昼食を買いにいっていたは、ドカーンという爆発音を聞いては?と声を上げる。
歩いていけば、応接室から黒い煙。
「おいおいおいおい・・・ちょっと待てよ!!」
目を丸くしてダッと走る。
中から、けほけほ咽て恭弥が出てきた。
「恭弥!パソコンは無事か!?」
「僕より無機物の心配するわけ?」
駆け寄って問いかけるに、恭弥が目を細めて不機嫌に問いかけてくる。
お前が簡単に死ぬようなタマかと即答すると、呆れながらまぁねとの返事が返ってきた。
「・・・君がたまに会ってる赤ん坊」
「あ?・・・リボーンがやらかしたのか?」
「ああ。彼、面白いね」
「・・・。やめておけ。興味を持つな。絶対変な目に会う
かなり楽しそうに笑みを浮かべる恭弥に、は懸命に言う。
怪訝な顔をした恭弥は、なんでと首をかしげた。
「いいか、まず俺をこんな目に合わせてるのはあいつだ。下手したら一日に一回マフィアに俺を襲わせてるのもあいつだ。夏休み前の二週間死ぬような戦いに俺を投げ入れたのもあいつだ。なにかとツナの責任になってるけどツナが起こしたことになってる事件の発端は全てあいつだ
「相当恨み篭ってるね」
「当たり前だ!!」
呆れたような顔で見てくる恭弥に、は熱を込めていう。
大体あの野郎とぶつくさ文句を言うをため息一つで流すと、恭弥は電話をかけて草壁達に応接室の掃除を任せた。



「つーかどうしてくれんだよ!ぜってーあの人に目ぇつけられたよ!!」
「まーまー」
「次は倒します!!」
うわぁぁぁあと頭を抱えて声を上げるツナを、山本と獄寺が宥める。
しかしリボーンは別の方向を見て、絶対役に立つ男だと一人決めている。
「大体なんであの人と一緒にいて平気なわけ!?ありえないから!つーか最初からに一緒に来てもらえばよかったんじゃん!」
「あ、そういやそうだな」
「えー・・・あいつに?風紀の犬じゃねーッスか」
ツナの一言に、山本はぽんと手を叩くが獄寺はむすっと顔をしかめる。
電話かけておけばよかったいつも応接室でサボってるっていってたじゃん!とツナが叫ぶと、リボーンがそれはダメだ、と一言で落とした。
「なんでだよ!」
「それじゃー訓練になんねーだろ。・・・大体、がいたらが厄介な目に会ってただろうしな」
リボーンの言葉を聞いて、ツナは毎度聞く愚痴を思い出す。
そういえば人の話し聞かないだの横暴だの、と思い出して、はぁとため息をついた。
「なぁ、あいつとってどんな関係なんだ?」
「・・・曰く友達・・・かなぁ?だって。もはやがパトロンでヒバリがヒモ状態だとか言ってたけど」
「ヒバリはに惚れてるぞ」
ぇえーー!!?
リボーンの言葉を聞いて、今度は思い切り叫んでしまうツナ。
山本と獄寺も驚いていた。
「あいつが!?」
「ああ。中・小マフィアと戦ってる見たヒバリが一目惚れだ」
ひ、一目惚れーーー!!?(似合わねーつーかロクなとこじゃねーーっっ)」
叫びつつつっこみ。
やはり他も驚いている・・・というか、獄寺はぱっくり口をあけてポイズンクッキングを喰らう一歩手前のような顔をしている。
山本は、一人難しい顔。
リボーンはくいと帽子を被りなおすと、チッと舌打ちした。
「あいつが相手だとちと厄介だな・・・」
「つーかお前マジで狙ってんのかよ!!」
「ははは。いい趣味してんなー」
ポーズまで決まっているリボーンにツナが懸命のつっこみ。しかし山本に流されて項垂れる。
あれが・・・あれに・・・とぶつぶつつぶやいていた獄寺が、はぁーとため息をついた。
「・・・なんかくっついたらものすげー・・・」
「・・・。ある意味落ち着くかもね・・・いややっぱ怖い(優しいヒバリとかうわ怖ッ)」
想像してげんなりする。
ツナと獄寺の様子を見ていた山本が、ニカッと笑うとばしっと背中を叩いた。
「まーまー、なりっこねーよ」
「山本・・・(その自信何処から生まれて来るんだよあの二人下手したら半分同居だから・・・!!)」
口には出せないツナ。
五時間目が始まる前に、全員教室に戻った。



それから、なんとなくだがふと二人の様子をツナは見るようになった。

あるときは朝。
「重い」
「修行。背中綺麗な男はモテるぞー」
「・・・」
「(・・・えー・・・)」
ブオォォとバイクで走るヒバリの背中に、が背中をくっつけて乗っている。朝は大体見られる風景だ。
何気に言いくるめられているヒバリを見て、ツナは顔を引きつらせた。

ある時は廊下。
「この報告書もまとめておいて。明日までに」
「ちょっと待て。これ一週間前のものだぞ?おまえ忘れてただろ」
紙を受け取ったが、顔をしかめながら紙を見ている。
周りの生徒たちは恐ろしそうに二人を見つめ、遠巻きに歩いていく。
ヒバリはの反応を見てフッと笑った。
「今週は色々と忙しかったんだ」
お前さっきまで本読んでたよな。紅茶飲みながらのんびり読書してたよな俺が仕事してる横で。オイ。コラ。逃げんな!」
顔をひきつらせながら懸命につっこみを入れる。ヒバリはスタスタ背を向けて歩いていく。
待てコラ!と叫んだが走ってヒバリの消えた階段に消え、残った生徒達は呆然と二人を見送った。
下から聞こえた会話から、が何かに釣られて負けたことが分かった。

あるときは校庭。
「そろそろヤろうよ。諦めて」
「お前が諦めろっつーの」
ヒュンヒュントンファーをふり回して、ヒバリがを襲っている。
しかし、は大して気にした様子も無く攻撃を避けている。
びゅんびゅんブォン、ドカ、と音を発しながら、二人とも下手に踏み込めないじゃれあい(といえるかどうかは分からないが喧嘩ともある意味見えない)をしていた。
「委員長!会議の時間です!」
「だとよ」
「チッ・・・」
「呼びきてくれたリーゼント咬み殺すな」
にやりとが笑うと、ヒバリは舌打ちして手を止める。
そのままリーゼントを殴ろうとしたヒバリだが、ブンと振られたトンファーはが流れるような動きでぱしっと手に取った。リーゼントは蒼白だ。
リーゼントはヒバリが消えてから、の肩を持って泣きそうな声でありがとう・・・!と言っていた。

あるときは不良たちが争った跡地で
「この血痕だれが掃除すると思ってんだよ」
「美化委員だね。委員長に報告」
校庭の隅で、物凄く見栄えの悪い地面を前に二人が立って話している。
ダルそうな顔をしたが、携帯を取り出した。
「あ、草壁?どこにいる?おーいいねいいねさっすが草っち。校庭に血痕あるから掃除しといてってついでに伝えといてくんね?は?結婚?誰と誰が結婚すんだよー恭弥か?」
スパァン!!
と、物凄い音があたりに響く。
どこからとりだしたのか、文庫本でヒバリがの頭を思い切り殴っていた。
殴られたは頭を抑えつついてーなーと文句を言っている。ヒバリは無茶苦茶冷めた目で睨み中。
「聞いたか草壁今の音。は?生きてるよ何言って  (スパァン!!)  ってーな恭弥!っておま、笑ってンな!!」
どうやら遊ばれているらしい。
ヒバリはかなり楽しそうに肩を震わせて笑っている。こらえつつ。
電話しながら、はブンブン腕を振ってヒバリにも対抗していた。

どうやら毎日こんなやりとりをしているらしい。
「激しすぎる・・・」
げんなりして、ツナは家に帰った。



朝学校に行ったツナは、がいなくてまた遅刻かと息をつく。
が遅刻をするのなんてしょっちゅうだ。
雨の日なんて下手したら学校に来ない。ヒバリに引っ張られているのを何度か目撃したけれど。
昼過ぎになって、眠たそうに欠伸をしながらが教室に入って来た。
「おそよー」
「おそよータケ。いい朝だな」
「もー昼だぜ
教室に入ってくると、大体山本と冗談を飛ばしあう。
ツナは隣で二人を見ながら笑い、がツナにちょっかいをかけてくる。
すると獄寺が乱入してくるわけで。
「テメー!10代目を弄るな!」
「可愛がってんじゃねーか。お前目ぇ悪いな」
「10代目で遊んでんじゃねえ!!」
「危ない響になってるぞー隼人」
「うっ!ってお前が変な解釈してんじゃねーかよ!!」
そのままは獄寺で遊びだす。
弟に似ていて面白いらしい。
かなり楽しそうにケラケラ笑ってから、獄寺の頭をくしゃくしゃ撫でて手を払われていた。
「やっぱ手ェ払わずに素直に撫でられてくれるのは、ツナだけだよな」
「・・・なんかその扱い微妙だって」
げんなりしながら、ツナはに頭を撫でられる。
だからやめろっつの!と獄寺がの手を払った。ツナははぁとため息をつく。
じゃあお前撫でさせてくれるのか?とが問いかけると、獄寺は押し黙る。
「っく・・・!10代目の身代わりなら・・・!」
「っくく・・・!おまえ・・・!ほんっとかわいーよなーっ」
「はあ!?」
あははと笑いながら、は獄寺の頭を撫でる。しかし笑顔がほわほわしている。
思い切り顔を歪めた獄寺は、頭を撫でられつつも(きっと懸命に我慢している)なにいってんだ!と叫んだ。
「いやもう一々返してくる反応とか、リアクションとか。響き方がいいね!」
「わけわかんねーよ!つかいい加減やめろ!!」
ばしっと手を弾かれるが、やはりはケラケラ笑う。
かわいーとが茶化すと、山本まで一緒になってケラケラ笑い出した。
テメーら殺すぞ!!と獄寺がダイナマイトを取り出す。そこはツナがなんとかとめた。
「ああ、でも。笑った方がいいな」
「は?」
「隼人は笑った方が可愛いよ」
さらりとが言うと、獄寺が顔を真っ赤にする。
果てろ!!と叫ぶ獄寺はツナにもとめられず。
しかしがケラケラ笑いながらダイナマイトを叩き落した。
「照れんなよー。なあタケ」
「そーだなー。獄寺は笑ってた方が可愛いな」
「ほら見ろ!」
「かっ・・・!!可愛いっつわれて男が喜ぶかーーー!!」
「(ごもっともで・・・)」
両手を上げて叫ぶ獄寺。
ツナは哀れな目で獄寺を見る。たちは爆笑。
女子達はきゃあきゃあ騒いでそうだよねなどと言い合っているが。
獄寺と話しているときのは、最初からテンションが高い。
ツナが話していてここまでテンションが上がるのは、盛り上がってからだ。
ふと、遠くから二人のやり取りを見ているような気分になる。
顔を赤くしながら喚く獄寺。
その獄寺を笑いながら流す。というか遊びまくる
物凄く楽しそうだ。
「(・・・弟さんに似てるって言ってたんだし、やっぱり・・・)」
懐かしいんだろうな、と心の中でつぶやいて、ツナはなんだか切なくなる。
本当の家族に会えないは、きっともっと切ない思いをしているんじゃないだろうかと切なくなる。謝ったあの日から時折考えることだった。
だからに頭がぐちゃぐちゃになるほど撫でられても、抱きつかれても、あまり強く反発できない。
は弟と被らせるなんてことはなく、ツナはツナとして可愛がっているようだけれど。
弄られている時、ふとそんなことを思うとは決まって苦笑いする。頭をぽんぽん叩いて、別の話を始める。
その点獄寺は、曰く考えなし(的を得すぎてるとツナは思ってしまったけれど)な所為か、本気でに突っかかっている分、も気が楽なんだろう。
「(山本は――)」
ふいと山本に顔を向けたツナは、眉根を寄せてしまう。
と一緒になってケラケラ笑っているが、時折、あまりに獄寺が弄られすぎると微妙な笑顔になる。
酷い時は、本当に顔をしかめている。あの山本がだ。天然も発動せずに。
「(やっぱり好きだったりして)」
ぼんやり考えながら三人を見ていると、担任が「コラそこー、HRやってるんだから静かにしろ」と声をかけた。
へいへーいとがやる気なく返事を返す。
お前たまには気のある返事しろよ!とつっこむ山本に、色のある返事で我慢してくれ、なんては冗談を返した。
「テメーは一々発言がキメーんだよ!」
「馬鹿だなー意図的に決まってんだろーがお前もキャラ作っとけ」
「るせー!作るってナンだ!猫被ってやがんのかコラ!!」
「言葉のオブラートくらい持っとけ?個性っつーんだよ」
「それをいうなら社交辞令だろー」
「社会人の最低限の持ち物だよなーでもずれてるぜタケ」
「あれ?まーいっか!」
「そーだなー」
っっだーーもうお前らマジウゼー!!」
騒ぐ三人にもはや教師もお手上げ。委員長は無視して話を進めている。
三人を見て周りの生徒達は笑い、中心の三人は、熱くなる獄寺を抜かして呑気にしていた。
「――というわけで、もうすぐ体育祭があるから。役割分担するよ。意見がある人は手を上げて」
「はいはーい。風紀委員長がウザイと思われるんで、何もない仕事にしてくださーい」
の風紀委員長がウザイ発言に周りがドン引きする。
もちろんツナも引いた。が、引かないのが獄寺。
「お前サボってるだけだろ!」
「あ?じゃあお前これやるか?明日までにコレ全部終らせてくれるのか」
いつも空っぽの机の中から、がドンとファイルを取り出して机に載せる。
いやー助かるねぇ毎日これじゃあ俺が死ぬ、などといいながら、はぱらぱら紙を弄った。
「・・・」
「できねーのかよ」
「〜〜上等じゃねえか!!
バーカだれがやらせるかよ。慣れてないやつが急にやって明日までに終るか」
「上等だテメー表でろ!!」
「熱くなるなって。冗談だろ冗ー談」
バーンと机を叩いて怒鳴る獄寺。しかしは全く動じない。
そういや毎日ヒバリと乱闘だったとツナはげんなりする。
これで手ぇうとうや、と何処からともなくパンを二つ取り出しが投げると、獄寺はチッと舌打ちして席に座った。
「・・・。これ、マジで明日まで?」
「ん?いや。ぶっちゃけ半分」
聞こえてるぞコラァ!!
「うわー。半分でも凄い量だねえ」
めんどうになりそうなので、ツナは獄寺を無視しての話しに乗る。
は一瞬呆れ顔でツナを見たが、息をついて――肩を震わせながら普通にありえねーよ、と答えた。
「やっぱ笑ってんじゃねーか!」
「あははは。ホントお前響くよなー面白いくらい」
「・・・!!」
ケラケラ笑ってが言うと、獄寺はぐっと押し黙って無視に決め込んだらしい。
立ち上がっていたがまたドンと席に座り、無言でこちらを見向きもしなくなった。
ツナはうわーとしらけた顔でを見る。
「(やっぱりってくえないよな)」
「(お前ってやっぱ腹黒いよな)」
「(え?まさか。俺頭良くないよ)」
つっこみを読まれて以来、なんでかこの方法で以心伝心。
は呆れ顔してツナを見てきて、ツナはくすりと笑った。
好きなようにやりたい事を決めろ、と委員長が言い始めると、それぞれみんな好きなモノ同士で固まり始める。獄寺もこちらに来た。
「10代目、なにやります?」
「えー・・・。とりあえずクジで係り決めるんだろ?パネルとかは先輩たちが率先してやるし・・・俺たち一年は応援委員とかに入らない限り、ほとんどなにもないんじゃないかな」
「俺は部活あるからパスだな」
「俺はすでにパスだな」
「誰もオメーらに聞いてねぇよ」
二人して椅子を斜めにしながら言う山本とに、獄寺がメンチ切りながら言う。
も山本もケラケラ笑い、つめてーなーだのカルシウムたりてねーなーだのまた言い出した。
だからやめろってとツナはたちを見る。はハイハイと言って椅子を元に戻した。
「なんでお前が10代目より偉そうなんだよ」
「キャラじゃねーの。濃さとか」
「関係有るか!」
「恭弥見てみろよ。濃すぎだろ。アレで天下取ってんだぜ誰の話しも聞かないで咬み殺すキャラだから」
「うわ否定できねー・・・」
の言葉を聞いて、思わずツナは顔を逸らした。
気付けばまたと獄寺で(主に獄寺が)騒いでいる。
ツナは二人の様子を見てため息をついた。
両手を頭の後ろに回していた山本が、ため息をついてからツナに顔を向ける。
ツナがきょとんとすると、山本が顔を近づけてきた。
「こいつらって実は仲いいよな」
「あー・・・うん。かなりね」
主にが気に入っているらしいのだが。
ツナが苦笑いしながら答えると、山本は自分で言っておきながら――二人を見てちょっと顔をしかめる。
ツナはやはり首をかしげて、こそっと山本に耳打ちした。
「・・・山本。山本ってさ、もしかしてのこと好き?」
離れたツナは、きょとんとする山本を見てブンブン手を振る。なんでもないといいながら。
しかし山本は、顎に手を当てて唸り始めた。
ちらりとを見て首をかしげてから、じっとを見る。
気付いたが、きょとんとしながら山本に顔を向けた。
「なんだよ」
「・・・うーん」
「・・・人の顔見てうなるなっつーの」
「とうとう頭いかれたか、こいつ」
じっとを見つめて唸る山本。
と獄寺が物凄く呆れた顔で山本を見る。
こいつどうする?とが山本を指差して獄寺に顔を向けると、獄寺もに顔を向けてさぁ放っとくか?と言い返した。
喧嘩というかじゃれあいばかりしているくせに、なんだかんだいってやはり仲が良いらしい。というか、獄寺も遊ばれていると・・・・・・本人が言っているのだからさすがに理解しているのだろう。
これで理解してなきゃ馬鹿だな、と失礼にも考えていたツナは、ガタンと山本が立ち上がったのでびくりと体を揺らした。
、立って立って」
「は?」
ひらひら手を振る山本に訝しげな顔をしながら、は言われたとおり立ち上がる。
がばっとに抱きついて――というか抱き締めだす山本を見て、きゃぁぁああと女子の一角が悲鳴を上げた。
ツナたちはいつものことだで終了。
「うーん・・・」
「一体どうしたんだよ。人にくっついて考え事すんなって。タケー」
いまだうなる山本に、はぱたぱた手を叩いて声をかけている。大変無駄に終っているが。
ツナや獄寺が呆れ顔して見ていると、チャイムが鳴る。
終った終わった、とみんな帰る支度を始めるが、山本は相変わらず。
「おいタケ。いい加減コミュニケーションタイムは終了。ほれ」
仕事あるんだよ、と言って、は簡単に山本から抜け出す。(さすが、と思ってしまう)
「んじゃーおつかれ」
「ああ、うん、また明日」
ファイルを持って、はひらひら手を振りながら教室を出て行く。
うぅんとを見送りながらまだ唸っていた山本は、分かったぁ!!と大声で叫んだ。
「俺が好きなんだ!」
「・・・。ぇぇぇええええええええ!!!
「はぁぁぁぁあああ!!?」
一拍遅れてツナが叫び、その後獄寺が叫ぶ。
他にもクラスメイトたちが叫び声を上げたが、山本は固まるツナたちに爽やかな笑顔で振り向いた。
「いやーツナのお陰だぜ!なーんかこう、初めて会った時から変だなーって思ってたんだよ。ぎゅーってなるっつーか、きりきりってなるっつーか」
「抽象的過ぎてわかんねーよ・・・」
「(つーか気付くの遅っっ)」
獄寺は未だになんだかげんなりしつつつっこみ。
ツナもげんなりしながらいつものつっこみだ。
あっはっはっと笑うと、じゃーがんばって落とすかな!と両手を上げて教室を出て行った。じゃーな!と挨拶する事も忘れずに。
ただ彼が忘れたのは、ここにクラスメイトが以外全員残っているということだ。
「・・・あいつ、馬鹿なんスかね」
「・・・まぁ、それは夏休み前に分かってたよね」
「(10代目!?)」
さりげなく獄寺のつっこみに乗ってみる。ちょっぴり引かれた。
はぁ、とため息をついて、ツナは鞄を持つ。獄寺も慌てて鞄を取りにいった。
いまだクラスメイト達は二人の話しでざわめいている。一部の女子は、かなり楽しそうに。
「(あぁこれヒバリさんが知ったら大変なことになるんだろうな)」
「つーかお前確信犯だろ、ツナ」
「何言ってんだよリボーン。獄寺クン、帰ろう」
「・・・愉快犯か」
何故かロッカーの上にリボーンが。
さらりと返事を返すと、ツナは獄寺を呼んで教室を出た。


学校を出る前に、何故だかバイクに乗ったヒバリから走って逃げるを発見した。



















あの人の態度見てるとホント、好かれてるって感じだよね。(表現方法は間違ってるけど。え?なにも言ってないよ空耳だろ)