本を読んだりゲームをしたり、寝てみたりと、は一日中部屋の中でごろごろしていた。
気付けばもう雨も上がっている。
ふーと息をついて、ころんと起き上がった。
煙草の灰が落ちかけて慌てて灰皿に入れる。
欠伸を噛み殺して目を擦っていると、ぴんぽーんとインターフォンが鳴った。
「・・・誰だ?」
まさか朝から侵入してきた恭弥少年かと、は怪訝な顔をしつつ立ち上がる。
壁についているモニターで見れば、物凄く不安そうな顔でそわそわしている沢田綱吉。
思い切り眉根を寄せて、はなにか?とモニターに向かって喋りかけた。
途端に綱吉はびくりと体を揺らしたのだが。
『あ、あの・・・その・・・・・・えぇとー』
歯切れ悪く、綱吉が声を上げる。
はため息をつくと、玄関までいってドアを開けた。
開いたドアの向こうには、青ざめて固まっている綱吉。物凄く逃げたそうだ。
「で?一体なんの用なんだ?」
「あ、あの・・・その・・・」
「・・・」
えぇと、と、同じ言葉の繰り返し。
はため息と共に煙を吐くと、灰皿に灰をトンと落とした。
綱吉はの前でますますおろおろしている。
「ご、ごめんなさい!!」
「・・・」
急に大声で謝られ、さらに頭まで下げられて、は驚きながら綱吉を見る。
怪訝な顔でじっと観察していると、綱吉は恐る恐る頭を上げた。
「あの・・・」
「・・・なんでお前が謝るんだ?」
あけたドアに背を当てて、腕を組んで、至極冷静な声で問いかける。
それが綱吉を追い詰めると分かっていながら。
やはりびくりと体を揺らした綱吉は、随分と目を泳がせてから、ぎゅっと拳を握った。
「あの、あなたを、勝手にこっちの世界に引っ張ってきたから――」
「それはあのクソチビがやったことだ。お前が謝るのはお門違いだろ」
「で、でも!でも・・・俺も、その・・・止めようともしなかったし――」
「あの様子見た限り、周りは全員わかってなかったみたいだけど」
「でも!」
綱吉の言葉をことごとくが返していくと、綱吉が大きな声を上げてぐっと見上げてくる。
はそのまま、綱吉を見返した。
「でも謝りたいんです!いつもリボーンに振り回されっぱなしで、いつもなにかとあいつの所為で迷惑かけられるけど・・・・・・でも、俺、全部あいつの所為だって思うだけで、貴方のこと何も考えてなかった。全部責任転嫁して、自分は関係ない、同じ被害者が増えたんだって逃げてた、から・・・」
段々と頭を降ろして、綱吉は一人で喋る。
は変わらず、綱吉を眺める。
「でも今回は違う。俺たちの所為で・・・リボーンを止められなかった俺の所為で、あなたの人生、全部をめちゃくちゃにしちゃったんだ。だから、知らなかったとか何も出来なかったとか、そういう問題じゃない。あなたに謝りたいんです!」
「・・・」
「本当に、本当にごめんなさい!!」
大声で言って、綱吉は勢いよく頭を下げる。
は暫く綱吉を見つめると、息をついて、綱吉の頭に灰皿をコンと当てた。
さして痛くもなかっただろうに、綱吉はリアクションよくあいて、とつぶやいて頭を上げ――口の端をあげて笑みを浮かべているを見て、驚いた顔をする。
はひょいと眉を上げた。もちろんわざとだ。
「なんて顔してんだよ」
「あ、い、えーと・・・」
「バァカ冗談だ。ホント、可笑しなヤツが多いな。言っただろ、お前が謝る必要はないって」
くすくす笑いながら、はおろおろする綱吉を見る。
短くなった煙草を咥えると、え、と声を上げている綱吉の頭をわしゃわしゃ撫でた。
「ガキに八つ当たりしてなんになるってんだ。入れよ。わざわざ来たなら飲み物くらいは出す」
「え、えーと・・・」
「怖いか」
「え!?」
目を細め、にやりと笑って問いかければ、綱吉は思い切り声を上げてオーバーリアクションを返してくる。
はケラケラ笑うと、冗談だと言ってひらひら手を振った。
綱吉はぽかんとしてから、慌ててお邪魔します、と中に入ってくる。やはりおろおろしつつ。
入って早速、部屋を見回してうわぁ・・・と声を上げた。
「かなりいい部屋だろ。お節介なハウスキーパーが来るから家事やらなくていいし」
「ぇえ!?」
「ははは。お前リアクションいいなー」
にやりと笑って羨むだろう事情を教えてやれば、やはり返ってくるいいリアクション。
綱吉はカァと赤くなりながら、やはりきょろきょろ見回した。
は冷蔵庫を開けて中を見る。
「炭酸系?それともお茶系?」
「あー・・・炭酸?」
「サイダー?ファンタ?」
「あー、じゃあ、サイダーで・・・」
しどろもどろ答える綱吉に、ほらよ、とはサイダーを投げる。
炭酸系投げるってあぶないんじゃ!と顔でつっこみを入れている綱吉を見て少しだけ笑うと、は奥にさっさと戻った。
綱吉もついてくる。
のだが。
「うわああ!!すっげー!」
「あ?おー。俺も見たときビビった」
床に空いてる円状のソファ。そして大型コンポ。大型テレビ。
綱吉はキラキラした目でキョロキョロ見ている。
さらに綱吉は、テレビ画面とテレビの前にある物を見てぁぁあああ!!と声を上げた。
「なんでゲーム!?」
「暇だったから」
「学校サボって!?」
「ダリーし」
「(超マイペースだーーー!!)」
やはり漏れているつっこみ。
はくくっと笑うと、半円ソファにさっさと座って煙草に火をつけた。
「戦国無双やってたのはいいけど、一人じゃ上位レベルの武器取れなくてな。苦戦してんだ」
「え!?取り方知ってんの!?」
「おー。え、お前これ知ってんの?」
「知ってる知ってる!俺も持ってるもん!」
「(・・・むしろゲーマーだなこいつ)」
「あー・・・やっぱバレた?」
「(俺もバレてるし!)」
綱吉つっこみ移行。
もうどうでもいいやとはボタンを押す。
そこに座れと隣を叩くと、綱吉は鞄を置いて恐る恐る座った。
「ぉお!座り心地もいい・・・」
「だろ。さてツナキチ。レベル5手伝え」
「ツナキチじゃなくてツナヨシだし!」
読めるけど!と懸命に綱吉がつっこんでくる。
はケラケラ笑って、いいからやろうぜ、とコントローラーを投げた。
キャラクターを選んだりなんだりしている間に、綱吉は床に散らばっているゲームをじろじろ見る。
「・・・すっげー。色々集めてある。あ!これ新作だ!」
「暇だったし。店員に面白そうなの聞いて適当に買ってきた」
「まさかこれ全部コンプリート!?」
「・・・微妙に?(ほぼ全部)」
やはりバレていてありえねーー!!とお決まりのつっこみが飛ぶ。
あーはいはい始まったぞーと声をかけ、何故だか二人でゲームの話をしつつ白熱して戦国を駆け回った。(?)
がんがんやって数十分。
ぴんぽーんとまたチャイムが鳴る。
「ああもういいところで!ツナキチ、ちょっと耐えろ!」
「だからツナヨシってぇえ!?無茶だよ!」
後ろから叫ばれながら、は急いで玄関へ。
リボーンだったらブッコロすと思いつつ扉を開ければ、綱吉と一緒にいる獄寺と山本の二人だった。
獄寺はかなり不機嫌な顔でを睨んでいる。
「十代目はどうした」
「なんだお前らまだ待ってたの?」
「知ってた・・・んスか?」
獄寺の一言から始まり、は呆れ顔で二人を見る。
心配そうな顔をした山本が驚いたようにに問いかけ、はめんどくさそうにため息をついた。
「バレバレだっつ」
「ーー!これ以上無理だって!やばいやばい!死ぬ!助けてーー!!」
「げ!耐えろツナキチ!」
「十代目!?」
奥から綱吉のSOSを聞いて、は客人そっちのけで走っていく。
慌てて獄寺と山本も入って来た。
のだが。
「っしゃあ間に合った!無双乱舞行くぞ!」
「待った待ったその前に回復!そっち拠点潰しといたから!」
「・・・なんだこれ?」
「おー!すげー迫力!」
ゲームだと分かった途端、山本は騒ぐ。そして獄寺は拍子抜け。
わあわあ騒ぎながらゲームをやる二人を見て、おい!と獄寺が叫んだ。
「一体なにやってんだテメェ!!」
「なにって、ゲーム。見てわかんねぇのか」
「テレビでけーなー。あ、俺もやってみていい?」
「待った山本!ここ終ってから!無双!」
「おっけ!」
顔も向けずには答える。
そして山本はちゃっかり綱吉の隣に着席。
おぉ〜座り心地いーとソファをばしばし叩いている。
獄寺はぎりりと拳を握ったが、楽しそうに遊ぶ綱吉を見て脱力した。
「冷蔵庫に飲み物入ってっから適当に取れ」
「あ。どもーッス。獄寺、お前いらないのか?」
山本に声をかけられて、脱力している獄寺はギロリと山本を睨む。八つ当たりだ。
おーこわ、といいながらスタスタ歩いていった山本は、冷蔵庫もでけー!と大喜びで飲み物を取り出した。
わあわあ騒ぐ二人を中心にそのうち獄寺も一応落ち着き、今は半円の後ろの円に座って煙草を吸いまくっている。
「よっしゃ千人斬り!」
「残るは敵将ー!」
「そのまえにそこ右。箱割ってアイテムとってきてくれ」
「うわ!こんなとこにこんなのあったんだ!」
いつの間にやら綱吉と山本で戦国無双。は綱吉の隣でナビゲート。
騒ぐだけ騒いで、ようやく綱吉の熱が収まった。
「はー。そろそろ休憩。獄寺くんもやってみる?」
「えっ!えーと・・・・・・つーかお前!なんでちゃっかり十代目の隣取ってんだよ!!」
「俺が取ったんじゃなくツナキチが隣に座ったんだ」
「だからツナヨシ!」
おろおろしてからに喧嘩を売る獄寺。
しかしはさらりと言い返す。
綱吉はびしっとつっこんでから、獄寺でが遊んでいることに気付いた。笑ってる。
「あーもーダメだって!も遊ぶなよ!」
「いやー悪い悪い。ついな。こいつ面白くって」
「お!分かってるスね!こいつホント面白くって。いつも花火もってるんスよ」
「だから花火じゃねーー!!」
山本と獄寺のやり取りを見て、はいつもこんな感じ?と綱吉に問いかける。
綱吉はげんなりした顔でこくりと頷いた。
怒る獄寺と笑い流す山本を見て、はいはいやめるとがぱんぱん手を叩く。
「つか!お前が問題なんだっつの!」
「なにがだよ。二十文字以内で答えろ。はい」
「え。えーとー・・・」
「はい終了」
「早いだろ!!」
にいいように遊ばれている獄寺を見て、山本は笑い綱吉はおろおろする。
があがあ怒る獄寺をケラケラ笑いながら見ていたは、悪い悪いと言いながら獄寺の頭をぽんぽんと叩いた。
「反応面白くてつい。まぁ、悪かったよ。お前には八つ当たりもしたからな」
「はぁ?」
「覚えてないよこいつ。本当に大丈夫なのかツナキチ」
「だからツナ・・・もう、、頼むからこれ以上疲れさせないで・・・」
思い切り顔を歪める獄寺を見て、は呆れ顔しながら綱吉に話を振る。
綱吉は心底疲れた顔でとうとうソファにだらりと頭をおき、は悪い悪いと謝りながら綱吉の頭を撫でた。
そこでまた獄寺が馴れ馴れしく撫でるな!と怒るのだが。
「別にいいだろガキなんだし。なあツナキチ」
「あぁ・・・もう・・・うん。なんでもいいや」
「あははは疲れてるなー」
「遊んでるだろ。遊んでるだろ」
棒読みで言いながらまた頭を撫で始めるに、綱吉がげんなりしながら顔を向ける。
はくすくす笑うと、つい、と言いながらやはり頭を撫でた。
「おーい獄寺。早く来いよ。お前のキャラ死に掛けてるぞ」
「つーかお前はなんで勝手に俺のキャラ決めてんだよ!しかも始めてんだよ!」
「うわ!やべー!獄寺が死ぬ!」
「ちょ!待てコラァ!!」
なんだかんだいって、獄寺は山本に流されてしまう。(色々な意味で)
と綱吉の間から腕を出し、山本と一緒にわあわあ騒ぎながらゲームをしだす獄寺を見て、と綱吉は顔を合わせて笑った。
「あ。ていうか、俺いつの間にかタメ口・・・」
「あ?ああ。気にすんな」
二人の合戦をみていた綱吉が、ハッと息をすって青くなる。
は首をかしげてからくすりと笑って煙草に火をつけた。
テレビに顔を向けながら、山本が話しに入ってくる。
「あ、じゃあ俺もいいッスか?ついでに名前も!」
「おーいーぞ」
「オッケー!百人斬り!」
「あーー!テメッ卑怯だぞ!!」
勢いついでにゲームでも色々やらかしているらしい山本こと武少年と獄寺のやり取りを見て、はくくっと笑う。
綱吉がやれやれという顔で笑った。
「そんなにお望みならお前も隼人って呼んでやるよ」
「はぁ!?誰も望んでねーっつの!!」
「あ、斬られてるぞ隼人」
「っだーーー!!山本!テメェ近くにいるなら助けろ!」
「無茶言うなよ!」
「うわー」
見事に振り回される獄寺を見て、綱吉が顔を引きつらせながら声を上げる。
はくくっと笑うと、獄寺改め隼人少年の口元に灰皿をひょいと出した。
「灰。いい加減落とせ」
「ん?おう。悪い」
「・・・」
ゲームに集中させつつ世話をやく。
さりげないやり方に、綱吉はやはり顔を引きつらせた。はにやりと笑って目配せ。
はぁ、と綱吉がため息をつくと、はくすくす笑って煙草を吸った。
武と隼人の気が済むまでゲームをやりこんでから、の「お前ら飯食ったか?」の一言で外に適当に買いに行くことに。
「マック行こうぜマック」
「あと新しいゲームも買いたいなぁ。なんかいい場所ない?」
「え!?まだ買うの!?」
と驚きつつも、綱吉はしっかり場所を教えてくれる。
ゲームを大人買いして(綱吉のリクエストと助言多数)からマクドナルドに寄って、金は有り余ってるからと言うのおごりで全員分の夕食をゲット。
ゲームは綱吉、食べ物は武と隼人に持たせて、は悠々と歩いていた。
奢ったのだから荷物を持てと命令して。
くえない・・・とつぶやいた綱吉の言葉でまた笑っただ。
四人でわいわい騒ぎながら歩いていると、スーツを着た集団がザッとたちの目の前に現れた。
「お前が異世界の民か?」
「・・・おやおや。毎日毎日お疲れ様だ」
「!?」
明らかに堅気ではない男たちを見て、綱吉たちが驚いた顔をする。
綱吉を下がらせて前に出ようとする獄寺を手を上げて止めて、が前に出た。
「これは俺の客だ。邪魔すんな」
「おい!」
「黙ってな。オッサン方。どこのファミリーだか知らねーけど、俺は行く気ないぜ」
両手をポケットに入れながらさらに前に出ると、男たちが武器を取り出す。
口の端をあげていたは、すぐにやる気の無い顔になってため息をついた。
「めんどくさ」
一言言って、サッと踏み出す。
次々男たちをのしていくを見て、綱吉たちはぽかんとしていた。
殴って蹴って武器を奪って適当に潰してと暴れ、は笑みを浮かべる。
「どうしたよ。威勢がいいのは最初だけか!」
「チッ!」
「っ!危ない!」
殴り飛ばしながらが挑発した瞬間、中の一人が銃を取り出す。
叫んだ綱吉がダッと走ってきて――の後ろ。背中を押された瞬間ガゥン!!と音が響いた。
は目を丸くして後ろにいる綱吉を見る。
綱吉はふっと目を瞑ると、そのままどさりと地面に倒れた。
「十代目!!」
「ツナ!!」
慌てて隼人と武が走ってくる。
顔を上げたは、殺気立つと一気に男を殴り倒した。
男が倒れるのを確認もせずに、次々潰していく。
全ての男たちが倒れたのを見ると、すぐに綱吉たちの元まで戻った。
「いてて・・・」
「大丈夫か!?」
撃たれたはずなのに起き上がる綱吉を見て、はすぐにしゃがみこむ。
うんと頷いた綱吉は、あ、と声を上げて持っていた紙袋を見た。
中には沢山のゲーム。ケースに銃弾がついている。
「これ持ってたおかげで助かったんだ」
「なんだよ・・・」
「お前の所為だぞ」
息をついて項垂れるたちのほかから、声が掛かる。
顔を上げてみればリボーン。
はリボーンをギロリと睨んだ。
「雑魚だからと油断して隙を作った。それがお前の弱さだ」
「リボーン!俺助かったんだし・・・」
「いいやダメだ。さっきの一撃、ツナがでなけりゃは死んでた。油断していたからが死ぬ代わりにツナがそんな目にあったんだ。言い訳なんて出来ねぇ。お前が弱いからだ」
「・・・のクソチビガキ!!」
ビシッと拳を突き出すが、リボーンに簡単にとめられてしまう。
ぎりりと拳を握って、は舌打ちした。
「強くなれ。他人を巻き込みたくないと思うなら全て守れるまで」
の手をバシッと弾いて、リボーンが言う。
弾かれた腕を下ろすと、はじっとリボーンを睨んだ。
リボーンはにやりと笑みを浮かべる。
はふっと息をつくと――目を瞑ってから、ゆっくり開いた。
「巻き込む前に全員殺す」
「いや守るだから!」
顔を上げてにやりと笑うに、すかさず綱吉がつっこんでくる。
はきょとんとしてから、ケラケラ笑って綱吉の頭を撫でた。
ぐいと腕を引っ張って、綱吉を立たせる。
「さて。借りができちまったな」
「いや・・・借りっていうか・・・」
「借りは借りだ。命救ってもらったんだから。どうするよツナキチ。十代目、とお呼びした方がよろしいでしょうか?」
紙袋を抱えつつ頬をかく綱吉に、はにやりと笑ってからお辞儀するように腰を低くする。
綱吉は慌ててぶんぶん手を振り、頭上げてよ!と叫んだ。
「ツナ!ツナでいいから!」
「そうですか。それではツナとお呼びしましょう。十代目」
「十代目言ってるしーー!!ていうか、敬語もなし!なんか逆に怖いから!!」
「あ、そう?ぶっちゃけ使い慣れてねーからやりずらかったんだ」
つっこんでブンブン手を振るツナに、はケラケラ笑って体を上げる。
脱力するツナの頭をわしゃわしゃ撫でると、ま、これからよろしく、と言って煙草に火をつけた。
リボーンは二人のやり取りを見てニッと笑う。
「決まりだな」
「は?」
「ようこそ異界の民。ボンゴレファミリーへ。歓迎するぞ」
「テメーは歓迎しねーけどな」
リボーンの言葉に、は顔をしかめながらお返事。
二人のやり取りを見て、ツナと隼人がぇぇぇええええ!!と叫んだ。
「な、なんだよ!どういうことだよ!?」
「こいつファミリーじゃなかったんですか!?」
「あくまで仮入団だ。無理やり引き入れたんじゃ無意味だからな。ツナを認める気になったら入るっつー話しだった」
にやりと笑いながら話すリボーンに、いい加減ツナが脱力する。
山本は呑気に「あ、それじゃあ今日からも参加すんだなー」とばしばし肩を叩いており、も呑気におーよろしくーと返事を返した。
「とりあえず帰るか。腹減った」
の一言で移動することに。
何故だかリボーンまでくっついてきていて、がブチ切れたところでツナがなんとか宥めたりなんだりとあったが、とりあえず平和に過ごした。
ようやく交じり合えた俺たちだけど、時間を置いた方がいいことも世の中多くある。(あなたってホントは物凄く優しい人みたいだ)