいったんだよ?聞いてなかったの?」
「あ〜・・・そういえばそんなことも言っていたな・・・・」
バルックさんもうボケ始まったの?と言うに、バルックがこの〜っと頭をわしゃわしゃかき回した。
「まったく、相変わらずだな」
「あははっ。そう簡単に変わらないって」
「まぁ、元気そうでよかったよ。おっと、に元気がないなんて天変地異の前触れか?」
「この世の終わりだな」
「なわけあるかーーー!!」
にやりと笑いながら話に入ってきたリオンと天変地異説をだしたバルックに向かって、が叫んだ。
その後いじけたをバルックがなだめ、その様子を見ていたスタンたちは「珍獣使い」だとか「さすがになだめなれてるわね・・」だとか、好き放題言っていた。
「リオンとも上手くやっているようだし、安心したよ」
「うん!ヒューゴさんもリオンもシャルもマリアンさんもイレーヌパパさんもみんないい人だよ」
イレーヌの父親にもあったのか、と楽しそうにと話すバルックを見て、仲間たちは「第二の父」という言葉をいまさらながらに痛感した。
「ていうかバルックさん、カルバレイスにいたんだね」
「ああ。それにしても、どうして先に声をかけてくれなかったんだ?」
「だって難しそうな話しそうだったからさ・・・・(ぶっちゃけめんどい)」
「はははっ。そういう話に入らないのも相変わらずか。リオンと一緒に行動していたというのなら、少しは直ってもいいだろうに」
「こいつの性格を一つ一つ直していってたら、100年たっても終わりそうにないな」
「それもそうだな」
「ってオイ!」
ベタにつっこんじまったよ。さっきからなんだーーー!!と二人にまた叫び、口喧嘩しだしたリオンたちを見て、バルックは笑った。
時間がない、と嫌味を言うだけ言ったリオンはさっさと口喧嘩をきりあげ、 その後ろではルーティがバルックのへそくりを発見し、スタンとじゃれていた。
「また暇なときにきなさい」
「またね、バルックさん」
ばいばーいと大きく手を振ると、一行はバルックのオフィスを出た。
「・・・これなんだ?」
「何々?」
階段を上がる前の部屋にあった本棚で、スタンが不思議そうな顔をして本を取り出した。
好奇心の塊のは、その本を覗き込んだスタンと一緒になって覗き込んだ。
「「・・・・・・・・」」
思わず絶句して、二人は顔を見合わせた。
「これって俗にいう・・・」
「大人の本てやつ?」
「そ、そんなさらりと・・・っ」
「まあスタンさん、なんてものを!」
丁度間の悪いことに、フィリアがそれに気付いてしまったらしい。
「フィ、フィリア!誤解だよ!」
「許しません!」
「は、はい・・・」
「懺悔なさい!」
「ええ!?わーー!!!」
何故かスタンだけが懺悔させられた。
が合掌していると、リオンが呆れた顔でため息をついていた。
物思いにふけるような顔をしてぽつりと、しみじみがいった。
「バルックさんも男なんだねぇ・・・・」
「・・・・・・お前は本当に女か?」
「普通はでない感想よね・・・・」
仲間たちが色々と混雑しているところを見ながら・・・・・・・マリーはバルックに同情した。



バルックのオフィスから出たあと、一行は情報収集のため港へと向かった。
水夫の話からジェイクという人物が浮かび上がり、街中を歩く羽目になった。
・・・・・約一、楽しそうに探偵気分に浸っていた。

音声のみで、お送りいたします。(デパート放送のお姉さんの声で)

「犯人は・・・この町にいる!」
「いや、それはわかってるから」
「ていうかどこにいんのよそいつわーーー!!」
「暴れるなヒス女!」
「港にいる、だそうだが?」
「ふりだしかよ!」
「よーぅし、ホシの居場所はつきとめた!行くぞ野郎ども!!しゅつどーう!」
「お、おーう・・・?」
「ホシ?」
「いつまで遊んでいる気だ痴呆娘!お前も乗るなスカタン!」
「あいて!」
「ワイドショー知らないの?」
「わいど・・・?イルカショーなら知ってるんだけどなぁ」
「へー。この世界イルカショーあるんだー」

知りません。

結局、港にいたジェイクからカルビオラの寺院へ神像を運んだとの情報を得たリオンたちは、馬鹿二人を無視してカルビオラへと向かった。




「あ〜・・・・なんて暑さなんだ〜・・・・」
「これくらいで根をあげたのか」
「ていうかなんだかんだいってリオンも暑さでいつも以上にキレやすいよね」
「お前がそうさせているんだろうが」
ギャーギャーとまた言い合いを始めた二人の後ろで、元気いいなぁとスタンが肩を落とした。
それからしばらく歩いていると、今度はルーティが根をあげた。
「あ〜・・・うー・・・・あーつい!!」
「熱いってのは言わない約束だろー?」
「あー!もー煩いわね!!熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い!!」
熱いを連呼しだしたルーティの暴走を、スタンが横で慌てて止めようとしていた。
「・・・・・なぁリオン」
「・・・・・なんだ」
「・・・・・さき、歩いてようか」
「・・・・・同感だ」
このクソ暑いのに近くであれだけ騒いで暑いを連呼されてはこちらの身が持たない、と、とリオンはさっさと歩いた。
「つーか俺、ルーティよかフィリアのほうが暑そうに見えるというかなんというか思うんだけど・・・・・」
「これ以上そういう話をしないでくれ」
あ、ワリィ。とがうなだれながら言った後、二人は仲間たちの前を黙々と歩いた。





カルビオラについたとたん、少年がモンスターに襲われていた。
それを助けた後街を回っていたところ、武器屋でまたもその少年と出くわした。名をトッシューというらしい。
「・・・・あ、さっきの兄ちゃんたち・・・・」
カルビオラにあった武器屋へ行くと、またもトッシューにあった。
「あんた、さっきモンスターにからまれてたやつじゃん!」
「・・・・・」
「変なヤツ」
スタンが首をかしげながらそういうと、が「とあー!」と叫びながら飛び蹴りを食らわせた。
「なーにおいってるんだねスタン!こんな生意気そうな可愛いやつそういないぜ!?」
「わっ、なにすんだよ!」
「かわい〜v」
「痛い・・・・」
スタンに怒りながらトッシューに抱きつくと、トッシューが暴れた。(あたりまえ)が、そんなことを気にせず、はひたすらじゃれついた。
リオンにいい加減つっこまれ渋々離れた・・・のだが、トッシューが服をひっぱってを引き止めた。
「あのさ、これ、やるよ。・・・・・・またこいよ」
「かっ・・・・・・かわッッギャッ!リ、リオン首・・・・・・」
「これ以上恥をさらすな単細胞!」
「ありがとな、トッシュー」
チャームボトルを渡されたがまたトッシューに抱きつきかけたのだが、そこはリオンが服を引っ張りくいとめた。
スタンが礼を言うと、ちょうど出口付近で引きずられ途中だったが「またなっ、トッシュー!っぐ、リオン!死ぬって!」と、トッシューに微妙な挨拶をした。







続く
−−−−−−−−−−−
ぷぅぅぅぅぅうううぅぅぅぅ〜。やっと終わったねぇ。なんの音さ)
ていうか低血圧の症状であんなのあったらたまったもんじゃないですね。大変だなー主人公(オイ)
俺は低血圧ではないです。2度寝したり10分くらい放心とかするけど(どうでもいいし)
もっと酷いやつが近くにいる!!!(な、メガネ)

ちなみに他人の寝言で一番笑えたのは某Mさんの     「・・ウケケ」     でした。(マジで笑えました)

次は神殿内探索でしょうか。野外授業です。(違)
バルックさん久々だー! にしても本当にお父さんやってたなぁ・・・・あんなキャラだっけか?ノリいいのは確かなんだがな・・(自分で書いといて)
ていうか・・・ホントにあるのか、イルカショー。(あら語呂いいわ)
リオンは毎日呆れ放題ですね(嫌だな)スタンはろくな目にあってませんね。そういう習性の人間なのでしょう・・。(クラスに一人はいる)
ていうかトッシューかわいいーーー!!!ちっさな子には目がないんですが、彼はもうマト獲まくり。(これ誤字だったりして)
あ、カルバレイスで鬼ごっこ忘れてたー!次やろう(オイ)
なんだかわちゃわちゃしてるけど、ここらへんで撤収。(それはいかん)
ここまでお付き合いくださった方、ありがとうございます。