何事も無い生活をしていたはずの私は、唐突にその平凡を失くした。
意識が消える寸前、こんなはずじゃなかった・・・!!と深く後悔してることは良く覚えてる。
ちょ、誰か死ぬ気弾撃ってくれません?
マジ、すぐ生き返りますから!
と。
我ながらアホな最後だ。
だからロマンスの神様。
空気読め。頼むから。






塞翁が馬






おぎゃあと生まれて早数年。
自分で言うのもなんだけど、将来有望な美少年だ。
今まだ3歳だけど。
『坊ちゃん坊ちゃん。そんなに走ったら転んでしまいますよ』
「だいじょーぶ!」
そんな3歳児満喫中の自分が抱えているのは、うっかり喋る剣ことソーディアンシャルティエ。(言ったら泣かれた)
なんと、リオン・マグナスことエミリオ・カトレットに生まれ変わったらしい。
ある意味美味しいような、確実にまずいような。
まーそんなわけで、将来に備えようかなーと思いつつ、ぶっちゃけめんどくせぇと本音も混ざって中途半端・・・から、もう好き勝手生活してる。
父親であるヒューゴはやっぱりそっけない。
というか、冷たい?
仕事忙しいからってあしらわれる。
そりゃー、基盤に乗ってきたから子供に構う時間なんてないだろう。
会社を成功させて、国王に付け入る隙を狙わなきゃならないんだし。
でも日に一度は絶対に会うようにしてる。
これで考え変えたら面白いな〜っていうのと、やっぱ寂しいのがね。どーしてもね。
シャルとはお喋りできてもぬくもりがない。
メイドも使用人も、みんな僕をヒューゴの息子としか見ないから。
「(・・・どーやって変えてやろうかな・・・ふふふ)」
だから僕がグレたって仕方ないと思う。
シャルは僕の事可愛がってくれるから好きだ。
つーか声が聞こえるのが僕とヒューゴくらいだから、信用できる。
メイド長とレンブラントも結構好き。イレーヌは時々しか会えないけど、お姉さんみたいでまぁ好きだ。
美人だし。
・・・美人は重宝するべきだぞ。
僕、ロニとすっげー友情結べそうな気がする。
あれ、そうなると死なないとならないかーけどそれもなーと思う。
マリアンに固執しなけりゃいーんだよな。
「ふふふ」
『エミリオ坊ちゃん、楽しそうですね』
「うん!いきてるってすばらしーね、シャル」
『えっ、悟り?3歳で悟り?どこから悟ったの私生活から悟るとか老人の領域ですよ坊ちゃーーーん!!』
リオンのつっこみ上手って、もしかしなくともシャルティエからきてんじゃないかと思う3歳の春。


「坊ちゃん、おはようございます」
「おはよー」
「おはようございます、エミリオ坊ちゃん」
「おはよーじーじ」
「本日もとても・・・良い天気ですねぇ」
天気の話しながら、ベタベタ僕に触ってくるレンブラント老。
いや頭なでたりしてるだけだけどさ。目が孫を見る目だよレンブラントじじい。
他のメイドや使用人たちも似たようなもんだ。
あと落としてないのはヒューゴだけ。
元の人格も残ってるらしいけど、ほとんどミクトランに侵食されてて別人だもんなぁ。
美人の母さん精神的に追い詰めやがった罪は重いぞ、ミクトラン。
やっぱ子供にゃ母親がいないとダメだと思うわけだ、僕は。
僕が結婚したあかつきには、絶対に奥さん大事にする。
それ以前に僕、元々女だったから女性を愛せるかどうかがわからないけど・・・つくもんついてるし年頃になれば大丈夫かな。
今からげんなりする内容だ。忘れよう。
みんなのアイドルやってから、僕は日課になってる図書室に読書をしに向かった。
帝王学ビシバシやってくぞゴルァ、とかこの前言われたけど、とりあえずこの世界の知識を入れるだけでも違うと思って。
漢字がないから楽だ。
文字覚えるのには時間かかったけど。未だ分からないものはシャルに読んでもらってる。(めっちゃ嬉んで)
教師が必要なものに関しては後からでいいだろう。
予習の理由は、後々楽したいから。
・・・つーかこっち、遊ぶもの少ないしね?
大体午前中は読書にいそしんで、午後は体を動かして寝る。
子供の受けるストレスは大人の何十倍、だ。
体ちっせーし。不自由ばかりで・・・まぁ面白いものが見れたり今まで気にしなかったことに気付けたりもするけど。
お昼寝できるのは嬉しいな。
熱視線で何度か起きるけど、そのたびまた寝てるからよしとしよう。
昼寝が趣味になりそうだ。
シャルを持ち歩いてるのも、重さになれるため、筋力アップを狙ってだ。
こうしてると自分がんばってそうな感じだけど、ぶっちゃけそうでもない。
だって周りがなんでもやってくれるから、やることホントに無いんだよねー。
貧乏暇無しの逆だ。
さて、本日は父の日だ。
というわけでサプライズ父上奇襲作戦を決行しようと思う。
前からシャルと色々作戦立てていた。聞き耳立ててた周りの人間が萌え萌えして人気上昇。一石二鳥。
そんなわけでヒューゴの帰りを待っている。
「まだー?」
「まだですわ。もう少し一緒に待ってみましょう、坊ちゃん」
「・・・ん」
ほっぺた膨らまして足ぶらぶらさせれば、ほんわか笑う周りの人間たち。
人って儚い生き物だね、イレーヌ。
今日は早く仕事が終わったのか、9時には帰って来るヒューゴ。
おかえりなさいませ、と外から聞こえてきた声に、僕はぴんと背中を伸ばした。
いってらっしゃいとずっとついててくれたメイドさんに背中を押される。
ありがとーと笑顔つきで礼を言って、部屋の外に出た。
「おかえりなさい!」
「・・・まだ起きていたのか」
うわめんどくせーのに会っちまった、なんて顔をするヒューゴ。
こらこら、まだ精神汚染始まって数年だろーがよ。
用意したのは、庭に咲いている花をつんだ花束。
見栄えよく、かつ子供らしく元気に。
捨てられる可能性のほうが高いけど、無いよりマシだろう。
こんなだからダメなのか、僕。愛情が伝わらないんだな。
「あの・・・えっと・・・」
「私は疲れているんだ。用があるなら早く言え」
心の準備くらいさせてくれたっていーじゃん!
目つき悪いから恐ろしいんだ!3歳児にはちとキツイ。
「おしごと、いつも、おつかれさまれす!パパ上!」
あ。
やっちまった。

・・・その後聞いた話じゃ、僕から花束を受け取ったヒューゴは、ふらふらしながら部屋に向かったらしい。

案外素ボケのサプライズが利くらしい。
その後ちょっとずつ僕のことを構うようになったヒューゴ。
可愛さで愛情を貰おうとがんばった僕。
結構良好な親子関係が築けて、甘えることも甘えさせてくれることも多々あった。
つまりは作戦成功。
僕の勝ち!だったんだけど・・・な。
結局、剣術扱ったり帝王学の勉強始まった時点でスパルタクール親父になっちゃったよ!
僕の苦労返しやがれ。



僕が8歳のとき、運命を左右する予定(未定)の女性が現れた。
マリアンだ。
なるほどべっぴんだ。
「・・・あの、エミリオ坊ちゃま?私の顔になにか?」
「うん。みんな母様に似てるって言ってたから。どーなのかなーって。ほら」
「・・・あのー・・・それは、一体どこから・・・」
「ん?父様の寝室!」
笑顔で答えてやったら、膝に手ついて視線を合わせてくれてたマリアンが顔引きつらせる。
リアクション微妙だな。まだまだ新入りか。
ほら見て、と絵を見せれば、それをじーっと見つめるマリアン。
「どう?」
「・・・確かに、面影がありますね。だからヒューゴ様も・・・」
「父様がどーしたの?」
すっかり板に付いたぶりっ子。
苦笑いからにっこりした笑みに変えたマリアンは、やっぱり苦笑いした。
「じーっと見られたんです。だからなにかなぁと」
「ふーん?じーっと?そーゆーの、セクハラって言うんだよ」
「え゛」
「犯罪だね。父様叱ってくる!」
「いやいやいやダメですよそれはいけませ・・・坊ちゃん!エミリオ様ーー!?」
『マジで言うんですか、坊ちゃん?』
「こんな美味しいネタ逃してなるかシャル」
まさか!
だよな。
僕、今物凄い笑顔だと思う。
シャルを背中に担いで廊下全力疾走して、驚いたりほんわか笑ったりしてる使用人たちに愛想を振りまく。
サービス精神は忘れない。
時折仕事を家でやるようになったヒューゴは、本日執務室に滞在しているはずだ。
しっかり母の絵を抱えて、ヒューゴの部屋の扉をノックした。
「誰だ」
「エミリオです」
「・・・仕事中だ」
むすーっとした声しか帰ってこない。
入れてー父様ーとごんごんドアを叩けば、勉強はどうしたとイラついた声で返された。
今日の分はもう終えました!と明るい声で返す。
さぁ、どういじってやろうか。
「失礼しまーす!」
「誰も入室を許可していない」
「今日は父様のほうが悪者だから拒否権無しです」
笑顔で言い切れば、こいつ・・・みたいな顔をされる。
うんうん。リアクション良いのはやっぱヒューゴだな。
とことこヒューゴの隣までいって、母の絵をばっと出す。
めっちゃ驚かれた。
「お前、何故これを!」
「父様の聖域で見つけた!」
8歳児がベッドの下を聖域と言うな!
「だったらベッドの下に母親の絵忍ばせないでください」
笑顔で返せば思い切り固まるヒューゴ。
顔がいい塩梅に引きつってる。
「父様、マリアンて母様に似てるね」
「・・・ほぅ」
「だからって舐めるように顔を見たり品定めするように視姦するのは犯罪だよ。とりあえず憲兵を呼」
待て
最初目を細めたヒューゴは、一気に引きつり顔に逆戻り。
シャルが懸命に笑いをこらえてる。
すっげー力強く僕を止めたヒューゴは、僕の腕をがっしり掴んだ。
そんなことしなくても、明日だろうが明後日だろうが言いに行けるんだけどな。
「お前はナニを勘違いしているんだ?というかあの娘から何を聞いた!」
「じーっと見られて不思議だったんだって!だから僕、若かりし頃の母様との思い出を浮かべながらきっとやらしいこと考えてたんだろうなって」
違う。どこで変な知識をつけたエミリオ・・・!!」
嘆かれた。(昔は無邪気だったって)(幼児パワーすげーな)
半泣きのヒューゴは初めてだ。
犯罪はダメだよー女性は弱いんだからね守るべき生き物なんだからー男として最低だよーと、うなだれたヒューゴを撫でながら突き落とす。
気分いいなぁ。
こうしてるときが一番幸せだ。
「お前・・・私のこと嫌いだろう」
「なんで?」
おもちゃとしては大好きだよ!
こんな感じで、僕はしょっちゅうヒューゴで遊んでる。
ヒューゴもアレコレやり返しては来るんだけど(勉強とか稽古とかめっちゃ厳しい)、僕の悪戯の回数に比べたら割に合わないだろう。
使用人たちの間では天使の反抗期、なんて言われてる。
食べ物に毒しこまないだけマシかな。
あいつのローブやマントにお花のアップリケつけたときは本当に面白かった。ガチで怒られたけど。
警戒心の強くなったヒューゴに悪戯するのは難しいが、それはそれで楽しいし良しとしよう。
皆も結構協力してくれるしな。(こんなネタどうですか、と)(手だしたら殺される)
そんなハートフルな僕らの生活は、周りからはほのぼの見られる。
「待たないかエミリオ!!」
「ははは!クマ髭似合ってるよ父上!」
「きゃあ!旦那様、エミリオ様!!ここ2階ですよ!!」
「ああマリアン、あの二人なら飛び降りても大丈夫だから」
今日もヒューゴ邸は平和です。



僕も15になった。
すっかり声も緑川だ。我ながらいい声してる。時折自分で自分を口説きたくなるけどガマンだ。(シャルいるし)
国王主催の大会にて1位を取り、一気に周りから脚光を浴びる羽目になった。
ソーディアンマスター。
そしてオベロン社総帥の息子。
顔良し声良し剣の腕良しと、良し良しだらけだ。
「なるほど、ヒューゴの息子か」
「親の七光りね」
まぁもちろんこんな風に言われるのは分かっていた。
むしろ言われなければ僕はなんだって話だ。
まぁ、素直に凹んでやる気はさらさらないけど。
・・・凹むことは凹む。負けん気で負けないけどな!
表彰台に上って、あるのかと思ったけどトロフィーを貰う。しかも国王から直々に。
うわーすげーなんて内心バックバクだけど、それを表に出さず恭しく受け取った。
「さすがはヒューゴの息子だ。よくやったな、エミリオ・カトレットよ」
「ありがとうございます」
「最年少で優勝とは・・・。君は普段からよく剣を扱っているのだな」
王の傍に仕えている将軍の一人が声をかけてくる。
僕はにっこり笑い返した。
ほのぼの見られるのは慣れてる。
「いいえ、僕などまだまだです」
「ほぅ。その年で謙遜も覚えているか」
首を振る僕を見て、王や将軍たちが笑い出す。
僕はやっぱりにこりと笑った。
「将来は父上の後を継ぐのかな?」
「まさか!」
笑顔で問いかけてくる将軍に、笑顔で返す。
おや?という顔をされた。
「僕の趣味は、父上を困らせることですから!」
笑顔で言い切ってやった。
すっごくいい声だったと思う。
オベロン社も気合入れてマイクなんて作ったものだから、全員に響いただろう。
国王も将軍たちも笑い出す。
「やはりまだ子供か。可愛らしい盛りじゃないか」
「ええ、まったくです。あまり父上を困らせてはいけないよ?」
「いいや、親を困らせるのは子供の仕事だろう。これからも存分に困らせたらいい」
国王の一言に会場がわく。
みんなに笑われて見られてるのは、胃を抑えてるヒューゴ。
僕もくすりと笑ってヒューゴをチラ見してから、国王たちに顔を戻す。
「はい!これからも父上のトラウマを日々増やしていきます!」
え?という声が所々から上がる。
僕は今良い笑顔だろう。これまでになく。
国王に礼をしてからくるりと振り返って、トロフィーを掲げた。
うんうん、いい野次だぞ。
かと思えば、失礼とヒューゴがやってきた。
「・・・エミリオ。今日から名を変えろ」
「え・・・?僕と縁を切るというのですか、父上」
眉を下げて、うるりと目を潤ませる。
周りがおいおいお前、な顔でヒューゴを見てる。
ヒューゴの顔は引きつり放題だ。僕の本質知ってるもんな。
マイクで音拾われまくりだ。みんなざわついてる。
「その通りだ。お前はもう一人でもやっていけるだろう」
「嫌です!父上の息子としてまだ父上の顔に泥を塗ってないのに!!」
企むな!!
ツバ飛ばすんじゃねーよ。
周りは益々、ぇえ、みたいな顔だ。
多分観客は笑ってるんだろうな。
シャルが大爆笑しながらナイス坊ちゃん!なんて今にも親指上げそうな声出してる。
「貴様とは絶縁する。今すぐ家を出て行け」
「父上・・・本気で言ってるんですか・・・?」
「お前のウソ泣きはもう私には効かん」
5割本気です
半分ウソか!!
「本気で外出したあかつきには、スラムのトップになってオベロン社の工場全力で潰し回ってやりますよ」
「お前ソレでも私の息子か!?父親に対する仕打ちじゃないだろう!」
「愛しさ余って憎さうんたらだよ父上」
「お前からは日々憎さしか受け取ってないぞエミリオ」
「じゃ、これからはもっとたくさんガッツリねっちょり全力で行くよ!」
「来るな!!」
これだけ人前でやっとけば、ヒューゴを見る目も変るだろう。
もうすでに国王たちがぽかーんとしてるし。ハッ、ザマミロ。
にやーっと笑う僕を、ヒューゴは引きつりまくった顔で睨んでくる。
「やはりお前を人前に出すんじゃなかった!」
「今更遅いさ。それに父上、自分好みに愛息子を育てあれやこれやなんて・・・僕はまだ穢れたくないのに!」
「誤解を招く言い方をするなァ!!」
「ホントのことしか言ってないしー。父上、そんなだから成金だの貴族モドキだの影口叩かれんですよ。ほら、少し落ち着いて」
「誰の所為で怒鳴ってると思ってるんだ!!」
「父上の精神力を鍛えてあげてるんじゃないか。なんて優しい息子なんだろー僕」
「お前のそれは趣味だとさっき公言したばかりだろうが・・・!!」
まーね!
「エミリオ!!」
観客たちが爆笑の渦に巻き込まれてるんだけど。父よ。
手まで出しかねないヒューゴの勢いを見て、そろそろ終わりかなと推測する。
素早く姿勢を正して、国王にそれでは失礼します!と礼をとった。
猫かぶりなら完璧だ。
「じゃ、父上また屋敷で!今日は入り口から気合入れて待ってるよ!」
「ちょ、待て!入り口から何しかける気だお前!!」
「やだなぁ仕掛けるだなんて。言ったらつまらない挙句、本当は何も無いのに猫みたいに警戒して入ってくる父上が拝めないじゃないか」
「貴様どこまで鬼畜だ!!」
「ははは!最後に気を抜いてブーブークッション食らった父上、先週のMVPだよ!」
「待てエミリオお前今日は私と帰れ!!」
「別に構わないけど、待ってる間あることないこと他人に吹き込んだり、一緒にいたら一緒にいたで血反吐吐くほど追い詰めるよ」
「ぁぁぁあああああああ゛!!なんでこいつを生かしておいたんだ私!!」
「それが愛だよ父上。じゃ、帰るまでお元気で☆」
びしっと手を上げてすたこら逃げる。
待てエミリオーーー!!なんて遠吠えが聞こえてきたけど、笑って無視した。
その後帰ってきたヒューゴは、やっぱり警戒しながら屋敷に入ってきたんだけどなにも仕掛けてなくて。
椅子に座るときも警戒してたんだけど、今日は僕のお祝いだから父上にはなにも用意してないんだ、と笑顔で言ってやった。
その後即夜のヒートマッチみたいな。
年の割りにアグレッシブだ。
そんな僕が客員剣士として城に招かれたのは、それから一週間後。
ヒューゴとのやり取りが痛く気に入ったのか(周り全員に)、任務ある以外は大体ヒューゴに茶々入れられる位置につくことになった。
「今日の父上もモッサイオッサンですね。潤いゼロだ」
「お前は今日も嫌なガキだな。可愛さゼロだ」
「ちまたじゃこんな僕が可愛らしいと話題になってますよ。髪型からなにから時代遅れですね!残念!」
「エミリオ・・・!!今日という今日は許さん!」
「それ昨日も一昨日も聞いたよ父上ー」
「待たんかァァ!!」
「今日も元気だな、あの親子」
「楽しそうだな。面白くてこっちも楽しいが」
セインガルド城の名物になる日は近いどころかすでに名物。
疲労困憊しすぎてヒューゴが倒れるなんて事態があって、あんまりにも哀れんだ国王が名前変えてあげなさいなんてしみじみ言ってきて・・・。(命令じゃねーかチクショウ)
結局、僕はリオン・マグナスとなった。
これも運命だったのかな。








(僕の所為でぶっ倒れたヒューゴを陛下が哀れんでリオンに改名したんだ)(エミリオォォォオオオ!!)(今更遅いよ父上ー)(自業自得じゃないのか改名)